平清盛 第2回

山田邦和(同志社女子大学)
No.9399

 みなさまこんにちは。
 大河ドラマ「平清盛」第2回を見ました。第1回の際に話題にした鳥羽上皇と待賢門院の関係、
>2. 鳥羽は璋子の不倫を知って嫉妬に狂うが、しかし彼女を熱愛して求めてしまう。
というところで落ち着いたようですね。一応、後白河の実父が宙に浮くという事態は回避されました。でも、美川先生ご指摘のように
>じいさんが死んだらすぐに自分の子どもではないとわかっている崇徳を退位させ、自分の子どもであることが確実な後白河に位をつがせなけりゃだめでしょ。そうしないと鳥羽院政なんてできない。
という問題は未だに残っています。
でも、第3回の予告編を見ると、鳥羽上皇(三上博史)がこめかみに青筋を立てて(実際に立っている)待賢門院にくってかかっている場面が流れていましたから、美川先生の予測通り「待賢門院々政(鳥羽は璋子がこわくてなにもできなかった)」が敷かれていたのかもしれません(笑)。くわばらくわばら。

それにしても壇れいさんは綺麗だ。あんな呆けたような待賢門院(何を考えているのかさっぱりわかららない)を演じさせるのにはもったいないな・・・・

    参考文献の御紹介

No.9400

 何も申し(せ?)ませんが、このことに関心のある方に、話の前提として、必ず読んでおいて欲しい著書と論文を紹介しておきます。

 ○ 角田文衞『待賢門院璋子の生涯 椒庭秘抄』(朝日選書,1985年、初出は1975年)
 ○ 美川 圭「崇徳院生誕問題の歴史的背景」(『古代文化』56-10、2004年)

 『古代文化』は本学図書館(本館)の雑誌室にありますが、私の研究室にも配架しています。
 買いたい人は、(財)古代学協会に、まだ在庫があるはずです。
           http://kodaigaku.org/

 そういえば、『古代文化』には、こんな好論も掲載されていました。

 ○ 横澤大典「白河・鳥羽院政期における京都の軍事制度-院権力と軍事動員-」(『古代文化』54-12、2002年)

Re: 平清盛 第2回

美川圭
No.9401

 ネットの世界では、大河で「王家」と言ったのがけしからんという話が広がっているらしく、NHKは美川圭などという京大出の「アカ学者」の説をまにうけて、などという記事までみつけてしまいました。生きているうちに「アカ学者」などという名誉な称号をいただけるとは思いもかけず、家で大笑いしてしまいました。それこそ貴族社会をもちあげている私としては、本家本元に申し訳ないしだいです。そんなことで大河を批判するなら、白河法皇が「もののけ」と言われている(私の耳に誤りがなければ)ことの方が怪しからん、のではないでしょうか。どう考えても、白河法皇は現在の陛下の祖先であることは間違いないのです。これでは、現陛下の祖先が「アマテラス」ではなく、「もののけ」になってしまいます。