今日のゼミは葵祭(賀茂祭)の見学

No.6705

 今日はⅡ講時目に『吾妻鏡』講読会が予定されていたのですが・・・。

 「そういえば今日は葵祭だったね。行ったことのない人は?」「それなら是非行きなさい」「2時間あれば見学して戻れますよ」「検非違使尉がどんな装束をしていたのか、実際に見ることの出来るチャンスだから」「京阪で出町柳まで出て、河原町通りを丸太町に向かいなさい」「帰りは七条京阪から歩いて戻ればよい。歩くのが大変だというんじゃ、若者ではないよ」・・・といった、小生の発言に従って、共同研究室に参集していた史学科の2回生たちは、いそいそと葵祭の見学に出掛けて行ったのでした。
 
 これが、京都にある大学の強みというもの。
 
 見学に行ったゼミ生さんたちの感想はというと、全員一致で「馬が飼いたい・・・」だそうです。
 さすがは、『吾妻鏡』講読会のメンバーたち。心はすっかり「東国武士団」です。

 午後は三条高倉の京都文化博物館にある(財)古代学協会で『古代文化』の編集会議に出席。
 ここで同席した山田邦和先生からうかがった、葵祭に関する貴重なお話しはこちらで、
  → http://heike.cocolog-nifty.com/kanwa/2009/05/post-1f1e.html

志方正和『九州古代中世史論集』入手

No.6703

 刀伊の入寇の際に活躍した大宰府府官に関する研究や肥後菊池氏の系譜を解明し、鎮西における武士成立史の実証的研究に先鞭をつけたことで知られる志方正和氏の論文集『九州古代中世史論集』(志方正和遺稿集刊行会、1972年)をようやく入手することが叶いました。巻頭の序は志方氏の恩師である平泉澄氏が寄せられています。
 この論集には「大宰府府官の武士化について」という未読の論文(1960年、西日本史学会秋季大会における発表の原稿などによるもの)が収められており、拙稿「鎮西における平氏系武士団の系譜的考察」(『鹿児島経大社会学部論集』10-1、1991年)で触れた点の一部がすでに解明されていたことを知ることが出来ました。志方氏の経歴については全く存じませんでしたが、この本の末尾に付されている年譜で1966年に44歳の若さで早世されたことを知りました。
 志方氏の研究の意義は大きく、その先駆的な業績は、研究史上に明確に位置づけられなければなりません。
 武士成立史の研究というと、どうしても東にばかり目が注がれがちです。近年は畿内周辺の武士にも関心が集まっているようですが、東国武士と対比する意味からも鎮西武士の研究は重要だと思います。これまで、志方氏を始め、正木喜三郎・外山幹夫・工藤敬一・渡辺澄夫・五味克夫・江平望氏ら先学によって、地域ごとに積み上げられてきた、東国武士西遷以前の鎮西における武士研究の総合化が要請される段階に来ているのではないでしょうか。
 若手の取り組みに期待するところです。

 ちなみに、東国武士の研究においても、旧態依然とした理解が息を吹き返しつつある一方で、根本的な事実関係の再検討をせまる問題提起が行われている状況もあり、新たな局面の展開が予想されるところです。傍観はしていられそうにありません。

ちょっとずつ読む『吾妻鏡』

No.6704

 寒暖一定しませんが、みなさん健康に気をつけながら『吾妻鏡』を読んでいきましょう。次回の火曜日の『吾妻鏡』のご案内です。
 
 日時:2009年5月19日(火)14:45~(予定)
 場所:京都女子大学L校舎 3階 共同研究室
 範囲:寛元四年(1246年)九月一日・十二日・十六日、十二月二日・七日・十二日・十七日・二十八日・二十九日
    寛元五年(宝治元年、1247年)正月十三日、三月二日・十七日・二十日・二十七日、四月四日・十一日・二十五日、五月六日・十三日・十四日・二十一日・二十六日・二十七日・二十八日・二十九日、六月一日・二日・三日・四日・五日・六日・七日・八日・九日・十日・十一日・十二日・十三日・十四日・十五日・十六日・十七日・十八日・十九日・二十日・二十一日・二十二日・二十三日・二十四日・二十五日・二十六日・二十七日・二十八日、七月一日・四日・七日・十日・十四日・十七日・十八日・十九日・二十四日・二十七日、八月一日・九日・十四日・二十日、九月九日・十一日・十月八日・十八日、十一月一日・十一日・十四日・十五日・十六日・十七日・二十三日・二十七日、十二月八日・十二日・二十九日の各条

