残暑お見舞い申し上げます

No.8275

 昔はお世話になった方々に「暑中見舞い」をお送りしていたこともありましたが、いよいよ忙しく、歳を重ねてパワーも不足してしまい、非礼を重ねております。
 せめて、この場を借りて、残暑お見舞いを申し上げる次第です。

 しかし、「暑中見舞い」という習慣そのものが、世間から消え失せていることも確かなようで、これは残念なことだと思います。

 われわれの世代は大学生の時代、「破壊なきところに建設なし」というスローガンをもてはやしてきたのですが、私は昨今、それが大いなる誤りであったことに、ようやく気がつきました。

 もちろん破壊すべきものもあったのですが、長い時間の積み重ねの中で経験的に作り上げられてきた大切なものも十把一絡げにして毀すことに加担してしまったのは、歴史を学んでいた人間としてまったく申し訳ないような気持ちになっているのです。

 然る結果としてでしょう。最近は若い人たちとの文化的な断絶を切に感じています。
 まぁ、昔バカにしていたテレビの時代劇が、一週間の楽しみになってしまうくらい耄碌したことの裏返しで、こんなことを言っているのかも知れません。

 しかし、老後を今の(50年前とは別の民族で構成されているような)日本社会で安心して生きていけるのかどうか、極めて不安を感じています。

 今日(13日)から大学も夏季休業期間に入りました。この間に20日締切の原稿を仕上げなければなりません。たった5枚のコラムですが、短いがゆえに手こずりそうです。