公開講座「京・六波羅と鎌倉」の御案内

No.7052

 昨日から本日にかけて、連載原稿一本と校正一件を終わらせることが出来ました(お待たせ続けている原稿はさておき、差し迫った校正は、まだ2件のこっていますが)。
 そこで、ようやく新年度公開講座の御案内を書き込みます。

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    ◇ 2010年度宗教・文化研究所公開講座 ◇ 
   「東山から発信する京都の歴史と文化 ⑫ 「京・六波羅と鎌倉」」

  日時   2010年6月26日(土) 13:00~17:00

  会場    京都女子大学 J校舎525教室(予定、変更の可能性あり)

  講演①  「考古学からみた鎌倉北条氏 -伊豆から鎌倉への足跡-」
        池谷初恵(静岡県伊豆の国市教育委員会,考古学)

  講演②  「北条氏一族女性の在京生活-六波羅探題金沢貞顕の周辺-」
        福島金治(愛知学院大学文学部教授,日本中世史)

  司会    野口 実(本学宗教・文化研究所教授)

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 2010年度は、北条氏の存在形態を通して、平安末期から鎌倉時代における京都と東国(鎌倉)の関係について考える機会にしたいと思っています。
 これまでと同様、ゼミメンバー・関係者の御協力を御願いいたします。

 岩田慎平君と長村祥知君が遠征発表される次回の中世戦記研究会ですが、5月8日(土)に開催されることになりました。会場は学習院大学の予定ですが変更の可能性もあるということです。長村君の報告テーマは、
 「北条義時追討計画と伝奏葉室光親―承久三年五月十五日付の院宣と官宣旨―」(仮)
 岩田君は「小鹿島橘氏」に関するものだそうです。
 当ゼミからは常連の藪本君も出席されるはずですので、当ゼミメンバー・関係者で少しでも軍記研究に関心をお持ちの方は、ぜひご参加下さい。
 中世文学の著名な先生方や東京で御活躍の日本中世史の若手研究者とお目にかかることの出来るまたとない機会になると思います。

 ※ 冷泉家展の招待券ですが、続々と申し込みを頂いております(もちろん広島からも)。のこり少々なのでお早めに。

古くて新しい『吾妻鏡』

No.7054

 前回(昨日)のご案内は、なぜか自宅のパソコンから投稿できなかったため掲出できず申し訳ありませんでした。その昨日の『吾妻鏡』の時間は、条文を読みながらいろいろと現代的(現実的)な話題にまで及びました。考えさせられることは多いですね。
 次回の火曜日の『吾妻鏡』は以下の通りです。

 日時:2010年3月23日(火)14:00~(予定)
 場所:京都女子大学L校舎 3階 共同研究室
 範囲:建長六年(1254年)正月十日、二月十二日・二十日・二十四日、三月十二日・十六日・二十日、四月十八日・二十七日・二十九日、五月一日・五日、閏五月一日・五日・十一日、六月三日・十五日・二十五日、十月二日・六日・十日・十二日・十七日、十一月十六日・十七日・二十一日、十二月一日・十二日・十七日・十八日・二十日・二十三日・二十五日・二十六日の各条

 *野口先生よりお借りした大河ドラマ『草燃える』のDVDを少し拝見しました。まだ一話だけですが、武田鉄矢さんの藤九郎盛長が妙に印象的でした。このあとの話も楽しみです。

北条政子は岩下志麻。

No.7055

 岩田君の書き込みに【不正投稿です】というような表示が出るようでは、いよいよ私の独占排他的な状態(世の人々の一部は、この掲示板をブログと誤解しています)が継続してしまうのでは、と危惧していたのですが、復旧されたようで幸いでした。


 『草燃える』のDVDは高校以来の親友の寄贈によるものです。
 千葉常胤や上総広常も登場しますから、大喜びだったはずなのですが、放送されたのはちょうど私が高校に就職した年(1979年)でしたから、じっくり視聴する余裕がありませんでした。

 今見てみると、さすがに永井路子氏の原作だけあって、脚本に『吾妻鏡』の文言がそのまま使われていたりしますし、一応今から40年ほど前の日本中世史学界の共通認識(領主制論的な武士論)を前提にして、フィクションを交えつつも丁寧に作られた作品だと思います(監修は近藤好和先生の御師匠である鈴木敬三氏)。
 したがって、『吾妻鏡』講読の教材にも使えます。山本さんをはじめ現2回生は、大いに楽しめることでしょう。

 それにしても、当時のNHKが全作品をビデオとして保存していなかったという話には驚かされました。研究者が「口頭報告でおしまい」みたいな話で、潔いことこの上ありません。
 視聴者の録画したものだから、画質が悪く残念なのですが、よくぞのこしてくれたと感謝すべきでありましょう。

 当然ながら出演者も若い。北条時政は美川先生の御親戚である金田龍之介が演じていて、私はとても気に入っています。ミネルヴァ日本評伝選はこのイメージで書いてしまいそうです。
 北条義時役の松平健も、この頃はまだ痩身の青年で、どことなく米澤君に似たところがある。米澤君もこれから将軍に就任して暴れ回り、やがてレレレのオジさんになるのかも知れませんね(笑)。


 ところで、先に3月12日を出張講義の吉日と書きましたが、それは記憶違いで、島根県立出雲高校にお邪魔したのは、2005年の3月18日のことでありました。訂正致します。

 昨日は一日がかりで校正。
 どうしても書き加えなければならないことがある一方で、編集者の方からの行数削減の要請にお応えしなければならず、なかなか充実した作業でした。