 寛元五年=宝治元年は「宝治合戦」の記事など重要な記述が多いのでじっくり読んでみたいと思います。
 毎週火曜日の『吾妻鏡』講読会は、参加者のみなさんの自主的な積極性によって支えられております。基礎的な史料読解のニーズにも対応しておりますので、新年度から何か新しいことを始めてみようという方は、まずは見学からでもどうぞお気軽にご参加ください。

お礼

No.6700

野口実先生
『紫苑』第7号、拝受いたしました。ありがとうございした。
もう7号なのですね。すごいことです。
掲載の論考もますます充実度を増してきたように感じられます。
「活動記録」の写真を見て、「野口さん、女の子に囲まれて…」と思って、そういえば、ここは京都女子大だったよな、と改めて思い出しました。(笑)
雑誌の発行はたいへんかと存じますが、今後とも頑張ってください。
楽しみにしております。
掲示板も毎日書かれて、すごいです!!!

お礼のお礼

No.6702

 中村先生、わさわざのお書き込み、ありがとうございます。

  『紫苑(しおん)』ですが、「3号雑誌」に終わるのかとおもいきや、なんとか毎年の刊行を果たし続けております。多くの方々の御支援のお陰だと思います。

 掲載の論文、研究ノートについては、諸方から高い評価をいただけるようになり、たいへん嬉しく思っております。学部生でも、自ら書くことによって、早いうちから論文執筆の作法や手続きを身につけておくことが大事なようです。

 今号では、米谷豊之祐先生のことを多くの方たちに知っていただけたのが幸いなことでした。とくに中堅以上の研究者の方たちからの反響に大きいものがありました。  

 写真ですが、74ページの方を御覧になられた方からは、逆に女子大なのに男の子ばかりではないか、という御感想が寄せられております。「男の子」というのは、もちろん、テーブルの向こう側の元木先生や美川先生、左横の川本先生ではなく、主に後ろ姿のお三人です。この人たちは、誰あろう(元木先生のお隣のお一人も含めて)、京大の博士課程の院生さんや日本学術振興会の特別研究員さんら、「蒼々たる」若手研究者たちなのです。

 なお、掲示板を出来るだけ毎日書いているのは、言うに言われぬ、それなりの必然的な事情があるからです(泣or笑?)。

 余談ながら、中村先生もネコをお飼いになっておられるようですが、当家にも白ネコが2匹おります。このところ、やけにすり寄ってくるのはいかなる理由があるのかと思っていたところ、鏡を見て納得。小生も白ネコならぬ白髪ジジイになっていたのでした。50代後半、己の姿の変貌ぶりに日々驚かされております。
 まさに「諸行無常」。
 
 ※ 昨日の基礎演習の二つの報告は、とても興味深いものでした。「草食系男子論」は、かなり身近なところにまで話が及びましたし、「落書き論」は芸術論や今日の若者の精神病理や匿名掲示板に見られるようなネット社会の弊害についても考えさせられました。
 
 ☆ 青山学院大学の佐伯真一先生と国立歴史民俗博物館の菱沼一憲先生の御連名で、新刊の延慶本註釈の会編『延慶本平家物語全註釈 第二末(巻四)』(汲古書院)』を御恵送いただきました。
 佐伯先生・菱沼先生にあつく御礼を申し上げます。
 
 ☆ 名古屋学院大学の早川厚一先生より、御高論「『頼政記』の成立-『平家物語』諸本との関係-」(『名古屋学院大学論集(言語・文化篇)』20-2)・「『源平闘諍録』全釈(四-巻一-④(六ウ9~8ウ6))」(『名古屋学院大学研究年報』21)および早川厚一・曽我良成・橋本正俊・志立正知「『源平盛衰記』全釈(四-巻一-4)」(『名古屋学院大学論集』(人文・自然科学篇)45-2)を御恵送いただきました。
 早川先生に、あつく御礼を申し上げます。
 ゼミメンバー・関係者のために各10部もお送り下さいましたので、必要な方は申し出て下さい。

