ついに『日記で読む日本中世史』刊行!

No.8937

 いよいよ岩田君の『乱世に挑戦した男 平清盛』(新人物往来社)も、ベストセラーのランキング入り。
 良い本が売れているというのは嬉しいことです。

 ところで、さらに新刊のお知らせです。

 元木泰雄・松薗斉編著『日記で読む日本中世史』(ミネルヴァ書房 ISBN 9784623057788 定価 本体3,200円+税)

 構成は以下のとおり。
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  序 日記記主のまなざし/元木泰雄
  Ⅰ 中世前期の日記
 1 「中右記」─―宗忠の見た白河院政/佐藤健治
 2 「台記」――学問と武のはざまで/ 元木泰雄
 3 「兵範記」――筆忠実な能吏が描いた激動期の摂関家/佐古愛己
 4 「玉葉」――東国武士への視線/野口実
 5 「明月記」――激動を生きぬいた、したたかな歌人/美川圭
 6 「民経記」――「稽古」に精進する若き実務官僚/尾上陽介
 7 「花園天皇宸記」――王朝の黄昏、ミネルヴァの梟は夜飛び立つのか/市沢哲
  Ⅱ 中世後期の日記
 8 「園太暦」――最後の王朝貴族/松薗 斉
 9 「満済准后日記」―─黒衣宰相がリードした室町政治/森茂暁
 10 「看聞日記」――ある宮様のサクセスストーリー/松薗斉
 11 「蔭凉軒日録」 ――室町殿外交の舞台裏/須田牧子
 12 「親長卿記」――戦国時代の朝廷を導く/末柄豊
 13 「大乗院寺社雑事記」――門跡繁昌のための克明な記録/安田次郎
 14 「政元公旅引付」――公家の在荘直務と戦国社会/廣田浩治
 15 「言継卿記」――庶民派貴族の視線/清水克行
 16 「駒井日記」――豊臣秀次側近が記した太閤―関白関係/播磨良紀
 日本中世の日記一覧
 あとがき
 人名・史料名索引
 ジャンル テキスト
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 すでに出版社から届いておりますので、近々、書店店頭にも登場することと思います。
 史学・国文学・建築史・美術史など、中世の記録に取り組もうという方には必備の書。
 記主の伝記として読んでも面白い本です。

 私は、ここぞとばかりに、京都の貴族と中世前期の武士のあり方について、最近考えていることを書かせて頂きました。 御一読頂ければ有り難く存じます。

 一方、(事情通の方はお分かりのことと思いますが、)差し出していた「人質」がいなくなってしまいましたので、困ってもおります。

今週の『吾妻鏡』

No.8939

 拙著『乱世に挑戦した男 平清盛』(新人物往来社)がご好評をいただけるのも、野口先生がこちらで宣伝して下さったからでではないでしょうか。信頼できる方に、どこよりも好意的な評価をいただいたと思います。
 さて木曜日の『吾妻鏡』の次回は再来週11月10日の開催となります。

 日時:2011年11月10日(木)午後3時~(予定)
 場所:京都女子大学L校舎 3階 共同研究室
 範囲:建久十年(正治元年、1199年)十月二十八日、十一月七日・八日・十日・十二日・十三日・十八日、十二月九日・十八日・二十九日の各条
    正治二年(1200)正月八日・十五日・十八日・二十日・二十一日・二十三日・二十四日・二十五日・二十六日・二十八日、二月二日・五日・六日・二十日・二十二日・二十六日、閏二月二日・八日・十二日・十三日、三月十四日、四月八日・九日・十日・十一日・十二日・二十五日、五月二十八日、六月十六日・二十一日・二十九日、七月六日・八日・十五日・二十七日、八月二日・十日・二十一日、九月二日・二十五日、十月十三日・二十一日、十一月一日・四日・七日、十二月三日・二十七日・二十八日の各条

 11月は10日、17日、24日に開催予定です。

 木曜日の『吾妻鏡』講読会は、参加者のみなさんの自主的な積極性によって支えられております。
 基礎的な史料読解のニーズにも対応しておりますので、天高く馬肥ゆる秋から何か新しいことを始めてみようという方は、まずは見学からでも、どうぞお気軽にご参加ください。