西園寺家の吉田泉殿跡に新石敷き遺構発見

No.6241

 今日、京大西部構内の吉田泉殿と思われる遺構を見てきました。
先日の見学会の後に行ってから、2度目なのですが、
たいへんラッキーなことに、

 あの石敷き遺構の南東12mほどのところに、もう一本の石敷き遺構が発見されておりまいた。石敷き遺構~堀込地業~石敷き遺構となっておりました。

 二つの石敷き遺構は同じ高さで、並行しています。ということは、ほぼ12m四方の方形の仏堂と推定されます。以前発見されていた遺構に比較して、雨落ち溝がやや粗末な作のようで、この建物が北西方向から見られることを意識したものと思われます。ということは邸宅中心は北か北西にあったと考えられ、この遺構が吉田泉殿の一部と考えて間違いないのではないでしょうか。

 ちょっと興奮してしまいました。

 秋以降、今回の発掘地域の西側を掘る予定だそうです。楽しみになってきました。

『平治物語』論・『闘諍録』『盛衰記』注釈

No.6245

 美川先生、貴重な情報をありがとうございました。
 ひょっとしたら、福勝院の境域に属する建物の遺構なのではないかとなどと、想像をめぐらせていたのですが、やはり吉田泉殿の一部のようですね。
 京大の周辺は、12~13世紀のころ、源頼政の近衛河原邸や藤原経房の邸宅などもあり、けっこう都市的な様相を呈していたように思えてきました。白川道の機能も想像以上に大きかったのではないでしょうか。

 ☆ 本日、名古屋学院大学の早川厚一先生より、御高論「『平治物語』成立論の検証-『保元物語』『平家物語』『愚管抄』との関係について-」(『名古屋学院大学論集(言語・文化篇)』Vol.19 -1)・「源平闘諍録全釈(三-巻一上③(五ウ5~六ウ9))」(『名古屋学院大学研究年報』20)および、早川厚一・曽我良成・橋本正俊・志立正知「『源平盛衰記』全釈(三-巻一-3)」を、各10部づつ御恵送頂きました。
 ゼミ関係者に御配慮頂いたものです。
 早川先生にあつく御礼申しあげます。

 上記の御高論を必要とする方は、お申し出下さい。

『北条時宗の時代』と『式部省補任』拝受

No.6246

 本日、大著2冊を拝受。一冊は、ともに鎌倉時代研究の第一線で御活躍の久保田和彦先生・永井晋先生から御恵送頂いた北条氏研究会編『北条時宗の時代』(八木書店)、もう一冊は、永井晋先生より御恵送頂いた、永井先生の御編になる『式部省補任』(八木書店)です。

 前者に、久保田先生は「六波羅探題発給文書の研究-北条時茂・時輔・義宗探題期について-」、永井先生は「平姓安東氏の研究-安東蓮聖像の再検討を中心に-」・「中世都市鎌倉の発展-小袋坂と六浦-」という御高論を執筆されています。

 後者は「式部省補任 附文章道大業」・「式部考証」・「解説」の三部構成で、大変な御労作です。今後の研究にもたらす裨益は多大なものがあると思います。

 永井先生・久保田先生に、あつく御礼を申し上げます。


 ※ 本日、ある学術雑誌に掲載予定の書評の再校ゲラが届きました。初稿で完璧に修正は済ませたと思っていたのですが、数多の校正の見落としを指摘されていました。編集担当者には全く頭が下がります。その一方で、本当に自分に自信が持てなくなってまいりました。「耄碌」とはこういう状況を指すものだと思われます。
 原稿は、提出する前に、若い人に目を通して貰うことにしたいと思います。
 ・・・ということで、ゼミに関係する皆さん、宜しくお願いいたします。

第7回 中世戦記研究会の御案内

No.6238

 事務局御担当の志立先生より、第7回 中世戦記研究会の開催について御案内を頂きました。下記の通りです。
 
 日時:2008年6月22日(日)13:30~18:00
 場所:学習院大学 北2号館10階大会議室
 輪読『真名本曾我物語』巻9:兵藤裕己氏
 研究発表:高松百香氏「松殿基房と松殿家」(仮)
       志立正知氏「『平家物語』と武家故実」(仮)

 ※ 自由参加制ではありませんので、会員以外のゼミ関係者で参加希望の方は、事前に当方までお知らせ下さいますようにお願いいたします。
 ゼミメンバーは、伊藤さんもお待ちですから(!)、積極的に御参加下さい。