明日の基礎演習Ⅰ・基礎教養科目予告

No.6699

 明日(12日)Ⅲ講時の基礎演習Ⅰの報告テーマは、土居さんが「草食系男子について」、中原さんが「落書きについて」だそうです。面白そうですね。
 履修者諸姉は、何か発言すべき意見を用意しておいてください。

 Ⅴ講時の基礎教養科目の講義テーマは「日本中世の女性-離婚と遊女・女商人-」です。前回は時間不足のため、一番大切な部分が早口になってしまいました。
 時間配分はなかなか難しいところがあります。 

 来週18日Ⅲ講時、史学科1回生の仏教学の時間に講話を担当させていただくことになりました。
 テーマを本日中に報告する必要があるのですが、何をお話しすべきか、はたと思案しております。
   ・・・困った。

 ☆ 東北福祉大学の岡田清一先生より、先生のゼミナールで編集された『福島県磐梯町調査報告書-地域研究の方法と課題-』を御恵送いただきました。
 特別寄稿として、先生の御高論「会津の如蔵尼、いわきの如蔵尼-東北の将門伝承-」が収録されています。
 岡田先生ならびに岡田ゼミナールの皆様に、あつく御礼を申し上げます。

日本史研究会 共同研究報告準備会

No.6697

 この掲示板で御紹介するのが大変遅くなってしまいましたが、今年度の日本史研究会大会において、中世史の共同研究報告を佐伯智広君が担当されることになりました。
 おおいに期待するところです。

 佐伯君は御存知のように京都大学元木先生御門下のリーダー的存在ですが、当ゼミの活動にも積極的に参加して下さっており、とくに先年、週一回、院試をめざす諸姉に古文書読解の指導をして下さったことは記憶に新しいところです。もちろん、全員合格の実績。

 さて、その大会報告(10月)に至るまでに、通例3回の準備報告が行われるのですが、その1回目が来週に予定されております。

  【共同研究報告準備会】
  日 時: 5月17日(日)14:30~
  場 所: 機関紙会館3F(地下鉄丸太町駅より徒歩5分)
  報告者: 佐伯智広氏
  報 告: 「中世前期の皇位継承と王家領」

という、次第です。

 大会報告に至る準備報告会全部に出席して、報告の内容が固まっていく過程を知ることはとても勉強になると思います。中世前期政治史専攻の院生さんのみならず、すくなくとも進学を期している学部生もぜひ出席するとよいと思います。
 第一線における研究の何たるかが理解でき、同学の知己も得られ、更にいえば将来に展望もひらけるはずです。

 私が共同研究報告のサブグループに参加したのは美川先生が報告を担当された年(京都府立大で開催)でしたが(京都文化博物館在職時)、あのころ部会で熱心に討議に参加されていた院生さんたちは、目下、ほとんどの方が各地の大学で教授として活躍されています。

 ☆ 千葉県文書館の岡野浩二先生より、御高論「平安末期における天台僧の修行巡礼-青蓮院門跡吉水蔵聖教にみえる備前・因幡・伯耆-」(『倉敷の歴史』19)・「宗像大社一切経奥書にみえる瀬戸内海の地名」(『芸備地方史研究』263)・「書評 小島孝之・小林真由美・小峯和明編『三宝絵を読む』」(『歴史評論』708)を御恵送頂きました。
 岡野先生にあつく御礼を申し上げます。
 ちなみに、岡野先生の御郷里は倉敷市とのこと。山本さんと同郷ですね。

 ☆ 本願寺仏教音楽儀礼研究所の大田壮一郎先生より、御高論「室町殿権力の宗教政策」(『歴史学研究』852)を御恵送頂きました。
  大田先生にあつく御礼を申し上げます。
  公開講座にお出で頂けるとのこと、懇談会・懇親会にも御出席頂ければ幸いです。 

