小山シンポジウム「中世小山氏の成立と発展」報告

No.19882

 23日に小山で行われたシンポジウムは大盛況でした。私も含めて講演者の全員が単著を出したことのある出版社が会場に出店したのですが、宅急便で送った本が殆ど売れて、持ち帰りは6冊で、学会などよりよく売れたというお話でした。
 このシンポの内容に即した本はこの出版社から刊行されることになりました。本が完成するのは再来春くらいになるでしょうか。

 今回痛感させられたのは、『吾妻鏡』、とくに源氏将軍期の史料批判の必要性と東国武士研究における記録(日記)の読み込みの不足です。後者は中央の政治史や王朝権威秩序にたいする理解にもつながります。残念なのは、戦前から戦後歴史学に継承された「武士対貴族」「東国対西国」「地方対京都」の図式が未だに払拭どころか相対化すらされていないことです。
 一部に根強い旧態依然とした「土地制度史を前提とした武士論」を如何に克服していくのか、その辺りも大きな課題だと思いました。また、中世前期と後期の研究スタイルの相違もしっかり踏まえる必要があるでしょう。
 関西で中世前期を専攻されている若い方々も大いに東国武士研究に介入して頂きたいと思います。

 それに致しましても、現地では講演や司会を担当された先生方はもとより、市役所のみなさんに大変お世話になりました。また、会場で久方ぶりにお目にかかれた方も多く、たいへん充実した一日を過ごさせて頂くことが出来ました。
 心残りは思川の畔で暮らすノラネコさんにご挨拶できなかったことくらいでしょうか。 

 尊勝寺の九体阿弥陀堂

No.19880

 20日の研究会で、今年のゼミの活動はすべて終了しました。新年は1月8日に再開です。
 『紫苑』に原稿を提出される方は冬休みを有効にお使い下さい。
 かくいう私もゆっくりと過ごす訳にはいきそうもありません。年賀状もいつ取りかかれることやらといった有様です。

 それから、20日の午前に現地説明会の行われた尊勝寺の九体阿弥陀堂跡(京都市左京区岡崎最勝寺町の旧象彦跡地)ですが、見に行かれた研究者のお話によると、近来稀に見る素晴らしい遺構が検出されていたそうです。
 阿弥陀堂の規模は木津川市にのこる浄瑠璃寺のそれの4倍とのこと。しかし、保存はされず、ここにはマンションが建ってしまうという話です。
 
☆ 弘前大学の斉藤利男先生より、新刊の御高著『平泉 北方王国の夢』(講談社選書メチエ)を御恵送頂きました。
 斉藤先生にあつく御礼を申し上げます。

明日はいよいよ滑川さんの研究発表です。

No.19865

 公開研究会にいたしますので、ゼミメンバー以外の方もお誘い下さって構いません。ふるって御参集下さい。。
 開催要領は以下のとおりです。

  報告者: 滑川敦子氏(宮城県立東北歴史博物館学芸員)
  報告テーマ:「摂関期貴族社会における陸奥国の位置づけ」
  日時:12月20日(土)14:00~17:00頃終了予定 
  会場:京都女子大学宗教・文化研究所共同研究室(L校舎3F)

  ※ 報告者からのメッセージ:今回の研究報告は、来年1月に開催される平泉文化フォーラムの準備報告を兼ねさせて頂きたく存じます。これまで平泉文化研究は、文献史学・考古学・建築史学・美術史学などさまざまな分野から、平泉文化の研究が行われてきましたが、当文化の形成・発展をめぐる時代的環境を明らかにした研究はあまり見受けられないように思います。そこで、具体的に平泉文化が開花した時期(11~12世紀)において、当該期における貴族の日記から陸奥国に関連する記事を博捜・抽出し、その分析を通して平安貴族が陸奥国についていかなる関心を抱いていたかを明らかにしようと、平泉文化共同研究にて取り組んでまいりました。今年度(3年のうちの初年度)は、『小右記』・『御堂関白記』・『権記』など10世紀末期~11世紀初期の日記をもとに、摂関期の貴族社会のなかで、陸奥国がいかなる位置づけにあったかを考えてみたいと思っております。陸奥守の任官記事に焦点を当てて考えようとするものです。

明晩(18日)、NHKのBSプレミアム「英雄達の選択」に元木先生御登場

No.19861

 今日はとても寒くて、いよいよ体調を悪くしてしまいそうです。みなさんもお気をつけ下さい。

 ところで、明日(18日)の夜、NHKのBSプレミアムで放送される「英雄達の選択」では源義経が取り上げられるとのこと。
 http://www4.nhk.or.jp/heroes/x/2014-12-18/10/30032/

