月曜日(9日)、仏教学の月例礼拝で講話をしました。①

No.10136

 本日(10日)の「基礎演習Ⅱ」・「演習Ⅱ」。学生諸姉の発言が少ないことも事実ですが、私の発言は過剰。「もの言えばくちびる寒し『冬』の空」です。
それに、未だに学生の名前をしばしば間違えています。申し訳ないし、我ながら困ったことだと思っています。
 
ところで、昨日の仏教学の時間の講話のテーマは「大学と社会」というものでした。授業ではありませんから、私自身が今考えていることを率直にというか、臆面もなくというべきか、お話しさせて頂きました。
 感想のメッセージを拝見。その中から、いくつかピックアップさせていただきました。
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 ① 大学の在り方について面白い話が聞けてよかった。
 ② 野口先生の出身校は私の父兄と一緒でした。独自の説で聞いていて面白かったです。
 ③ 他の先生からは聞けないような価値観のお話を聞けたので良かったと思います。
 ④ 時勢に合わない価値観をおおっぴらに主張すると大変な目にあうのだと思った。
 ⑤ 大人になると夢と希望をそぎ落とすというのはピンときません。
 ⑥ いつもと違った話でおもしろかったです。
 ⑦ 時々ん?それは極論だと思うこともありましたが。
 ⑧ 現状を言語化してくださったので、自分の中のモヤモヤがすっきりしました。
 ⑨ いつもと違う空気をまとった先生の話もよかった(かっこいい言葉が多かった)。
 ⑩ 大学の先生は中高の先生のように教育のトレーニングを受けていず、特定の分野の研究者であるが、最近では世間での見方が変わり、変わったことをやってはいけないということになってしまっているということに、とても共感しました。
編集:2013/12/11(Wed) 00:13

 月曜日(9日)、仏教学の月例礼拝で講話をしました。②

No.10137

 ⑪ 所々、うーんと思うところも正直ありました。批判ばかりでイライラしたりもしました。(日本史も世界史も必修です。)
 ⑫ 「生きることと学ぶことはちがう」という言葉がすごく印象に残りました。
 ⑬ なんだかよく分からないけどすごいなあ、という師に教わることは、型通りでは辿り着けない高いレベルの学問へにじり寄る意欲を得ることだと私は思いました。
 ⑭ 文学部に入り、学びたいことを学ぶのはいいけれど、就職には繋がらないことを少し恥ずかしく思ったりしていましたが、先生のお話に救われた気もしました。
 ⑮ 大学の先生はクセがある(板書が読みにくい、突然考えこむ等)し、教育のプロではないが、世間と違う物の見方を教えてくれる、というようなことをおっしゃっていましたが、それすら理想であって私には、そう感じる先生がいないです。自分の努力が足りないところもあると思いますが。でも現実がそうなので、それならば、"1コマ分の授業料はいくらだから" 、と考えて理由を見つけて授業に出て、とりあえず単位だけもらおうと考えてしまいます。
 ⑯ 野口先生のお話は、少し変わっている?とは思ったけれど、なるほど、と納得できました。
 ⑰ 野口先生の話はとても面白く、来年以降先生の授業を受けられるなら受けてみたいと思いました。先生の考え方は独特だなと思いましたが、共通できる部分も多々ありました。
 ⑱ 私も宗教・文化研究所ゼミナールにぜひ参加してみたいと興味を持ちました。
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 「そんなこと、話したかなぁ?」と思うような御意見もありますが(⑫)、どうやら、私の話は彼女たちにとっては相当特異なものだったみたいです。私の話でイライラする方もいるだろうとは予測していましたが、本当におられました。しかし、彼女は自分の出身高校で行われていることが全国どこでも同じように行われているものと誤解しています(⑪)。
 ⑮は、個人の感想とはいえ、かなり深刻な指摘だと思います。
 ⑱の人には、ぜひゼミを見学に来てほしいところです。

 【追記】
そういえば、演習Ⅱの時間、北の窓から清水山の麓あたりに虹が立っているのが見えました。

 ☆ 千葉県庁にお勤めで建長寺調査員の鈴木佐先生より、御高論「建長寺開山蘭溪道隆和尚ゆかりの寺院について」掲載の『禅文化』228ならびに、同じく「両足院開山・龍山徳見和尚の生涯について」掲載の『両足院-その歴史と文化財-』を御恵送頂きました。
 鈴木先生に、あつく御礼を申し上げます。