そしてまた『吾妻鏡』のご案内

No.6239

 前回の告知は直前の、しかも簡略なものとなってしまいました。また次回の『吾妻鏡』のご案内です。

 日時:2008年5月20日(火)15:00頃~(予定)
 場所:京都女子大学L校舎 3階 宗教・文化研究所共同研究室
 範囲:『吾妻鏡』嘉禎三年正月二日、六日、三月八日、十日、二十一日、二十五日、三十日、四月五日、十一日、十九日、二十二日、二十三日、五月十五日、六月一日、二十日、二十三日、二十五日、七月八日、十日、十一日、十九日、二十五日、二十九日、八月七日、十三日、十五日、十六日、十月十六日、十一月十七日、十二月十二日、
          嘉禎四年(暦仁元年)正月十八日、二十日、二十八日、二月六日、七日、九日、十六日、十七日、二十二日、二十三日、二十六日、二十八日、二十九日、閏二月三日、十三日、十六日、三月七日、十八日、十九日、二十二日、三十日、四月二日、七日、九日、十日、十六日、十八日、二十四日、二十五日、五月四日、五日、十一日、十六日、二十日、六月五日、七日、九日、十日、十九日、二十四日、七月九日、十一日、二十七日、八月十九日、九月九日、十三日、二十四日、二十七日、十月三日、四日、十一日、十二日、十三日、十四日、十二月七日、十六日、十九日、二十三日、二十四日、二十五日、の各条

  (※けっこう先の方まで掲出しましたが、読めるところまで読んでいきましょう。また、掲出した範囲以外に「これは」という条文があれば、その都度お知らせ下さい。)

 なお、その先は、5/27(火)15:00頃~開催の予定です。以後は毎週火曜日15:00頃からの開催を予定しておりますので、よろしくお願いします。

 『吾妻鏡』講読会は、参加者のみなさんの自主的な積極性によって支えられております。どなたさまでも、まずは見学からでもどうぞお気軽にご参加下さい。

さらに、日本史研究会 五月例会

No.6240

 今週末は歴史学研究会の大会に出掛ける方が多いと思いますが、来週の24日にも、今度は日本史研究会の例会で、注目すべきテーマが取り上げられています。
 
   「日記研究の現在―古代・中世の思考-」
   日時 5月24日(土)午後1時~午後5時
   場所 機関紙会館5階会議室 京都市上京区新町通丸太町上ル東側(地下鉄丸太町駅下車
     2番出口より西へ徒歩五分、市バス府庁前下車すぐ)

   報告 加藤友康氏(東京大学史料編纂所教授)
     「平安時代日記研究の多角的視座―平安中期における日記の筆録・書写・部類を中心     
     として―」

      松薗斉氏(愛知学院大学文学部教授)
     「王朝日記と「家」の日記」

   入場無料 一般来聴歓迎

明日の基礎演習Ⅰ・総合教育科目7B

No.6236

 明日(13日)Ⅲ講時「基礎演習Ⅰ」は、山脇さんが「嫁と姑」、吉村さんが「いじめ」をテーマに報告されます。
 いつものように、活発な討論を期待します。

 Ⅴ講時の「総合教育科目7B」は、前回に引き続き「日本中世の女性」がテーマです。「中世人の遊女観」や「ルイス=フロイスの見た日本女性」などについてお話ししたいと思います。

明日の『吾妻鏡』です

岩田 慎平
No.6237

先週末から少し冷え込んでいますが、みなさまどうぞお大事に。
取り急ぎ明日の『吾妻鏡』のご案内です。

◆日時:5月13日(火)、15:00頃~
◆場所:L号舘三階、野口先生の研究室
◆範囲:嘉禎二年八月五日条~

明日は野口先生の研究室をお借りしての開催です。どうぞよろしくお願い致します。

公開講座の会場が決まりました。

No.6235

◇「王の装いと武家の空間」(シリーズ「東山から発信する京都の歴史と文化」⑩)
 
 日時:2008年6月28日(土)13:00~17:00 
 講演テーマと講師:
   ①「寝殿造と六波羅泉殿~総柱大型建物の意味~」
                     川本重雄(京都女子大学家政学部教授)
   ②「天皇と装束」
                     近藤好和(神奈川大学経済学部特任教授)
 会場:本学J校舎(文学部棟・渋谷通りに面した茶色の建物)525教室
    ※ 京都駅からは市バス206系統「馬町」下車、または八条口からプリンセスライン(赤いバス)
     「京都女子大学前」行きが便利です。  