連休も終わり、前期ゼミ本格始動。

No.6696

 本日の『吾妻鏡』講読会。ようやく上総広常が頼朝のもとに参向しました。このあたりは『吾妻鏡』の曲筆の多いところですが、「大童」の話で盛り上がりました。
 それにしても、最近の学生さんは電子辞書を片手に受講されているので、うろ覚えの知識でいい加減な話が出来なくなりました。大先生だって、たまには間違えるものです。
 なお、連休明けということで、たくさんのお土産をいただきました。ご馳走様でした。
 それから、『小右記』講読会も、いよいよ来週月曜(Ⅲ講時)から再開です。さらに、参加希望者を募っております。

 先般、講師の御依頼を頂いた「歴史学入門講座」ですが、いずれ青木さんがこの掲示板でも告知して下さると思いますが、日程は6月21日(日)13時頃から、また御一緒させて頂くもう一人の講演者は西口順子先生に決まったとのことです。
 たしか西口先生は京都女子大学の御出身。お目にかかるのは、20年ほど前に日本史研究会の部会の後、お引き留めしてお話しをうかがって以来のことになると思います。自分の講演のことは棚に上げて、西口先生のお話をうかがうのが楽しみです。

 ○ 国立歴史民俗博物館より『高松宮家伝来禁裏本目録』が刊行されました。
 たいへん有用な目録です。お要り用の向きには、歴博振興会から購入可能とのことです(二冊セット4200円)。

Since 2003/05/03

No.6693

 今月の予定を確認するためにトップページを開いてふと見るとSince 2003/05/03とあるのが目にとまりました。
 このHPが開設されてから6年が経過したというわけですね。
 最近は掲示板しか機能していませんが、この掲示板は早い時期から有名であったらしく、開設の担い手であった永富さん(現、鈴木夫人)が、院進学の相談に某国立大学大学院の先生(私と同年齢で、私はこの方を中世仏教史の第一人者として尊敬している)のもとをお訪ねしたところ、その先生が私のことを、「あっ、あの掲示板の野口先生ですか!」と仰せられたというエピソードが語り伝えられております。
 今ではグーグルで私の名前で検索をかけると、「他のキーワード」として「野口実 掲示板」というのが出てくる始末です。
 この掲示板、御覧の通り、目下は私のブログ状態ですが、大学の枠にこだわらないゼミ運営のためには、本当に役に立っていると思います。
 最近では、ちゃっかり、授業の連絡用にも使わせて頂いております。
 
 いろいろなお立場の方たちが御覧になられるようになったために、ゼミメンバーの書き込みは消極化しておりますが、懇親会の計画などは着々と進められておりますので、御安心下さい。
 
 ☆ 立命館大学の杉橋隆夫先生より、御高論「保元・平治の乱-「平安」でなかった平安京」収録の『京の乱 立命館大学京都文化講座 京都に学ぶ2』(白川書院)を御恵送頂きました。
 杉橋先生に、あつく御礼を申し上げます。

私はSince 2004/04

No.6695

 連休を挟みましたが、次回の火曜日の『吾妻鏡』のご案内です。

 日時:2009年5月12日(火)14:45~(予定)
 場所:京都女子大学L校舎 3階 共同研究室
 範囲:寛元三年(1245年)十月二十八日、十一月四日・十日、十二月十六日・十七日・二十五日
    寛元四年(1246年)三月二十三日・二十四日・二十五日・二十六日・三十日、四月八日・十九日、閏四月一日・八日・十八日・二十日、五月二十四日・二十五日・二十六日、六月一日・六日・七日・十日・十三日・二十日・二十七日、七月十一日、八月一日・十二日・十六日、九月一日・十二日・十六日、十二月二日・七日・十二日・十七日・二十八日・二十九日
    寛元五年(宝治元年、1247年)正月十三日、三月二日・十七日・二十日・二十七日、四月四日・十一日・二十五日、五月六日・十三日・十四日・二十一日・二十六日・二十七日・二十八日・二十九日、六月一日・二日・三日・四日・五日・六日・七日・八日・九日・十日・十一日・十二日・十三日・十四日・十五日・十六日・十七日・十八日・十九日・二十日・二十一日・二十二日・二十三日・二十四日・二十五日・二十六日・二十七日・二十八日、七月一日・四日・七日・十日・十四日・十七日・十八日・十九日・二十四日・二十七日、八月一日・九日・十四日・二十日、九月九日・十一日・十月八日・十八日、十一月一日・十一日・十四日・十五日・十六日・十七日・二十三日・二十七日、十二月八日・十二日・二十九日の各条