あと10日。何を今更!の「卒業論文」のまとめ方。

No.10135

 <ある4回生に、Facebookでアドバイスしたことを貼り付けます。>

 論文は何しろ「書く」ことです。躊躇していないで今のレベルでいいからサッサと書きなさい。
 
考えがまとまったら文章にするというのではなく、ひらめいたこと・思いついたこと・調べたことをどんどん自分の文章で書いていくこと。箇条書きでも構いません。
 
 それを見ると、自分の思考や論理の至らなさに気づきます。それを修正して再構成すればよい。もっと調べなければならないことも見えてきます。
 
 卒論は書き終わる頃に、面白くてもっと書きたいと思うようにならないと本物ではありません。
 
 えー?と思うかも知れませんが、ちゃんと取り組んだ人は、最後にはそうなります。

 次回(10日)「基礎演習Ⅱ」・「演習Ⅱ」の発表者とテーマ

No.10134

 <基礎演習Ⅱ>
田中さん「日本の庭園(京都の庭園)について」
山下さん「京都の酒について 」

 <演習Ⅱ>
辻本さん「伊勢神宮について」
東城さん「差別問題 特にヘイトスピーチについて」

☆ 菱沼一憲先生より、御高論「以仁王の乱における平重衡・維盛そして高倉院」(『國學院雑誌』114-1)を御恵送頂きました。
 菱沼先生に、あつく御礼を申し上げます。

 以仁王と源頼政の関係や挙兵の背景については、当時の王権をめぐる政争の経過を平治の乱以降の歴史過程の中で捉える必要があります。
 その点については、近年の元木泰雄先生による一連の御研究が多くを語ってくれると思います。
 また、治承四年の宇治川合戦については、私も「中世前期における宇治の軍事的機能について」(京都女子大学宗教・文化研究所『研究紀要』22)や「橋合戦における二人の忠綱」(『文学』隔月刊3-4)で触れたことがありました。

現代社会学部ゼミ配属希望調査の第2次募集開始

No.10132

 この掲示板は、いろいろな立場の人が御覧になっていることと思いますが、まずは本学現代社会学部の皆さんへ。
 ゼミ配属希望調査の第2次募集が12月06日(金)12時半からはじまりましたので、未決定の方はお忘れなきように。

 次に、来年正月11日に、栃木県の小山市で寿永2年(1183)の「野木宮合戦」をテーマにしたお話しをさせて頂く事になりましたので、その御案内。詳細は下記をごらん下さい。
   http://www.city.oyama.tochigi.jp/kanko/event/rekimachi_koenkai.html
 小山政光の妻「寒河尼」の存在と役割についても触れたいと考えています。

 海外の金融市場で活躍している、ある国際経済の専門家の指摘によれば、日本の政治家が「特定秘密保護法」などで火遊びをしていられるのも、実は経済・金融危機の崖っぷちにたたされているにも拘わらず、世情がうかれているからだそうです。
  「うかれて」「火遊び」・・・。なるほど、よく、いまの社会の実態をつかんでいると思います。内側にいると見えにくいものが、外からはよく見えるのでしよう。

 来週月曜日のⅢ講時、国文学科一回生の方たちを対象にして仏教学の月例礼拝の時間に「大学と社会」というテーマで講話をさせて頂く予定です。
 今日はそのための資料づくりと、研究所『研究紀要』に載せる拙文の初校校正を行いました。

 【追記】 私の出身高校の後輩にあたる(と言っても、まだ書信の遣り取りだけで、お目にかかったことはないのですが)大薮海先生より、新刊の御高著『室町幕府と地域権力』(吉川弘文館)を御恵送頂きました。
 「あとがき」には、私の最初の論文集の「あとがき」のように少年時代以来のエピソードが語られていて、またしても親近感を覚えております。
 しかし、私が補欠で結局交付されることのなかった科研の出版助成金で、歴史書の老舗から初の論文集を出版されたのは見事でした。
 大薮先生に、あつく御礼を申し上げると共に、今後ますますの御活躍を祈念する次第です。
編集:2013/12/06(Fri) 23:42

枯れ葉舞う 北風はきびしさを増す-次回の『吾妻鏡』-

No.10133

 卒論・修論その他に取り組んでおられるみなさん、どうぞご自愛ください。

 ずっと「頼家・実朝期」の振り返りを続けていますが、もうしばらくお付き合いください。
 なお、12月の講読会は12日・19日に開催予定です。

 日時:2013年12月12日(木)午後3時頃~(予定)