【追記】研究所ゼミ 来週の予定
 13日(火)14:45~ 『吾妻鏡』講読会(※ 今回は、共同研究室ではなく教授室で行います)
 15日(木)Ⅳ講時『小右記』講読会,Ⅴ講時『吾妻鏡』講読会(初級)    

「口角泡を飛ばせず」

No.6234

 昨日は講読会の際に、GW中に帰省されていた一回生の皆さんから、たくさんのお土産をいただきました。ありがとうございました。
 明日も『吾妻鏡』の講読会がありますから、時間のある方は御出席下さい。

 ◆ 茨城大学の高橋修先生より、新刊の『茨城大学中世史研究』Vol.5と昨年12月に開催された「茨城大学人文学部地域史シンポジウム『北関東の武士たち 新しい中世武士団のイメージ」を録画したDVD-ROM3枚(DISK1~3)を御恵送頂きました。

 『茨城大学中世史研究』の巻頭は、高橋先生の御高論「野口実著『源氏と坂東武士』をめぐって-東国武士団論の可能性-」。昨年刊行した拙著を紹介・批判しつつ、これからの東国武士団研究のあり方について展望を示されたものです。
 建設的な御指摘に満ちた内容で、シンポジウムの準備の過程で精読して下さったことがよく分かり、御批判をいただいた部分については、まったくその通りだと思いました。
 このように取り上げて下さっただけでも、拙著を書いた甲斐があったという感想をもちました。拙著を読んで下さった方全員に、これをお読み頂くことができれば、なお嬉しいところなのですが。
 ゼミメンバーには、コピーを配布いたします。

 DVD-ROMは3枚のセットで、1枚目には私の基調講演が収録されています。これを拝見して、講演内容は勿論のこと、私の話の仕方について、多くの点を反省させられました。
 ① 講演にも拘わらず、レジュメに目を落としてばかりいたこと。
 ② 話の語尾の発音が不明瞭であること。
 ③ 余計な修飾語が多すぎて、話の本筋を見えにくくしていること。
 ④ 口の角に泡がたまって、たいへん見苦しいこと。
など、など・・・
 とくに、④は前方の席におられた方には大変不快だったのではないかと思います(会場では、レジュメを御覧になっていたから良かったかも知れませんが)。
 当日、体調に問題もあったのですが、これは今後の授業や講演の際に、気をつけなければならないと思った次第です。
 授業評価のアンケートもよいのですが、自分の授業を録画して、自分が受講する側になってみるというのが、最も効果的なのではないでしょうか。

 茨城大学のシンポジウムに参加させて頂いたおかげで、いろいろなことを学び、反省することが出来ました。
 あらためて、高橋先生ならびに関係各位に、あつく御礼を申し上げる次第です。

 ☆ 本学史学科の綾村宏先生より、先生の御編著にかかる新刊『石山寺の信仰と歴史』(鷲尾遍隆監修,思文閣出版)を御恵送頂きました。
  綾村先生に、あつく御礼を申し上げます。 

シンポジウム「動物と中世社会」のご案内

中澤克昭
No.6231

野口先生、ゼミの皆様、おひさしぶりです。
過日は、『紫苑』6号を御恵送いただき、ありがとうございました。
いつもながら、貴ゼミの充実ぶりに驚いております。すばらしいですね。