 どうやら、元木泰雄先生の御説をベースに番組が展開されるようです。
 スタジオで話される内容からは、一般の方たちが、元木先生の御説をどう受けとめられるのかが分かるかもしれません。
 もちろん、元木先生もインタビュー取材で御登場のことと思います。
 それから、ちかく吉川弘文館から源義経の御著書を刊行される予定の前川佳代さんも長時間のインタビュー取材をお受けになっているはずです。

これからのゼミ&授業予定

No.19850

  年末年始の日程です。

 ◆ 現代社会学部「基礎演習Ⅱ」「演習Ⅱ」は、年内12月16日で終了。来年は1月13日から。授業最終日は1月20日なので、この日までにレポートを提出のこと。
 ちなみに、明後日(16日)の発表担当者ですが、「基礎演習Ⅱ」は、竹内さんと二瓶さん。「演習Ⅱ」は関谷さんと山下さんです。
 竹内さんの発表テーマは「源義経について」。
 二瓶さんの発表テーマは「日本の服装の変遷 について」。
 関谷さんの発表テーマは「学校の総合学習を村おこしに活用する」。
 山下さんの発表テーマは「「美・化粧」について」。

 ◆ キャンパスプラザ金曜Ⅱ講時の「『平家物語』と中世前期の京都」は、年内19日まで。来年は1月9日から再開です。
授業最終日は1月23日なので、この日までにレポートを提出のこと。

 ◆ 研究所ゼミは18日(木)が『吾妻鏡』講読会、20日が公開研究会で、新年は1月8日の『吾妻鏡』講読会からになります。そして、この日は『紫苑』の原稿締め切り日。
  火曜の『吾妻鏡』講読会の1月の開催予定はは8日・15日・22日。
 土曜の『吾妻鏡』講読会は17日の予定です。

師走の『吾妻鏡』

No.19841

 すっかり寒くなってきましたが、皆さま方におかれましてはご自愛いただきますよう。とりわけ卒論・修論・博論等に取り組んでおられる方はご用心ください。
 明日の土曜日の『吾妻鏡』と、次回の木曜日の『吾妻鏡』のご案内です。

◆次回の土曜日のご案内◆

 不定期開催の土曜日の『吾妻鏡』ですが、今月は明日(12/13)開催です。
 国文学を専攻される方が主なメンバーとなりますが、そのほか従来の木曜日開催分にはご都合が合わなかった方もぜひ積極的にご参加いただけましたら幸いです。
 なお、こちらのほうも所属大学や国籍等に関係なく、お気軽にご参加ください(※新たにご参加を希望される方は、野口先生か岩田まで、事前にご連絡をいただけると幸いです)。
 今後も、参加者の都合を勘案しながら、月に一回か二回程度のペースで開催していきたいと思います。

 日時:2014年12月13日(土) 13:00~
 場所:京都女子大学L校舎 3階 共同研究室
 範囲:配付済みの史料を随次読んでいきます

◆次回の木曜日のご案内◆

 日時:2014年12月18日(木)15:00~(予定)…14:00すぎからぼちぼち集まっております。
 場所:京都女子大学L校舎 3階 共同研究室
 範囲:建暦二年(1212)二月一日・十四日・十九日・二十八日、三月一日・六日・九日・十六日・二十日、四月六日・八日・十八日、五月七日、六月七日・八日・十五日・二十日・二十二日・二十四日、七月二日・七日・八日・九日、八月十八日・十九日・二十七日、九月二日・十五日・十七日・二十一日、十月十一日・十九日・二十二日、十一月八日・十一日・十三日・二十一日、十二月十一日・二十一日・二十四日・二十九日の各条

 ※木曜日の『吾妻鏡』ですが、12月は18日に、新年は1月8日・15日・22日に開催予定です。

 『吾妻鏡』講読会は、基礎的な史料読解のニーズにも対応しております。
 師走に何か新しいことをはじめてみようという方は、まずは見学からでも、どうぞお気軽にご参加ください。

『紫苑』の原稿

No.19845

 岩田君・山本さん> 『紫苑』に掲載を希望している学部生の原稿について、例年のように査読をお願い致したく存じます。
 それから、まだゼミで準備報告をしていない方についての対応も御検討頂ければ幸いです。