 場所:京都女子大学L校舎 3階 共同研究室
 範囲:頼家・実朝期の振り返り

 ※しばらく“振り返り”を続けていきますが、それが終わった後の範囲は以下の通りです。
     承元四年(1210)正月一日、二月五日・十日・二十一日、三月十四日・二十二日、四月九日・十九日、五月六日・十一日・十四日・二十一日・二十五日、六月三日・十二日・十三日・二十日、七月八日・二十日、八月九日・十二日・十六日、九月十一日・十四日・三十日、十月十二日・十三日・十五日、十一月二十二日・二十三日・二十四日、十二月五日・二十一日の各条
     承元五年(建暦元年、1211)正月十日、閏正月九日、二月二十二日、三月十九日、四月二日・十三日・二十九日、五月四日・十日・十九日、六月七日・二十一日・二十六日、七月四日・十一日、九月十二日・十五日・二十二日、十月十三日・十九日・二十日・二十二日、十一月二日・三日・四日・二十日、十二月一日・十日・十七日・二十日・二十七日の各条

 『吾妻鏡』講読会は基礎的な史料読解のニーズにも対応しております。本格的な冬の訪れを感じさせる季節に何か新しいことを始めてみようという方は、まずは見学からでも、どうぞご自由にご参加ください。
 京都女子大の方限定ではありませんよ。

明日(3日)の発表者と発表テーマ

No.10131

 明日の基礎演習Ⅱの発表者とテーマは、

 辻本さん「浅井三姉妹の生涯と今~浅井三姉妹の人気からの町つくり~」
 丹野さん「1964年と2020年の東京オリンピックについて」
    

 演習Ⅱの発表者とテーマは、
 立道さん「京都観光の問題点について」
 東川さん「天理市の観光と石上神宮について」   

  立道さんは、具体的には交通の問題点と外国語表示の問題点を取り上げるとのことです。

 なお、午前のキャンパスプラザの講義では「源頼朝」をテーマにします。

 ☆ 高橋秀榮先生より、御高論「重要文化財『正法眼蔵山水経』の筆者について」(『駒澤大學佛教學部論集』44)を御恵送頂きました。
 高橋先生に、あつく御礼を申し上げます。

 ☆ 同志社大学の竹居明男先生より、先生の御編著になる『『日出新聞』記者金子静枝と明治の京都-明治二十一年古美術調査報道記事を中心に-』(芸艸堂)を御恵送頂きました。
 竹居先生に、あつく御礼を申しあげます。

現代社会学部  「演習Ⅰ」の配属希望調査

No.10130

 現代社会学部「演習Ⅰ」の配属希望調査が佳境に入りつつあります。
 私は前回の「基礎演習Ⅱ」「演習Ⅱ」のときよりも、希望登録の条件を厳しくしたので、今のところ登録者は少な目です。目論見通りのようなのですが、希望者が定数に満たないと、あまり主体的意志のない人が入ってきてしまう可能性もありますから、この方法は失敗したのかも知れません。結果は神のみぞ知る。いや、神様の知ったことではないか?

 ☆ 神戸大学名誉教授の髙橋昌明先生より、御高論「六孫王神社は源経基邸を起源とするか?」(『立命館地理学』25)・「幕府とは、そして六波羅幕府へ」(『UP』492)を御恵送頂きました。
 高橋先生に、あつくお礼を申し上げます。

 ちなみに、高橋先生も御参加の「木幡浄妙寺・宇治陵見学会」ですが、全国各地から、たくさんのお申し込みが続いており、研究者もかなりの数に上りそうです。どうしましょ!

おでかけもあるよ-次回の『吾妻鏡』-

No.10129

 昼間もあまり気温の上がらない季節になってきました。皆さま方におかれましても、どうぞお大事にお過ごしください。

 次回の『吾妻鏡』のご案内ですが、状況によってはどこかへお出かけもありえます。いちおういつも通り共同研究室へお集まりください。普通に講読するかもしれませんが…

 日時:2013年12月5日(木)午後3時頃~(予定)