今日は、シンポジウムの宣伝をさせていただきたいのですが、よろしいでしょうか。
会場は山梨。関西からは少々遠いかもしれませんが、ぜひ皆様お誘い合わせの上、ご参加いただければ幸いです。ごらんのとおり、歴史学・考古学はもちろん、文学・民俗・宗教・美術・生態など、様々な分野の方におすすめしたい内容です。
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第6回 考古学と中世史シンポジウム
「 動物と中世社会 ―捕獲・加工・消費― 」
開催のご案内
日 程:2008年7月5日(土)・6日(日)
会 場:帝京大学山梨文化財研究所
    (山梨県笛吹市石和町四日市場1566 ℡055-263-6441)
主 催:考古学と中世史研究会/共 催:帝京大学山梨文化財研究所
資料代:4,000円(第6回シンポジウム資料集・第5回シンポジウム報告集代)
【開催趣旨】
人類の歴史は、人と人以外の生き物の関係史でもある。中世の人々も様々な動物を食料とし、その皮革や骨を利用していた。さらに使役、贈与、愛玩、崇拝、駆除など、動物との関係は多様で、いずれも中世社会を考える際に見逃すことはできない。(中略)このシンポジウムでは、近年めざましく進展している動物考古学の知見と、文献や絵画から明らかになる実態を総合的に検討し、中世における人と動物の関係、特に捕獲・加工・消費の諸相について考えてみたい。
【プログラム】
7月5日(土)
12:00     受付開始
13:00~13:10 開会あいさつ
13:10~13:30 問題提起
       中澤 克昭 (長野工業高等専門学校)
13:35~14:15 「山野河海における生類と信仰」
       苅米 一志 (就実大学)
14:20~15:00 「大内氏は何を食べたか―食材としての動物利用―」
       北島 大輔 (山口市教育委員会)
15:00~15:15 ― 休 憩 ―
15:15~15:55 「中世装束・武具における動物部位の使用」
       近藤 好和 (神奈川大学)
16:00~16:40 「中世絵画に見る動物の捕獲・加工・消費」
       斉藤 研一 (武蔵大学)
15:40~15:55 ― 休 憩 ―
16:55~17:35 「本州アイヌの狩猟と漁撈」
       関根 達人 (弘前大学)
18:30~    懇 親 会 (ホテル古柏園)
7月6日(日)
9:50~10:00  諸連絡
10:00~10:40 「野生動物をめぐる場および人の関係」
       白水 智 (中央学院大学)
10:45~11:25 「牛馬の飼育と利用」
       盛本 昌広
11:30~12:10 「都市鎌倉における動物―搬入・食料・加工・飼育―」
       河野真知郎(鶴見大学)
12:10~13:10 ― 昼 食 ―
13:10~13:50 「考古学からみた動物の利用」
       松井 章 (奈良文化財研究所)
13:50~14:00 ― 休 憩 ―
14:00~16:00 討 論  
       司会:桜井 英治・飯村 均
16:00     閉会あいさつ
【参加申し込みについて】
参加ご希望の方は、住所・氏名・電話番号・懇親会のご出欠(参加の有無)などを明記の上、下記の帝京大学山梨文化財研究所へ、はがき・Eメール・FAXのいずれかで、6月30日(月)までにお申し込みください。
帝京大学 山梨文化財研究所 (萩原・畑・林)
〒406-0032 山梨県笛吹市石和町四日市場1566
℡ 055-263-6441/FAX 055-261-0462
E-Mail aae29890@pop21.odn.ne.jp
【交通案内】
JR中央線 石和温泉駅下車 タクシー約7分または徒歩25分
車 中央道 一宮御坂ICより甲府バイパス(R20)を甲府方面へ15分
  研究所南側に駐車場を用意してあります。
【宿泊施設について】
宿泊は、各自で下記のホテル等にお申し込みください。
なお、空室状況や料金等は、各ホテルにお問い合わせください。
「スパランド ホテル内藤」 ℡055-262-7001 シングル6,500円~
(研究所から徒歩4分)
「ホテル古柏園」 ℡055-262-5890 1泊2食付16,000円~
(研究所から徒歩20分)
「ルートイン甲府石和」 ℡055-262-1011 シングル6,500円~ 
(研究所から徒歩15分)

ご案内ありがとうございます

No.6232

>中澤克昭先生
 昨年度の公開講座ではお世話になりました。その後いかがお過ごしでしょうか。
 〈第6回 考古学と中世史シンポジウム〉のご案内を頂きまして誠にありがとうございます。動物に注目して人間と自然との関わりを探る魅力的な内容盛りだくさんのシンポジウムですね。とても興味深いです。

 七月の京都は蒸し暑い梅雨の真っ最中だと思いますが、その頃の山梨県の石和は気候も冷涼なのでしょうか。

中澤先生、おひさしぶりです。

No.6233

 中澤先生、昨年度の公開講座の際には貴重な御講演をありがとうございました。
 反響は大きく、未だに、御講演レジュメの残部について問い合わせがございます。

 今回のシンポジウムも話題を呼びそうですね。御盛会を祈念申し上げる次第です。
 池和田先生にも、宜しくお伝え下さいますように、お願い申し上げます。

明日の『小右記』・『吾妻鏡』講読会

No.6230

 『小右記』(Ⅳ講時)は長和四年四月三日条、『吾妻鏡』(Ⅴ講時)は治承四年八月二十七日条からです。
 まだ始まったばかりですから、新しい参加者も歓迎します。

 宗教教育センターの佐藤さんから、ゼミの皆さんに北海道旅行のお土産に「じゃがポックル」というお菓子を頂きました。これはたくさんのメンバーがやってくる明日の講読会に供出したいと思います。
 佐藤さん、ありがとうございました。