 寛元五年=宝治元年は「宝治合戦」の記事など重要な記述が多いのでじっくり読んでみたいと思います。
 毎週火曜日の『吾妻鏡』講読会は、参加者のみなさんの自主的な積極性によって支えられております。基礎的な史料読解のニーズにも対応しておりますので、新年度から何か新しいことを始めてみようという方は、まずは見学からでもどうぞお気軽にご参加ください。メンバーの所属はいまのところ、京都女子大学、神戸大学、京都大学、関西学院大学、等といった、混成部隊(?)となっております。私も四年前のちょうど今頃の時期にこの掲示板を見てゼミにお邪魔するようになりました。以来、時の流れに身を任せております。

岡崎公園の古本市

No.6691

 このシーズン。当ゼミでは数年前までは神護寺の虫払いの見学が恒例行事になっていましたね。
 ところで、会期は明日までになってしまいましたが、第27回 春の古書大即売会が岡崎公園の京都市勧業館(みやこめっせ)で開催されています。すでに、500円で国史大系本の『吾妻鏡』を購入できた、などという「戦果!」情報が届いております。
 日頃、史料のコピーで散財しているメンバーは、ぜひお出かけになったら宜しかろうと思います。
  もっとも、「先生の本が50円で売っていました」などという、さみしい御報告を受けることになるかも知れませんね(じつは、Amazonで1円というのもあるのです・・・〈泣〉)。

 ☆ 早大大学院の下村周太郎さんから、御高論「鎌倉幕府不易法と将軍・執権・得宗」(『日本歴史』732)を御恵送頂きました。
  当ゼミの岩田君・米澤君の関心に直結する内容だと思います。
  下村さんに、あつく御礼を申し上げます。
  6月の公開講座の際にお目にかかるのを楽しみにしています。宜しければ、懇談会のみならず、懇親会にも御参加下さい。

「柳原白蓮展」

No.6692

 GWも余すところ、あと僅かとなりました。
 昨日は古本市を紹介しましたが、もし時間に余裕のある人がいたら、こちらもお勧めいたします。
 
 高島屋京都店7Fグランドホールで開催中の「柳原白蓮展」。会期は 5月11日(月)までとのこと。
 本学の創設者である甲斐和里子や九條武子もそうですが、大正・明治期に青春時代を送った女性には素晴らしい人が多い。
 「こういう人が生きていたのだ」と、知るだけでも励まされると思います。

中世戦記研究会例会開催のお知らせ

No.6689

 寮生の皆さんは故郷で連休をお過ごしのことと思います。
 
 中世戦記研究会の次回例会について、下記のようにご連絡を頂きました。
 会員以外で出席を希望される方は、当方までお申し出下さい。事務局に取り次ぎます。

 日時:2009年6月6日(土) 13:30~18:00
 
 場所:学習院大学 北2号館10階大会議室

 発表:
  輪読『真名本曽我物語』巻十:高木 信氏
  
  研究発表:会田 実氏「曽我物語という名をめぐって」
         野口 実氏「清盛の富士遊覧・鹿島社参詣計画」 

つけたり

No.6690

 上記、私の報告は、平家の坂東支配に関わるものです。
 見過ごされていた既存の研究成果を紹介すると共に、地域サイドの視角からばかり語られがちな「東国武士」認識に再考をせまるような内容を期したいと考えています。