 場所:京都女子大学L校舎 3階 共同研究室
 範囲:頼家・実朝期の振り返り

 ※しばらく“振り返り”を続けていきますが、それが終わった後の範囲は以下の通りです。
     承元四年(1210)正月一日、二月五日・十日・二十一日、三月十四日・二十二日、四月九日・十九日、五月六日・十一日・十四日・二十一日・二十五日、六月三日・十二日・十三日・二十日、七月八日・二十日、八月九日・十二日・十六日、九月十一日・十四日・三十日、十月十二日・十三日・十五日、十一月二十二日・二十三日・二十四日、十二月五日・二十一日の各条
     承元五年(建暦元年、1211)正月十日、閏正月九日、二月二十二日、三月十九日、四月二日・十三日・二十九日、五月四日・十日・十九日、六月七日・二十一日・二十六日、七月四日・十一日、九月十二日・十五日・二十二日、十月十三日・十九日・二十日・二十二日、十一月二日・三日・四日・二十日、十二月一日・十日・十七日・二十日・二十七日の各条

 『吾妻鏡』講読会は基礎的な史料読解のニーズにも対応しております。秋の深まりを感じる季節に何か新しいことを始めてみようという方は、まずは見学からでも、どうぞ「ご自由に」ご参加ください。
 京都女子大の方限定ではありませんよ。

明日の基礎演習Ⅱ・演習Ⅱ

No.10126

【追記】 冒頭に追記というのはおかしいですが、「演習Ⅰ」の配属希望調査が始まりました。
       希望者は、メール送信だけではなく、希望調査のサイトにも必ず書き込んで下さい(メールと同じ内容で可)。
      そうしないと、希望人数にカウントされませんから。

 明日(26日)の基礎演習Ⅱ・演習Ⅱの発表者とテーマは以下のとおりです。

 <基礎演習Ⅱ>
 大地さん「茶道について」
 栩野さん「三十三間堂について」
 
 <演習Ⅱ>
 寺田さん「お菓子の歴史」
 山下さん「(未報告)」

なお、午前のキャンパスプラザの講義は「木曽義仲」を取り上げます。

 【追々記】 山下さんの発表テーマは「漫画の歴史」でした。
編集:2013/11/27(Wed) 08:59

振り返れば比企がいる-次回の『吾妻鏡』-

No.10127

 前回は山本さんによる詳細な解説のおかげで、比企氏と頼家が“退場”させられる状況がよくわかりました。このあともしばらくは「振り返り」を続けさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。

 次回の『吾妻鏡』のご案内です。

 日時:2013年11月28日(木)午後3時頃~(予定)

 場所:京都女子大学L校舎 3階 共同研究室
 範囲:頼家・実朝期の振り返り

 ※しばらく“振り返り”を続けていきますが、それが終わった後の範囲は以下の通りです。
     承元四年(1210)正月一日、二月五日・十日・二十一日、三月十四日・二十二日、四月九日・十九日、五月六日・十一日・十四日・二十一日・二十五日、六月三日・十二日・十三日・二十日、七月八日・二十日、八月九日・十二日・十六日、九月十一日・十四日・三十日、十月十二日・十三日・十五日、十一月二十二日・二十三日・二十四日、十二月五日・二十一日の各条
     承元五年(建暦元年、1211)正月十日、閏正月九日、二月二十二日、三月十九日、四月二日・十三日・二十九日、五月四日・十日・十九日、六月七日・二十一日・二十六日、七月四日・十一日、九月十二日・十五日・二十二日、十月十三日・十九日・二十日・二十二日、十一月二日・三日・四日・二十日、十二月一日・十日・十七日・二十日・二十七日の各条

 『吾妻鏡』講読会は基礎的な史料読解のニーズにも対応しております。秋の深まりを感じる季節に何か新しいことを始めてみようという方は、まずは見学からでも、どうぞ「ご自由に」ご参加ください。
 京都女子大の方限定ではありませんよ。

ふりかえればヒキガエル

No.10128

 タイトルを見てダジャレが浮かんでしまいました。
 振り返って、大きなヒキガエルがいたら、ちょっとビックリしますよね。

 井上満郞先生の『桓武天皇と平安京』読了。やはり、京都のことは、少なくとも平安遷都の頃からちゃんと学ばなければ。
 続いて、丸島和洋氏の『戦国大名の「外交」』(講談社メチエ)を読んでいます。
 12世紀末の内乱期における在地勢力間の抗争について考える上でも、いろいろ示唆を与えてくれる本だと思います。
 講談社メチエ。編集者の方が、わざわざ研究室までおいで下さったというのに・・・。