 ☆ 京都橘大学の細川涼一先生より、御高論「河越重頼の娘-源義経の室-」(『女性歴史文化研究所紀要』16)を御恵送いただきました。
 拙論を御活用いただいて、たいへん嬉しい内容です。小野さんの御研究にも役立つことでしょう。
 細川先生にあつく御礼を申し上げます。

中世史サマーセミナーの参加申込に関する御案内

No.6227

再び失礼します、大阪の岩川です。
今回は今夏に鹿児島にて催されます中世史サマーセミナーに関しまして御案内をさせていただきます。
本日より鹿児島地域史研究会のHP上にてサマーセミナーの参加申込を開始しました。
サマーセミナーの行き先・報告者等も掲示しております。
定員60名ですので皆様お誘いあわせの上、是非参加していただきたい所存です。
何卒よろしくお願いします。

http://kchiiki.kachoufuugetu.net/index.html

中世史サマーセミナーへの参加を薦めます。

No.6229

 せっかくですから、具体的な内容をコピーさせて頂きます。 
 申込などは、上記アトレレスへ。

 第46回 中世史サマーセミナー

 日時:2008年8月22日(金)~24日(日)
 会場:シティホテルイン霧島(霧島市国分)http://www.chik.co.jp/
 日程
 1日目:研究報告①…南九州の遺跡に関して等、4名報告
 2日目:史跡見学…志布志(志布志城・大慈寺等)・肝付(波見・山宮神社等)
    研究報告②
 3日目:史跡・史料見学…鹿児島神宮・大隅正八幡宮等

 報告内容
 中村和美氏(鹿児島県立埋蔵文化財センター)「万之瀬川下流域の発掘調査成果」(仮)
 渡邊誠氏(広島大学特別研究員)「12世紀の日宋貿易と山門・八幡・院御厩」(仮)
 重久淳一氏(霧島市教育委員会)「中世大隅正八幡宮をとりまく諸相―社家館跡の調査から―」(仮)
 屋良健一郎氏(東京大学大学院)「中世後期種子島氏とその周辺」(仮)
 小山博氏(宮崎県総合博物館)題目未定

 参加定員:60名(先着順)
 参加費用:25,000円(予定)

 ※ 報告者の重久先生には、先年のゼミ旅行の際に、社家館跡や隼人塚などを御案内頂きました。渡邊誠氏の御報告は武士論研究にもおおいに関係しそうです。

 場所は鹿児島。篤姫ファンの皆さんも、この機会にぜひどうぞ。

来月の研究所公開講座の御案内

No.6223

 GWも、のこり僅かとなりましたが、当方、例によって、急な用務が入り、予定していた仕事に着手できないでおります。

 ポスター作成の段階に入った公開講座について、お知らせしておきます。

 ◇「王の装いと武家の空間」(シリーズ「東山から発信する京都の歴史と文化」⑩)
 
 日時:2008年6月28日(土)13:00~17:00 
 講演テーマと講師:
   ①「寝殿造と六波羅泉殿~総柱大型建物の意味~」
                     川本重雄(京都女子大学家政学部教授)
   ②「天皇と装束」
                     近藤好和(神奈川大学経済学部特任教授)

 会場(学内)など、詳細については追って告知いたします。

 ☆ 文教大学の中村修也先生より、御高論「東アジア世界における白村江の戦いの位置づけ」を御恵送頂きました。
 中村先生に、あつく御礼を申し上げます。

 ☆ 京都市歴史資料館の宇野日出生先生より、御高論「「神聖なる葵」-京都の三大祭-」掲載の『まなびすと』Vol.5と共著の御高論「京都大原の山林文書(一)」(『生物資源経済研究』13)を御恵送頂きました。
 宇野先生にあつく御礼を申し上げます。