 池嶋さん> 編集日程について問い合わせがありましたら宜しくお願い致します。

 現社のゼミと研究所ゼミと・・・

No.19837

 昨日の(9日)「基礎演習Ⅱ」と「演習Ⅱ」の発表はなかなか興味深い内容で、もっと時間の欲しいところでした。しかし、まだネット情報が中心なので、レポートでは関係する論文なども渉猟した上で、もう少し突っ込んだ考察を期待したいと思います。

 来年度の野口担当の「演習Ⅰ」配属希望者は19名になりました。あまり多すぎるのも支障があり、希望の理由等も勘案した結果、学部教務委員会から御指示のあった最低定員数である16名程度でお引き受けすることにいたしました。何名かの方には申し訳ないのですが、宜しく御了承下さい。

 明日は研究所ゼミ。明後日はキャンパスプラザの講義の後、京都文化博物館の見学。土曜日は研究所ゼミの『吾妻鏡』講読会。今日は午後、京都大学の元木先生の研究室で、四国の武士団に関する研究発表をうかがうことになっています。

 JSTのresearchmapの情報更新に「てこずって」います。「隣の研究者」の方たちは、最近すんなりと入力を済まされた御様子。私はほんとうにPCと相性が悪いようです。入力を済まされてお暇のある方は是非御指南ください。

☆ 栃木県小山市役所の佐久間弘行先生より、御高論「下野国寒川郡沿革雑考」収録の『小山市立博物館紀要』第5号、同じく「平安前期の下野・下総国堺の周辺」収録の同紀要第6号、ならびに1997年に開催された小山市立博物館の企画展『下野国寒川郡-古代・中世の軌跡-』図録(企画・構成は佐久間先生の御担当)のコピーを御恵送頂きました。
 佐久間先生にあつく御礼を申し上げます。
 下野国の水運のあり方について認識を新たにすることが出来ました。
編集:2014/12/10(Wed) 11:08

現社「演習Ⅰ」の配属について。

No.19842

 結局、これから学んでいきたいテーマが私の専門と大きく齟齬する方を除いて、18名の配属を可とすることにさせて頂きました。
 

明日の現社「基礎演習Ⅱ」・「演習Ⅱ」

No.19828

 明日(9日)Ⅲ講時「基礎演習Ⅱ」の発表者は武岡さんと村田さんです。
  武岡さんの発表テーマは「阿波踊り」。
  村田さんの発表テーマは「トルコの過去・現在・未来(仮)」。

 同じくⅣ講時「演習Ⅱ」の発表者は坂下さんと 栩野さんです。
  坂下さんの発表テーマは「新世界(大阪)」。
  栩野さんの発表テーマは「美容整形について」。

鬼に笑われても来年の話は楽しい。

No.19826

 目下、23日に開かれる小山氏のシンポ↓で配付するレジュメの作成に追われています。
      https://www.city.oyama.tochigi.jp/kanko/event/sympo_chuseioyama1.html

 そんな中、もう終わったと思っていた来年度現代社会学部「演習Ⅰ」の配属希望調査の二次募集に三人の方が希望を出しているのに気がつきました。これで都合17名になりました。

 年末や年度末が近づいて「終末観」が漂っているときに、来年度の、それも秋口の講演依頼などを頂くと、ちょっと元気な気分になれます。
 兵庫県のある大きな自治体から、「源実朝」をテーマにした講演の依頼を頂きました。頼家・実朝期は、研究所ゼミの『吾妻鏡』講読会でだいぶ議論したところですので、その成果を反映させて、ちょっと新鮮なお話しを組み立ててみたいと考えています。
 先のことだと、こうして楽しみなのですが、本番が近づくとなかなか、悩ましくなるのが常のことです。
 論文集も出したいし、来年も頑張らなければ・・・・・!

 ☆ 中京大学の小原嘉記先生より、御高論「鎌倉初期の東大寺再建と栄西」収録の『論集 中世東大寺の華厳世界-戒律・禅・浄土-』(ザ・グレイトブッダ・シンポジウム論集12、発売法蔵館)を御恵送頂きました。
 小原先生にあつく御礼を申し上げます。

12月20日(土)の研究会報告テーマは、「摂関期貴族社会における陸奥国の位置づけ」

No.19818

 今月20日に開催される研究所ゼミ研究発表会の報告タイトルのお知らせを頂きました。
 下記の要領で開催致しますので、ふるって御参集下さい。公開研究会にしたいと思いますので、ゼミメンバー以外の方もお誘い下さって構いません。
 開催要領は以下のとおりです。

