兵藤裕己『平家物語の読み方』刊行

No.8401

 小中学生の時代を同じ校庭で過ごした、学習院大学の兵藤裕己先生より、新刊の御高著『平家物語の読み方』(ちくま学芸文庫)を御恵送頂きました。

 1998年にちくま新書の一冊として刊行された『平家物語-〈語り〉のテクスト』を改題し、大幅に加筆訂正したもの。付論として「琵琶法師の位置」が加えられ、木村朗子氏の解説が付されています。
 
 以前から私はちくま新書の『平家物語-〈語り〉のテクスト』が、『平家物語』の入門書として最もすぐれた本だと考えており、入手不可能になっていたのをとても残念に思っておりましたので、本書の刊行は嬉しい限り。
 これで、学生諸姉に躊躇なく勧めることが出来るというものです。

 国文専攻の方のみならず、日本中世史で史料として軍記を活用している人にとっても必読の書。

 そういえば、昔、当ゼミのメンバーだった同志社大学の学生さんが、この本を読んで感動し、大学院で学習院の兵藤先生のゼミに入ることを希望して、それを実現させたということがありましたね。

 それにしても、最近は書籍が週刊誌のように量産される反面。良い本が重版されることなく消え去っていくことが多すぎるように思います。それこそ、モッタイナイ!

 御恵送下さった兵藤先生に、あつく御礼を申し上げます。

 余談ながら、ちくま新書版の著者の写真と、今回の文庫版のそれとでは、随分雰囲気が異なると思うのですが、如何?