 ☆ 神奈川大学の近藤好和先生より、御高論「日欧甲冑比較論序説」(小島道裕編『文化資源の高度活用 武士関係資料の総合化-比較史および異文化表象の素材として-』人間文化研究機構,2008)ならびに「装束からみた天皇の人生」(『国立歴史民俗博物館研究報告』141)を御恵送頂きました。
 先週は公務研究でフランスに行かれていた由。ちなみに、御高論のうちの後者は、公開講座での御講演のベースとなるものであるとのことです。事前学習に役立てたいものです。
 近藤先生に、あつく御礼を申し上げます。また、来月の御講演、宜しくお願い申しあげる次第です。

その次の『吾妻鏡』

No.6224

 連休の最中ですが、みなさんいかがお過ごしでしょうか。
 やや遅くなりましたが、次回の『吾妻鏡』のご案内です。

 日時:2008年5月10日(土)13:00頃~(予定)
 場所:京都女子大学L校舎 3階 宗教・文化研究所共同研究室
 範囲:『吾妻鏡』嘉禎二年七月十日、十七日、二十四日、二十五日、八月三日、四日、五日、九日、二十日、九月九日、十日、十月二日、五日、二十九日、十一月一日、十三日、十四日、十五日、十二月三日、十九日、二十九日
    嘉禎三年正月二日、六日、三月八日、十日、二十一日、二十五日、三十日、四月五日、十一日、十九日、二十二日、二十三日、五月十五日、六月一日、二十日、二十三日、二十五日、七月八日、十日、十一日、十九日、二十五日、二十九日、八月七日、十三日、十五日、十六日、十月十六日、十一月十七日、十二月十二日、の各条

  (※かなり先の方まで掲出しましたが、読めるところまで読んでいきましょう。また、掲出した範囲以外に「これは」という条文があれば、その都度お知らせ下さい。)

 なお、その先は、5/13(火)15:00頃~開催の予定です。以後は毎週火曜日15:00頃からの開催を予定しておりますので、よろしくお願いします。
 『吾妻鏡』講読会は、参加者のみなさんの自主的な積極性によって支えられております。どなたさまでも、まずは見学からでもどうぞお気軽にご参加下さい。

山城郷土資料館「中世文書の世界」展

元木泰雄
No.6226

 大手前大学の小林基伸先生から、山城郷土資料館の展覧会の案内が転送されてまいりました。古文書学会の見学会にしたい内容ですが、当方、この時期の土日は全く身動きが取れませんので、見学会は開催いたしません。
 しかし、充実した展覧会ですので、是非ご覧下さい。
 とりあえず、案内のみ掲載致します。
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京都府立山城郷土資料館の「中世文書の世界」展のお知らせです。

企画展「中世文書の世界」
〔会期〕平成20年4月26日(土)~6月15日(日)(月曜休館、ただし 5/5は開館し5/7休館)
〔開催趣旨〕
 古文書は歴史を研究するうえで最も基本的な資料です。量的に増える近世以降に対して、中世の古文書は残された数も多くはなく、それ自体、貴重な文化財といえます。
当館は南山城ゆかりの寺社の文書(正法寺文書)、朝廷や貴族に仕えた官人の文書(調子家文書)、山城の国一揆の一員であった狛氏の文書(狛文書)、惣村や宮座の文書(木津天神宮文書・宮本座文書)など特色のある中世文書を数多く収蔵しています。
 これらのなかから中世文書の魅力を感じていただける資料を選りすぐって展示し、さらに畿内御家人に関する古文書として著名な和泉国和田(みきた)文書(当館寄託)を14年ぶりにまとめて公開します。
〔主な展示内容〕
 ○正法寺文書・・・鎌倉時代に八幡の山下に創建された浄土宗寺院の文書
 ○調子家文書・・・平安時代以来つづく朝廷や摂関家に仕えた官人の家の文書
 ○狛文書・・・山城国一揆の一員で室町時代の上狛に住んだ国人の文書
 ○中岡氏所蔵文書・宮本座文書・・・木津や南山城村田山などの惣村や宮座の文書
 ○和田文書・・・鎌倉時代以来、和泉国を本拠に御家人として活躍した和田氏の文書
【注】前期(4/26~5/18)と後期(5/20~6/15)で大幅に展示替えします。

〔文化財講座〕
  5月10日(土)14:00~16:30
講演「南山城の中世古文書学入門~その姿・形を読み解く~」
講師 文化庁文化財部美術学芸課文化財調査官 地主智彦氏
  ※ 講演会終了後、当館担当者による展示解説があります。
〔入館料〕一般 200円、小中学生 50円(団体割引あり)
〔主催〕京都府立山城郷土資料館
〒619-0204 京都府木津川市山城町上狛千両岩
電話 0774-86-5199 Fax 0774-86-5589
http://www.kyoto-be.ne.jp/yamasiro-m/

