お誕生日おめでとうございます。

元木泰雄
No.8001

 野口先生、お誕生日おめでとうございます。大きな節目を無事にお迎えになられましたことを心より、お慶び申し上げます。
 ご論文を通してお名前を存じ上げてから30年余り、京都でお目にかかってから四半世紀以上が経過致しました。いろいろなことが懐かしく思い起こされます。
 何より、多大なご教示、ご高配を賜ったことを心から感謝申し上げます。

 人生も半世紀を超えると、肉体的な衰えは隠しようもありません。人文系の学者にとって苦手な学内の管理職的な役割も逃れることができません。何かと思い通りにならないことも多くなりますが、これまで培った経験と、蓄えた知識で何とか乗り切ってまいりましょう。
 今の歴史学界は問題山積で、考えても途方に暮れるばかりです。しかし、だからこそ、我々の世代こそが、あるべき歴史学の方向を示すために、全力を絞って仕事をしてゆかなければならないと存じます。歴史学はすぐに人助けはできない、しかし健全なアカデミズムが崩れたら国家が滅びるということを銘記してまいりたいと思います。そして若い人たちが希望を持ち、歴史学を発展させてゆけるような、学問の世界を作るために尽力してまいりましょう。
 これからもご指導のほど、よろしくお願い申し上げます。

「耳順」には程遠い有様ですが。

No.8003

 元木先生。お言葉、ありがとうございます。

  1951年生まれの私は、小学生の頃、「2000年になったら『始終臭い』だ」などと言ってふざけておりましたが、現実にならないはずのそれが現実となり、さらに10年以上が経過してしまったことになります。
 昔なら、こんな歳になると少しは威厳を持てたのではないかと思いますが、姿は不様になる一方、そして人格は軽さを増すばかりで、お恥ずかしい次第です。
 とうとう「始終臭い」に輪をかけて「胡散臭い」老人になってしまいました。

 拙著『源氏と坂東武士』の「あとがき」にも書かせて頂きましたが、1985年秋の日本史研究会大会、そして1986年から3年間の「在京活動」で元木先生にお近づきになれたことは、私の研究活動、否、人生にとって僥倖とも言うべきものでした。
 今後とも宜しくお願い申しあげます。