『源義経 流浪の勇者』刊行のお知らせ!
No.2529
上横手雅敬先生の編著『源義経 流浪の勇者-京都・鎌倉・平泉-』が文英堂から刊行されました(333頁、本体1900円)。
これは、2000年10月15日、岩手県平泉町で開かれたシンポジウム「源義経と平泉」の成果をベースに、四年にわたって編集作業が進められていたもので、最近、来年の大河ドラマがらみで濫造されている便乗本とは訳が違う、近年の研究成果をしっかり踏まえつつ、一般読者を意識して作られたすぐれた書籍です。編集会議は、当初は上横手先生の龍谷大学大宮学舎の研究室、最後の段階では小生の研究室で行われました。したがって、当ゼミにとりましても由縁深い本と言うことになりましょう。
この本の制作に当たって、もっとも尽力されたのは言うまでもなく上横手先生ですが、一体となって情熱を傾けられたのが前川佳代さんです。彼女が当ゼミ草創期の屋台骨を支えた人で、また学部生の頃から、一途に義経研究に邁進してきたという「伝記」は、みなさんご承知の通りです。したがって、彼女にとっても、この本は一つの記念碑になったものと思います。及ばずながら、小生も一章の執筆を担当しておりますが、本の構成を示すと以下のとおりです。
序章 源義経の生涯と色々な見方 上横手雅敬
第一章 いまなぜ義経なのか 上横手雅敬
第二章 義経を支えた人たち 野口実
第三章 源平合戦後の義経 前川佳代
第四章 奥州藤原氏と奥羽 岡田清一
第五章 藤原秀衡の奥州幕府構想 入間田宣夫
付章 子どもの本と義経 千葉信胤
ほかに、関幸彦「義経北方伝説」などの19項目のトピックス、さらに前川さんによる、詳細な年表と参考文献一覧が付されています。
第五章のタイトルからうかがえるように、執筆者相互には当然意見の相違があり、そのあたりは上横手先生が序章でまとめられていますが、各論においても互いに応酬が見られて、専門の研究者にも存分に楽しんで頂けるものと思います。
国文学で中世の軍記物を御専攻の方々には、現在、歴史学の側で何に関心が持たれているのか知っていただく意味でも、せひお読みいただきたい本です。
この本については、その制作過程でいろいろなエピソードがありますので、また機会があったら、ぜひ書き込ませていただきたいと存じております。
ともあれ、御一読下さい。
これは、2000年10月15日、岩手県平泉町で開かれたシンポジウム「源義経と平泉」の成果をベースに、四年にわたって編集作業が進められていたもので、最近、来年の大河ドラマがらみで濫造されている便乗本とは訳が違う、近年の研究成果をしっかり踏まえつつ、一般読者を意識して作られたすぐれた書籍です。編集会議は、当初は上横手先生の龍谷大学大宮学舎の研究室、最後の段階では小生の研究室で行われました。したがって、当ゼミにとりましても由縁深い本と言うことになりましょう。
この本の制作に当たって、もっとも尽力されたのは言うまでもなく上横手先生ですが、一体となって情熱を傾けられたのが前川佳代さんです。彼女が当ゼミ草創期の屋台骨を支えた人で、また学部生の頃から、一途に義経研究に邁進してきたという「伝記」は、みなさんご承知の通りです。したがって、彼女にとっても、この本は一つの記念碑になったものと思います。及ばずながら、小生も一章の執筆を担当しておりますが、本の構成を示すと以下のとおりです。
序章 源義経の生涯と色々な見方 上横手雅敬
第一章 いまなぜ義経なのか 上横手雅敬
第二章 義経を支えた人たち 野口実
第三章 源平合戦後の義経 前川佳代
第四章 奥州藤原氏と奥羽 岡田清一
第五章 藤原秀衡の奥州幕府構想 入間田宣夫
付章 子どもの本と義経 千葉信胤
ほかに、関幸彦「義経北方伝説」などの19項目のトピックス、さらに前川さんによる、詳細な年表と参考文献一覧が付されています。
第五章のタイトルからうかがえるように、執筆者相互には当然意見の相違があり、そのあたりは上横手先生が序章でまとめられていますが、各論においても互いに応酬が見られて、専門の研究者にも存分に楽しんで頂けるものと思います。
国文学で中世の軍記物を御専攻の方々には、現在、歴史学の側で何に関心が持たれているのか知っていただく意味でも、せひお読みいただきたい本です。
この本については、その制作過程でいろいろなエピソードがありますので、また機会があったら、ぜひ書き込ませていただきたいと存じております。
ともあれ、御一読下さい。