 山城郷土資料館へのアクセスは以下の通り。

 JR奈良線上狛駅下車徒歩20分(1.4Km)
 JR関西本線・学研都市線木津駅下車タクシー5分
 近鉄京都線山田川駅下車タクシー10分
 国道24号線・163号線「上狛4丁町」交差点東へ1.5Km

 徒歩では行きにくいですが、タクシー分乗などにて、お越しください。

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 6月の公開講座、楽しみにしております。
 例のミルクホールも新装再開していることと思います。
 今度の場所は西木屋町四条上る、鉄板焼きメニューも充実させるとのことです。
 そのころは当方の移転も、一段落していることと思います。
 ミルクホール再開にあわせて(笑)、京都市民になる予定です。
 家が近くなったら、これまで以上にのみに行くのか、はたまたすぐに帰宅するのか。どうなるんでしょうね。

『吾妻鏡』講読会・公開講座懇親会etc.

No.6228

 本日(4日)は、雨野弥生さんが主催された補陀落寺跡の見学会が行われ、大きな成果をあげられたとのことです。
 行動はすべての原点。雨野さんに敬意を表します。

 元木先生から御案内頂いた山城郷土資料館ですが、ゼミメンバーからの御希望が多ければ、見学会の設定を考慮したいと思います。 

 公開講座の懇親会については、元木研究室の山岡さんに幹事をお引き受け頂いております。何卒、宜しくお願い申し上げます。
 元木先生の御在京、心強い限りです。

 『吾妻鏡』講読会。13日(火)は、いつもの共同研究室ではなく、研究所教授室(野口研究室)で行いますのでご注意下さい。

 なお、10日は、久方ぶりに山本陽一郎君(今春、神戸大学大学院を目出度く修了されました)が参加して下さる由。『篤姫』のおかげです。
 ↑に岩川君がサマーセミナーの御案内を書き込んで下さいましたが、篤姫と言えば島津氏。

 ☆ 本日(4日)、戦国期島津氏の研究で令名高い山口研一先生より、その島津氏に関する御高論掲載の『歴史群像シリーズ 戦国九州三国志 島津・大友・龍造寺の戦い』を御恵送頂きました。
 ちなみに、山口先生は私の大学院の後輩に当たり、1989年に私が鹿児島経済大学(現、鹿児島国際大学)に赴任するに至ったのは、先生から教員公募の情報を頂いたからにほかなりません。私と鹿児島を結びつけてくれた恩人です。サマーセミナーは参加されるのでしょうか?
 山口先生に、あつく御礼を申し上げます。

追悼 米谷豊之祐先生

No.6212

 郵便物が返送されてきたことから、米谷先生が逝去されたことを知りました。御遺族よると亡くなられたのは3月1日。享年92歳とのことです。
 
 米谷先生には院生時代から書信を通じて常に励まされ続け、また、たくさんの御研究の成果を頂き、多くのご教示にあずかりました。お目にかかったのは、たった一度だけでしたが、まぎれもなく私の恩師の一人です。
 昨年、『紫苑』の前号をお送りした際、尻池さんの御論攷に讃辞を寄せて下さったことは、まだ記憶に新たなところです(>>No.5625)。 

 先生の御業績を今後の研究に活かすと共に、私に示して下さったような後進への暖かい眼差しを受け継がなければならないと思っております。

 米谷先生の御冥福を、衷心よりお祈り申し上げる次第です。
                                   合掌

Re: 追悼 米谷豊之祐先生

元木泰雄
No.6213

 米谷先生の訃報に接し、大変驚いております。
 お年賀状も頂戴しただけに、とても信じられない思いです。
 心よりご冥福をお祈り申し上げる次第でございます。

 米谷先生とは、昔、予備校の講師としてご一緒したことがあり、そのときに源為義に関する御論文の抜き刷りを頂戴致し、お話を伺ったことがありました。お話の中で野口先生のことを大変高く評価しておられ、「お若い方だが、随分と学恩を賜っている」と仰ったのが印象に残っております。
 その後も御著書を賜ったうえに、拙著を送りした際には、いつもお心のこもったお祝いのお言葉を頂いたことが思い出されます。
 学問も、お人柄も、まさに昔気質の、実に堅実な先生でした。華々しい論を展開されることなく、ストイックにひたすら事実を追い求められる研究姿勢を貫かれました。
 古めかしいといえばそうでしょうが、今日のように各種の索引やDBがなかった時代に、丹念に史料を渉猟し、源為義や下北面・検非違使、実務官人平信範一族など、地味だが重要な人々に光を当てられたことは、ある種驚嘆に値すると思います。
 テーマの重要性、御研究の意義に、やっと我々が気づいたといえるのかもしれません。
 もう、このようなタイプの学問をされる方は出ないことと思いますが、御研究は決して色あせることはないことでしょう。
 
