自然恩沢の守護人

No.9929

 昨日の「教養科目」は本来2コマの時間で話すべき内容。時間不足にならないように前半を急いだ結果、予定どおりに進行。それに安心して、話を横道に逸らせてしまったために、やはり最後までしっかり話せなかったという始末。しかし、横道の内容こそが本旨とすべきものであったようにも思います(いつもこのように自己肯定するので進歩がありません)。

 『吾妻鏡』の講読会では、京武者出身の御家人橘公業と「自然恩沢の守護人」の評価で議論沸騰。橘公業については、研究課題にしている岩田君の今後の追究に期待(同氏「小鹿島橘氏の治承・寿永内乱-鎌倉幕府成立史に寄せて-」『紫苑』8)。「自然恩沢の守護人」については、きちんと読むとどうも通説的理解とは不整合になるという結論に至りましたが、このことはすでに松本一夫氏が『東国守護の歴史的特質』(岩田書院)の中で指摘されていることでした(p70)。
 本を開いてみたら、その部分はちゃんとマーカーでなぞってありました。肝腎なときに大切な情報が引き出せなくなるのも耄碌の一環です。
 中世における「自然」の用法についても再考する必要があるかも知れませんが、要するに「自然」よりも「恩沢」にウェイトを置いて捉えるべし、ということでしょう。

 ☆ 樋口州男先生より、新刊の御編著『史料が語るエピソード 日本史100話』(小径社)を御恵送頂きました。
 樋口先生に、あつく御礼を申し上げます。

 ☆ ラサール学園の永山修一先生の御高配により、先生の御高論「古代~中世の南島」掲載の『西日本文化』462を御恵送頂きました。
 永山先生に、あつく御礼を申し上げます

 ちなみに、『坂東武士団と鎌倉』は、もう本屋さんに出ているのでしょうかね?
 出たばかりだというのにAmazonを見たら、「一時的に在庫切れ; 入荷時期は未定です。」とありましたので。
編集:2013/04/26(Fri) 13:00

若葉のころ-次回の『吾妻鏡』-

No.9930

 野口先生の『坂東武士団と鎌倉』ですが、さきほどからAmazonにも並びはじめた(?)ようです。
 いわゆる大型連休がスタートしますので、来週(5/2)はお休みにして、次回は再来週の『吾妻鏡』のご案内です。

 日時:2013年5月9日(木)午後3時頃~(予定)
 場所:京都女子大学L校舎 3階 共同研究室
 範囲:承元三年(1209)十二月十七日・十九日の各条
     承元四年(1210)正月一日、二月五日・十日・二十一日、三月十四日・二十二日、四月九日・十九日、五月六日・十一日・十四日・二十一日・二十五日、六月三日・十二日・十三日・二十日、七月八日・二十日、八月九日・十二日・十六日、九月十一日・十四日・三十日、十月十二日・十三日・十五日、十一月二十二日・二十三日・二十四日、十二月五日・二十一日の各条
     承元五年(建暦元年、1211)正月十日、閏正月九日、二月二十二日、三月十九日、四月二日・十三日・二十九日、五月四日・十日・十九日、六月七日・二十一日・二十六日、七月四日・十一日、九月十二日・十五日・二十二日、十月十三日・十九日・二十日・二十二日、十一月二日・三日・四日・二十日、十二月一日・十日・十七日・二十日・二十七日の各条

 5月も木曜の午後、9日・16日・23日・30日に開催予定です。

 『吾妻鏡』講読会は基礎的な史料読解のニーズにも対応しておりますので、連休明けから何か新しいことを始めてみようという方は、まずは見学からでも、どうぞお気軽にご参加ください。京都女子大の方限定ではありませんよ。

Amazonのカスタマー・レビュー

No.9932

 『坂東武士団と鎌倉』。 http://t.co/4HFLi99kEU
 いま、Amazonを見たら、在庫が11冊もありました。
 そればかりか、はやくも手にして頂いた方から、レビューをいただいておりました。5つ星。

 小中学校でも、通知表の5を貰ったことは算えるほどしかありません。子どもの時だったら、両親からさぞかし褒められたことと思います。
 Alexさん、まことにありがとうございました。