  報告者: 滑川敦子氏(宮城県立東北歴史博物館学芸員)
  報告テーマ:「摂関期貴族社会における陸奥国の位置づけ」
  日時:12月20日(土)14:00~17:00頃終了予定 
  会場:京都女子大学宗教・文化研究所共同研究室(L校舎3F)

  ※ 報告者からのメッセージ:今回の研究報告は、来年1月に開催される平泉文化フォーラムの準備報告を兼ねさせて頂きたく存じます。これまで平泉文化研究は、文献史学・考古学・建築史学・美術史学などさまざまな分野から、平泉文化の研究が行われてきましたが、当文化の形成・発展をめぐる時代的環境を明らかにした研究はあまり見受けられないように思います。そこで、具体的に平泉文化が開花した時期(11~12世紀)において、当該期における貴族の日記から陸奥国に関連する記事を博捜・抽出し、その分析を通して平安貴族が陸奥国についていかなる関心を抱いていたかを明らかにしようと、平泉文化共同研究にて取り組んでまいりました。今年度(3年のうちの初年度)は、『小右記』・『御堂関白記』・『権記』など10世紀末期~11世紀初期の日記をもとに、摂関期の貴族社会のなかで、陸奥国がいかなる位置づけにあったかを考えてみたいと思っております。陸奥守の任官記事に焦点を当てて考えようとするものです。
編集:2014/12/05(Fri) 17:38

年内あと二回(+一回)の吾妻鏡

No.19819

 20日の研究会は私も伺う予定です。よろしくお願い致します。
 その前に三回ほど『吾妻鏡』もありますので、ご案内です。

◆次回の木曜日のご案内◆

 日時:2014年12月11日(木)15:00~(予定)…14:00すぎからぼちぼち集まっております。
 場所:京都女子大学L校舎 3階 共同研究室
 範囲:承元五年(建暦元年、1211)十一月四日・二十日、十二月一日・十日・十七日・二十日・二十七日の各条
    建暦二年(1212)正月十一日・十九日、二月一日・十四日・十九日・二十八日、三月一日・六日・九日・十六日・二十日、四月六日・八日・十八日、五月七日、六月七日・八日・十五日・二十日・二十二日・二十四日、七月二日・七日・八日・九日、八月十八日・十九日・二十七日、九月二日・十五日・十七日・二十一日、十月十一日・十九日・二十二日、十一月八日・十一日・十三日・二十一日、十二月十一日・二十一日・二十四日・二十九日の各条

 ※木曜日の『吾妻鏡』ですが、12月は11日・18日に開催予定で、通常通り『吾妻鏡』を読む予定です。

◆次回の土曜日のご案内◆

 不定期にて土曜日にも『吾妻鏡』の講読会を開催しております。
 国文学を専攻される方が主なメンバーとなりますが、そのほか従来の木曜日開催分にはご都合が合わなかった方もぜひ積極的にご参加いただけましたら幸いです。
 なお、こちらのほうも所属大学や国籍等に関係なく、お気軽にご参加ください(※新たにご参加を希望される方は、野口先生か岩田まで、事前にご連絡をいただけると幸いです)。

 次回は12/13(土)です。今後も、参加者の都合を勘案しながら、月に一回か二回程度のペースで開催していきたいと思います。

 日時:2014年12月13日(土) 13:00~
 場所:京都女子大学L校舎 3階 共同研究室
 範囲:配付済みの史料を随次読んでいきます

 『吾妻鏡』講読会は、基礎的な史料読解のニーズにも対応しております。
 師走に何か新しいことをはじめてみようという方は、まずは見学からでも、どうぞお気軽にご参加ください。

早速ご紹介頂き、ありがとうございます。

滑川敦子
No.19824

東北歴史博物館の滑川です。この度は大変お世話になります。
思えば立命館大学在学中の学部2回生の時に、1年上の先輩の山下さん(旧姓八木さん)に
誘われて、京都女子大学宗教・文化研究所のゼミに参加しました。
当時は『源平闘諍録』を講読していましたね。本当になつかしいです。
このゼミを通して、いろいろな大学の方々と知り合いになり、切磋琢磨して研究に取り組む
ことができました。ここで知り合った方々は、京都を離れた今でも本当に大切な仲間達です。
東北へ来て3年経とうとしておりますが、13年間京都で学んだことを生かしながら、私な
りの視点で東北の研究を進めていけたらと考えております。
宗文研ゼミで研究報告するのは大学院生の時以来で、大変緊張しています。
当日は皆様方にお会いできるのを楽しみにしております。
どうぞ宜しくお願い申し上げます。