 また一つ、時代が過ぎた感が致します。
 余談ですが、先生は長年大阪の高津高校の古文の先生として教鞭をとっておられました。その門下に受領研究で知られる愛媛大学の寺内浩先生などがおられます。
 
 

米谷豊之祐先生の略歴と研究業績(稿)

No.6214

 私が把握している範囲で米谷先生の御経歴ならびに御業績を紹介させて頂きます。

【略歴】
1915年 誕生。本籍は奈良県宇陀郡兎田野町(宇陀市兎田野区古市場)。
1940年 神宮皇學館本科卒業。その後、一年半あまり兵役に服す。
1942~47年 堺市立堺商業学校勤務。その後、古本業を営む。
1952年~ 大阪府立高津高校に勤務(定時制16年間・全日制10年間)。
       この間、関西大学文学部史学科に編入学、ついで大阪大学大学院に進学。
1957年 大阪大学大学院文学研究科修士課程修了。
その後、大阪城南女子短期大学・大阪産業大学などの非常勤講師をつとめる。

【著書】
『院政期軍事・警察史拾遺』近代文藝社,1993年
『平信範-傍流伊勢平氏の興亡を余所目に、摂関家の家司の立場を守り続けた人物-』
             新風書房,2006年

【論文】
「中原廣元・親能の関東来附の経緯について」
             『大阪城南女子短期大学研究紀要』第6巻,1971年
「武士団の成長と乳母」『大阪城南女子短期大学研究紀要』第7巻,1972年
「検非違使覚え書き-特に前期院政下の〝尉〟〝看督長〟について-」
            『大阪城南女子短期大学研究紀要』第8巻,1973年
「滝口武士考序説-特に十二世紀後期における様態-」
             『大阪城南女子短期大学研究紀要』第9巻,1974年
「源為義 其の家人・郎従の結集・把持-武家政権樹立前夜における武士団棟梁の苦悩-」
              『大阪産業大学論集 人文科学編』第38号,1974年
「鎌倉時代における母権-特に猶子・継子との関係における-」
            『大阪城南女子短期大学研究紀要』第10巻,1975年
「院武者所考-白河・鳥羽両院政期を中心として-」
        時野谷勝教授退官記念事業会編『日本史論集』清文堂出版,1975年
「後白河院北面下﨟-院の行動力を支えるもの-」
             『大阪城南女子短期大学研究紀要』第11巻,1976年
「源俊房と院政開始期の政局」『大阪産業大学論集 人文科学編』第61号,1981年
「滝口武者考」『日本歴史』第388号,1983年
「院政期検非違使歴名表及び附考」『大阪産業大学論集 社会科学編』第75号,1989年
「院北面武士追考-特に創始期について-」
              『大阪産業大学論集 人文科学編』第70号,1990年
「看督長考-特に院政期について-」『大阪産業大学論集 社会科学編』第91号,1993年
「平安中期における六位蔵人」
     大阪大学文学部日本史研究室編 『古代中世の社会と国家』清文堂出版,1998年
「佐竹家の祖-源義業」『古代文化』第54第6号,2002年

Re: 追悼 米谷豊之祐先生

No.6221

 米谷先生が亡くなられたとはショックです。

 私の『白河法皇』(NHKブックス)の執筆が、苦手な武士の部分で滞ってしまったとき、米谷先生の御著書を参考になんとか乗り切れました。そのとき本当に先学の業績というもののありがたみを痛感いたしました。出版後、さっそく拙著をお送りしたところ、過分のお褒めのことばをいただき、恐縮いたしました。ついにお目にかかる機会をつくることができなかったことが残念でなりませんが、そのお人柄の温かさが、その後のお手紙からも十分伝わってまいりました。今後も先生のすばらしいご業績を、自らの研究にいかすとともに、僭越ながら、できる限り世に広める努力をしたいと思っております。

 ご冥福をお祈りいたします。