京都文化博物館「日本三景展」始まる
伊 藤 太
No.4117
山 城郷 土資料 館の伊 藤です。
中世史関連の展覧会のお知らせです。
古くから歌枕、名所として親しまれてきた日本三景(天橋立・厳島・松島)を描いた中世から近現代に至る絵画を一堂に集めた初めての展覧会「日本三景展」が9月13日から京都文化博物館で開催されています(10月16日まで。なお、10/2までの前期と10/4からの後期で大幅な展示品の入れ替えが行われます)。
http://www.bunpaku.or.jp/exhi_special.html
出品点数は3会場あわせて135、天橋立図だけで43点(うち複製1点)を数え、なかでも中世の天橋立(及び丹後国府、守護所府中)を描いた作品のすべて(6点、うち雪舟『天橋立図』のみ複製)が展示されます。
また、三景を描いた絵画の他、国宝「平家納経」や国宝「海部氏系図」(後期)など関連する社寺の資料も出品。
私は「雪舟『天橋立図』は(一色氏の守護所丹後府中を描いた)都市図である」という主張を繰り返してきましたが、今回展示を見て、天橋立、厳島、松島とも「霊場」としての共通性をもち、あるいは王権や国府との関係において、あるいは「境内都市」としての発展において、王権論や都市論の立場からも論じられてしかるべき地であると実感しているところです。
(9月23日にはシンポジウム「日本三景の過去・現在・未来」があります。)
とにかく、史上初の「日本三景展」です。
屏風絵など大画面の作品が多いですから、その情報量たるや甚大。洛中洛外図の展覧会と同じく図録だけでは高密度な絵の情報を読み切れません。ぜひ会場で実物をご覧になりながら「三景とは何か?」「名所とは何か?」と思いをはせていただければ幸いです。
(なお、「日本三景展」は10/25~11/27、東北歴史博物館に巡回します。)
中世史関連の展覧会のお知らせです。
古くから歌枕、名所として親しまれてきた日本三景(天橋立・厳島・松島)を描いた中世から近現代に至る絵画を一堂に集めた初めての展覧会「日本三景展」が9月13日から京都文化博物館で開催されています(10月16日まで。なお、10/2までの前期と10/4からの後期で大幅な展示品の入れ替えが行われます)。
http://www.bunpaku.or.jp/exhi_special.html
出品点数は3会場あわせて135、天橋立図だけで43点(うち複製1点)を数え、なかでも中世の天橋立(及び丹後国府、守護所府中)を描いた作品のすべて(6点、うち雪舟『天橋立図』のみ複製)が展示されます。
また、三景を描いた絵画の他、国宝「平家納経」や国宝「海部氏系図」(後期)など関連する社寺の資料も出品。
私は「雪舟『天橋立図』は(一色氏の守護所丹後府中を描いた)都市図である」という主張を繰り返してきましたが、今回展示を見て、天橋立、厳島、松島とも「霊場」としての共通性をもち、あるいは王権や国府との関係において、あるいは「境内都市」としての発展において、王権論や都市論の立場からも論じられてしかるべき地であると実感しているところです。
(9月23日にはシンポジウム「日本三景の過去・現在・未来」があります。)
とにかく、史上初の「日本三景展」です。
屏風絵など大画面の作品が多いですから、その情報量たるや甚大。洛中洛外図の展覧会と同じく図録だけでは高密度な絵の情報を読み切れません。ぜひ会場で実物をご覧になりながら「三景とは何か?」「名所とは何か?」と思いをはせていただければ幸いです。
(なお、「日本三景展」は10/25~11/27、東北歴史博物館に巡回します。)