 学習院の伊藤さん、また宜しくお願いいたします。

 【追記】 以下、最近の雑感です。

 人文系の学術・研究が軽視され、この分野に人生を懸けようとする優秀な若い芽が育ちがたい世情ながら、ここ数年、サブカルチャーの世界に優れた素養を持つ人を発見することが間々あります。
 御当人は「研究者ではないのだから・・・」などと謙遜されるのですが、ブログなどを拝見すると、専門の研究者以上の見識が随所に、というケースが多く見受けられます。
 こういう方たちには、ぜひ、専門的な研究・学術のジャンルに参入して頂きたいと思うのです。
 すでに、現役をリタイアして、老後の楽しみとする、というのならば兎も角、まだ20~30代の若い人には、あまり責任の伴わない娯楽・趣味として取り組むよりも、真剣勝負の世界の方が断然面白いはず、と思うのですが。

『吾妻鏡必携』第二刷の発行(御礼)

No.6687

 日本大学の関幸彦先生と共編で吉川弘文館から出版させて頂いた『吾妻鏡必携』の第二刷が刊行されました。
 第一刷には些かの誤りがあったのですが、大方の御指摘を踏まえて訂正することが叶いました。
 誤記誤植についての御指摘・御教示を頂いた皆様(とりわけ、近藤先生と坂口君)にあつく御礼を申し上げます。

 なお、同じ吉川弘文館から一昨年に出版した『源氏と坂東武士』(歴史文化ライブラリー234)ですが、仄聞するところでは、すでに新刊の書店では入手不能になっているとのことです。
 この本についても、誤植を訂正した二刷が刊行できれば有り難いのですが、残念ながら版元からそのお話しは頂いておりません。

 ☆ 山口県立大学の伊藤幸司先生より、御高論「中世西国諸氏の系譜認識」(九州史学研究会編『境界のアイデンティティ』岩田書院)・「偽大内殿使-大内氏の朝鮮通交と偽使問題-」(『日本歴史』第731号)・「〈書評と紹介〉橋本雄著『中世日本の国際関係-東アジア通交圏と偽使問題-』(同727号)を御恵送頂きました。
 西からの武士論、さらなる展開が楽しみです。
 伊藤先生にあつく御礼を申し上げます。

『吾妻鏡』も必携

No.6688

 二刷成った『吾妻鏡必携』を座右に、連休明けも『吾妻鏡』を読んでまいりましょう。

 日時:2009年5月12日(火)14:45~(予定)
 場所:京都女子大学L校舎 3階 共同研究室
 範囲:寛元三年(1245年)十月二十八日、十一月四日・十日、十二月十六日・十七日・二十五日
    寛元四年(1246年)三月二十三日・二十四日・二十五日・二十六日・三十日、四月八日・十九日、閏四月一日・八日・十八日・二十日、五月二十四日・二十五日・二十六日、六月一日・六日・七日・十日・十三日・二十日・二十七日、七月十一日、八月一日・十二日・十六日、九月一日・十二日・十六日、十二月二日・七日・十二日・十七日・二十八日・二十九日
    寛元五年(宝治元年、1247年)正月十三日、三月二日・十七日・二十日・二十七日、四月四日・十一日・二十五日、五月六日・十三日・十四日・二十一日・二十六日・二十七日・二十八日・二十九日、六月一日・二日・三日・四日・五日・六日・七日・八日・九日・十日・十一日・十二日・十三日・十四日・十五日・十六日・十七日・十八日・十九日・二十日・二十一日・二十二日・二十三日・二十四日・二十五日・二十六日・二十七日・二十八日、七月一日・四日・七日・十日・十四日・十七日・十八日・十九日・二十四日・二十七日、八月一日・九日・十四日・二十日、九月九日・十一日・十月八日・十八日、十一月一日・十一日・十四日・十五日・十六日・十七日・二十三日・二十七日、十二月八日・十二日・二十九日の各条

 寛元五年=宝治元年は「宝治合戦」の記事など重要な記述が多いのでじっくり読んでみたいと思います。
 毎週火曜日の『吾妻鏡』講読会は、参加者のみなさんの自主的な積極性によって支えられております。基礎的な史料読解のニーズにも対応しておりますので、新年度から何か新しいことを始めてみようという方は、まずは見学からでもどうぞお気軽にご参加ください。メンバーの所属はいまのところ、京都女子大学、神戸大学、京都大学、関西学院大学、等といった、混成部隊(?)となっております。