「神戸市の文化財Ⅱ」展
元木泰雄
No.5467
現在、三宮の神戸市立博物館では「神戸市の文化財Ⅱ」展が開催されています(博物館オープン直後に行われた「神戸の文化財展」に続く開催なので、Ⅱを称しております)。
会期は2月25日までです。
神戸というと、中世の文化財とはあまり縁がないように思われますが、実際には国宝の本堂や多数の文書を有する太山寺をはじめ、多くの名刹、神社があり、多数の文化財が残されています。今回は美術品はもちろん、古文書でも注目すべき優品が多数展示されています
とくに、大塔宮護良親王令旨をはじめとする太山寺の中世古文書は、必見でしょう。先年新聞でも話題になった「らくいち(楽市)」の文言がみられる「羽柴秀吉制札(せいさつ)」なども展示されています。
実は12日(振り替え休日)に見学会を開催いたします。
博物館に先立って、西宮市の広田神社、西宮神社を見学する予定です。
12時半西宮北口駅北側改札集合です。
と、急に申してもご参加は無理でしょうから、見学希望の方に招待券をお渡しします。お申し出ください。
展覧会の詳細については、博物館のホームページをご参照ください。
http://www.city.kobe.jp/cityoffice/57/museum/tokuten/2006_05_bunka.html
☆ ☆ ☆
2月3日は昨年ご逝去になった高橋秀直先生を偲ぶ会、4日は2日にご逝去になった鎌田元一先生のお通夜、翌日が告別式でした。
こんなことが三日も続くと、気分が滅入り、精神の均衡が保ちがたい思いです。
何かの拍子に高橋先生や、鎌田先生との思い出が想起され、夢にもお二人が登場されます。あわせて、自分自身の加齢と衰え、行きて戻らぬ時間というものの厳しさ、むごさを痛感しております。
それにしても、昨年にはフランス文学の教授も50歳で逝去されました。どうして、京都大学文学部ではかけがえの無い先生方が若くして身罷られるのでしょうか。
偶然かも知れません。しかし、偶然だけではありますまい。
最先端の研究水準を維持し、増大した院生を教育して手一杯のところに、本来の研究とは離れた外部評価のための仕事、COEの雑務、そして外部資金導入のための繁忙が重なっていることが、先生方の健康を蝕んでいることは間違えないと思います。
分野にもよりますが、資金集めも研究に不可欠で、多くの研究者が集団を結成する理科系の場合と、基本的に個人が頭で考える人文系の学問は構造が異なっております。その、人文系の学者に理科系と同じ雑務を強いているのが現状でしょう。
人文系の学問をないがしろにし、優秀な研究者を心身ともに摩滅させる現下の文教行政に激しい憤りを感じます。
生き残ったものは何をなすべきか。煩悶の毎日です。
そりゃ、大学の仕事は懲戒を食らわない程度にサボって、好きな原稿だけを書いて、酒でも飲んでりゃ良いさ・・・
会期は2月25日までです。
神戸というと、中世の文化財とはあまり縁がないように思われますが、実際には国宝の本堂や多数の文書を有する太山寺をはじめ、多くの名刹、神社があり、多数の文化財が残されています。今回は美術品はもちろん、古文書でも注目すべき優品が多数展示されています
とくに、大塔宮護良親王令旨をはじめとする太山寺の中世古文書は、必見でしょう。先年新聞でも話題になった「らくいち(楽市)」の文言がみられる「羽柴秀吉制札(せいさつ)」なども展示されています。
実は12日(振り替え休日)に見学会を開催いたします。
博物館に先立って、西宮市の広田神社、西宮神社を見学する予定です。
12時半西宮北口駅北側改札集合です。
と、急に申してもご参加は無理でしょうから、見学希望の方に招待券をお渡しします。お申し出ください。
展覧会の詳細については、博物館のホームページをご参照ください。
http://www.city.kobe.jp/cityoffice/57/museum/tokuten/2006_05_bunka.html
☆ ☆ ☆
2月3日は昨年ご逝去になった高橋秀直先生を偲ぶ会、4日は2日にご逝去になった鎌田元一先生のお通夜、翌日が告別式でした。
こんなことが三日も続くと、気分が滅入り、精神の均衡が保ちがたい思いです。
何かの拍子に高橋先生や、鎌田先生との思い出が想起され、夢にもお二人が登場されます。あわせて、自分自身の加齢と衰え、行きて戻らぬ時間というものの厳しさ、むごさを痛感しております。
それにしても、昨年にはフランス文学の教授も50歳で逝去されました。どうして、京都大学文学部ではかけがえの無い先生方が若くして身罷られるのでしょうか。
偶然かも知れません。しかし、偶然だけではありますまい。
最先端の研究水準を維持し、増大した院生を教育して手一杯のところに、本来の研究とは離れた外部評価のための仕事、COEの雑務、そして外部資金導入のための繁忙が重なっていることが、先生方の健康を蝕んでいることは間違えないと思います。
分野にもよりますが、資金集めも研究に不可欠で、多くの研究者が集団を結成する理科系の場合と、基本的に個人が頭で考える人文系の学問は構造が異なっております。その、人文系の学者に理科系と同じ雑務を強いているのが現状でしょう。
人文系の学問をないがしろにし、優秀な研究者を心身ともに摩滅させる現下の文教行政に激しい憤りを感じます。
生き残ったものは何をなすべきか。煩悶の毎日です。
そりゃ、大学の仕事は懲戒を食らわない程度にサボって、好きな原稿だけを書いて、酒でも飲んでりゃ良いさ・・・