二つの論文のご紹介。
No.5650
上横手雅敬先生より、御高論「『十訓抄』の編者をめぐって」(『佛教文学』31)を御恵送いただきました。『十訓抄』の編者を追求し、結論として、根拠になる史料に対する史料批判をせずに史料を操作しても無意味であることを述べられたものですが、その過程で「武士論」、「鎌倉時代における京都都市論」、「六波羅探題の機能論」、具体的には湯浅宗業や新日吉社小五月会流鏑馬の勤仕者などに関わる重要な御見解が示されていて、得るところ多大なものがありました。
上横手先生は、本年3月末に皇學館大學を御退任。これをもって51年におよぶ大学教員生活を終えられたとのことですが、ゼミメンバー共々、今後とも、ますますの御活躍と御指導をお願い申し上げる次第です。
もう一つは元木泰雄先生の御高論「多田行綱と源義経の挙兵」(『市史研究さんだ』9)。これは、元木先生の最新の御著書である『源義経』の補論とでも言うべき内容。とくに従来、なぞの部分の多かった多田行綱の存在を明確に跡づけられ、内乱期における京武者の役割に正当な位置づけをなされた論文です。
行綱による密告の真相や一ノ谷合戦の実像など、上横手先生の御高論同様、国文学研究者の方々にもぜひお薦めしたいと思います。
言うまでもなく、上横手先生と元木先生は師弟の御関係にありますが、両先生の御高論を拝読していつも思うのは、どうしてこんなに明快な形で論を進めていけるのだろうかということです。おそらく、膨大な量の史料を読みこなされているからだと思うのですが。なにしろ、読後感がきわめて爽快なのです。
上横手先生・元木先生にあつく御礼を申し上げます。
>近藤先生 お写真、本当に迫力があり、本文との相乗効果があると思いました。
本の巻末やカバーの「著者近影」も、本の内容の理解や売れ行きに結構影響があるのかも知れませんね。
上横手先生は、本年3月末に皇學館大學を御退任。これをもって51年におよぶ大学教員生活を終えられたとのことですが、ゼミメンバー共々、今後とも、ますますの御活躍と御指導をお願い申し上げる次第です。
もう一つは元木泰雄先生の御高論「多田行綱と源義経の挙兵」(『市史研究さんだ』9)。これは、元木先生の最新の御著書である『源義経』の補論とでも言うべき内容。とくに従来、なぞの部分の多かった多田行綱の存在を明確に跡づけられ、内乱期における京武者の役割に正当な位置づけをなされた論文です。
行綱による密告の真相や一ノ谷合戦の実像など、上横手先生の御高論同様、国文学研究者の方々にもぜひお薦めしたいと思います。
言うまでもなく、上横手先生と元木先生は師弟の御関係にありますが、両先生の御高論を拝読していつも思うのは、どうしてこんなに明快な形で論を進めていけるのだろうかということです。おそらく、膨大な量の史料を読みこなされているからだと思うのですが。なにしろ、読後感がきわめて爽快なのです。
上横手先生・元木先生にあつく御礼を申し上げます。
>近藤先生 お写真、本当に迫力があり、本文との相乗効果があると思いました。
本の巻末やカバーの「著者近影」も、本の内容の理解や売れ行きに結構影響があるのかも知れませんね。