 今週は、『台記』研究会で中世前期の常陸武士に関する御報告が聴けるのが楽しみです。

 「歴史は螺旋階段の如く進む」①

No.10124

 人々の無関心の中で、歴史が刻々と「ある方向」に流れていくことを感じています。ささやかな呟きであっても、このあたりで意思表示をしておかないと子孫たちからの不審を招くことになりそうです。私はまだ未来に希望をもっていますから。皆さんも是非。
 私も、「あの時」に御先祖がどんな対応をしたのか、気になることが多々あります。

 先に御紹介した井上満郞先生の御新著『桓武天皇と平安京』ですが、井上先生から、お手紙で、6ページ「桓武天皇関係地図」に重大な誤りのある旨、お知らせを頂きました。書き込まれている「上賀茂神宮」「下賀茂神宮」などという神社は存在せず、「上賀茂神社」「下鴨神社」が正しい表記であるということです。これは先生の確認のないままに印刷に回されたことによるとのことで、先生の御心中、察するにあまりあるものがございます。たしかに一般の人にとって、「神社」と「神宮」の区別など関心の埒外あるものかも知れませんが、古代史を専門にするものにとっては大問題とならざるを得ないでしょう。
 研究者は一般向けの本であろうとも矜持をもって執筆しているのですが、それが伝わらないことは、近年他でもまま知見することがございます。紙媒体による情報伝達が軽視される市場原理の世の中、出版業界も大変なのだろうとは思いますが。

「歴史は螺旋階段の如く進む」②

No.10125

卒論を書いている学生諸姉も、こういうところ気をつけてくださいね。言葉の使い方一つで、見る人が見れば、あなたの学問への取り組み方が露呈してしまうのです。

 ☆ 東北大学の柳原敏昭先生より、新刊の御共編著『講座 東北の歴史 第三巻 境界と自他の認識』(清文堂)を御恵送頂きました。
 柳原先生に、あつくお礼を申し上げます。
 収録されている入間田宣夫先生の論文に「越後白河幕府」とあったことに、ちょっと驚いております。

☆ 学振研究員の大薮海先生より、御高論「大乗院尋尊と東林院尊誉-興福寺東林院主職の相承と尋尊・尊誉による再興-」(『年報 三田中世史研究』20)・「中世後期の地域支配-幕府・守護・知行主-」を御恵送頂きました。
 大薮先生に、あつくお礼を申し上げます。
ちなみに、大薮先生は私にとって出身高校(千葉県立千葉東高校)の後輩にあたります。こういう御縁は大変うれしいことです。先生の今後の御活躍を大いに楽しみにしています。

「 比企氏の乱」は比企氏による乱なのか?

No.10123

 後になって気がついたのですが、昨日は当ゼミ師範代岩田君のお誕生日でした。「生誕○○周年」の大祝賀会を開くべき所でしたのに残念。メンバー諸姉は日ごろの御指導に「論文」でお応えになるのが最大のプレゼントというものでしょう。

 昨日のゼミ講読会は、一部を例会に変更。山本さんに、いわゆる「比企氏の乱」に関する評価の見直しをテーマに報告していただきました。近年の『吾妻鏡』に対する書誌的検討を踏まえた成果で、政治過程に関する研究にも整合する、説得力のある報告でした。『吾妻鏡』の曲筆に関心を向けておられた、私の恩師である貫達人先生が、この報告を聴かれたらさぞ喜ばれたことでしょう。(私も褒められたかも)。
 執筆中の修士論文に反映されるのを楽しみにしています(池嶋さん・滝沢さん・大平さんも卒論頑張ってくださいね!)。
 私も、山本さんの報告を聴いて、早々に執筆しなければならないのに頓挫している『北条時政』に取り組む意欲がフツフツと湧いて参りました。
 ちなみに、山本さんは、最近刊行された古代学協会の年報『初音』3に「『小右記』長和4年4月13日条の検討」と題する論文を発表されているので、このことも紹介しておきます。記録(漢文日記)で歴史に取り組もうとしている方には一読の価値があります。

 ☆  京都市歴史資料館館長の井上満郞先生より、新刊の御高著『人をあるく 桓武天皇と平安京』(吉川弘文館)を御恵送頂きました。
 井上先生に、あつくお礼を申し上げます。

 ちなみに、この『人をあるく』のシリーズでは、当ゼミ草創期(神話時代)に貢献してくれた前川佳代さんが『源義経と壇ノ浦』を書かれることになっています。
 「義経といえば、前川さん!」 期待して待ちましょう。