元木先生の新著『河内源氏』拝受。

No.8330

 昨夕、元木先生の新著『河内源氏 頼朝を生んだ武士本流』(中公新書)が届きました。
 さっそく拝読。
 
 最新の武士論の成果のつまった一冊。中世前期の武士に関心があり、少し勉強してみようと思っている方は、元木先生の旧著『武士の成立』(吉川弘文館)と併読するとよいと思います。漫然と読むのではなく、ノートをとりながら。

 例によって、私の枝葉末節な研究成果をおおきな政治の流れの中に位置づけて下さっているのには感謝あるのみです。とくに平忠常の乱の部分など。

 また、すでに解明されている重要な事実を適切に紹介されるとともに、これに別の角度から分析を加えて、新しい見解を導かれているのは、さすがだと思いました。

 これまでの御著書と比較して語り口は平易なのですが、他の学説への批判など、言うべきことはズバリと指摘されている。元木先生の研究者としての矜持を随所に見つけることの出来る本だと思います。

 巻末に人名索引がついているのはとても助かります。

 さきに提案した書評会。ぜひ、実現したいところですね。

 御恵送くださった元木先生に、あつく御礼を申し上げます。