中世戦記研究会に行ってきました。

No.8956

 昨日は学習院大学で開かれた中世戦記研究会の例会に行ってきました。
 西2号館の5階の教室が会場でしたが、立派な建物と施設に驚かされました。私のイメージする学習院はピラミッド校舎のあった1970年代のままのようです。
 今回は研究発表が2本。

  樋口州男氏「『将門記』新皇即位記事をめぐって」
  長谷川靖子氏「平教経の兄弟と読みの可能性―菊王の死をめぐって―」

 樋口先生の御報告では、先行研究に対する慎重な目配りの必要性や「在地伝承と歴史学」みたいなことを考えさせられました。
 将門の乱についても、最近の武士論の成果に則って、政治史独自の視点から捉え直してみると、また新しい展望が開けてくるのかなぁ、などと思いついたりも致しました。しかし、史料が限られているから難しいか。

 長谷川さんの御報告は修論に向けたもののようですが、「国文学」というのは、『平家物語』にこうした方向から取り組む学問なのだと言うことが分かって、とても興味深く拝聴させて頂きました。ほんとうに「文学」なのですね。

 兵藤先生のコメント(「菊花論」と命名)は、「それを言っちゃあ」みたいなところがあったと思うのですが、実は後進の研究者に対する深い信頼に支えられた御発言に違いありません。

 懇親会まで御一緒する時間も体力もなくて残念でしたが、いつも乍ら楽しい研究会でした。

 関西からも報告者を募りたいと思います。
 志立先生に、粟村さんを紹介させて頂きました。