褒められる古代女性と中世の山姥

No.6871

 昨日はキャンパスプラザまで、ちゃんと歩いていきました。しかし、ここ数日の京都は異様に蒸し暑いので、大汗をかきました。
 受講生は、なぜか全員女性。10年目にして初の事態です。

 キャンパスプラザから京女に歩いて戻るには、難関「女坂」がありますので、営業開始早々、野口君が臆することなく乗車したことで知られる、あのプリンセスラインの赤いバスを利用致しました。

 Ⅳ講時目は後期最初の『吾妻鏡』(宝治二年)講読会。講読を始める前に、岩田君から大阪歴史学会例会で報告されたことを再レクチャーして頂きました。岩田君には、鎌倉幕府論における今後の積極的な発言をお願い致しました。
 なお、この『吾妻鏡』講読会は来週から14:00開始ということになりました。お間違えなきように。
 
 米澤君からは痛々しいなかに、青春を感じさせるお話をうかがいましたが、本当にお大事に。

 Ⅴ講時は、ゼミを中座して、基礎教養科目の授業。受講者の出身地を尋ねたところ、京都・滋賀、近畿圏以外では、やはり北陸と四国が多い。関東はゼロ。でも鹿児島の方が一人おられました。それも、昔つとめていた大学から一番近い公立高校の卒業生でした。
 もうひとつ嬉しかったのは、私の好きな「青春デンデケデケデケ」(小説・映画とも)の舞台になった観音寺第一高校出身という方がおられたこと。地元では「観一」で通っているようです。
 この授業、受講者が楽しそうに聴いてくれるので、疲れを感じません。

 それから、またゼミに戻って20時まで。その間、話題になったのが、11月開催の女性史総合研究会の例会です。ゼミ関係者のよくご存じの方が報告されるとのこと。これは楽しみ。歴史・文学双方からのアプローチのようですから、「京女メンバーは全員出席して下さい」と「天」からの声が届いております。
 そこで、早速の御案内です。

 ◇ 女性史総合研究会11月(第150回)例会の御案内 ◇ 

 日時: 11月28日(土)  例会13:30~17:00
 会場: 京都アスニ-
     http://web.kyoto-inet.or.jp/org/asny1/about/institution/honkan/honkan_map.html
 報告者:西川和江氏 「褒められる古代女性」(仮題)
      原知里氏 「室町時代における山姥のイメージ―謡曲『山姥』からの発信とその 受容―」
  ※日本古代・中世に関するフレッシュな報告です

 【追記】 家に帰ったら、新潟の丸山さんちの田中さんから、上越市立総合博物館で公開されている「聚楽第行幸屏風」のリーフレットと春日山城(上杉謙信の居城)などの収録された「上越妙高山城マップ」が届いていました。

 「聚楽第行幸屏風」。これでようやく全貌がつかめました。聚楽第の天守閣や城門の描写は実に詳しく、これによって、それこそ復原可能になるのではないかと思われるほどです。

 一方、山城、すなわち中世城郭は、私にとっては「昔取った杵柄」でありまして、私の師は、この方面では知る人ぞ知る、故・清川一史さん(作家清川妙氏の御子息)なのです。清川さんの思い出は『千葉史学』に書かせて頂いたことがあります。
 私が清川さんにお教えを頂いたり、連れて行って頂いたのは房総の城ですが、上杉謙信は下総の臼井城を包囲したことがありますし、安房の里見氏と同盟を結んでいたこともありますから、春日山城など謙信支配下の城には、そういう意味からも、大いに関心が持たれるところです。
 田中さんに、あつく御礼を申し上げます。

 それから、NHK出版の石浜さんから、編集を担当された関幸彦『百人一首の歴史学』(NHKブックス)を御恵送頂きました。すでに関先生からも頂いておりますので、こちらは研究室に配架して、とくに国文専攻のゼミの皆さん読んでもらいたいと思っています。
 石浜さんに、あつく御礼を申し上げます。

 NHKブックス、私も早々に書き上げたいと存じております。

中秋の『吾妻鏡』

岩田慎平
No.6873

 秋の長雨の気配ですが、次回火曜日の『吾妻鏡』のご案内です。野口先生からもご案内いただきましたように、開始時間が14:00となりましたのでお気を付け下さい。

 日時:2009年10月6日(火)14:00~(予定)
 場所:京都女子大学L校舎 3階 共同研究室

 範囲:宝治二年(1248年)五月二十日・二十八日、六月五日・九日・十日・十一日・二十一日、七月三日・七日・九日・十日、八月一日・十日、九月七日・九日・十九日・二十日・二十二日・二十六日、十月六日・二十四日・二十五日・二十七日、十一月十三日・十五日・十六日・十八日・二十三日、十二月五日・十二日・二十日、閏十二月十日・十六日・十八日・二十日・二十三日・二十五日・二十六日・二十八日
     建長二年(1250年)二月五日・二十六日、三月一日・三日・五日・十三日・十六日・二十日・二十六日、四月二日・四日・五日・十六日・二十日・二十五日・二十九日、五月十四日・二十日・二十七日・二十八日、六月三日・十日・十五日・二十四日、七月一日・五日・八日・二十二日、八月七日・十八日・二十六日、九月十日・十八日、十月七日、十一月十一日・二十八日・二十九日、十二月三日・五日・七日・九日・十一日・十五日・二十日・二十三日・二十七日・二十八日・二十九日の各条

 毎週火曜日の『吾妻鏡』講読会は、参加者のみなさんの自主的な積極性によって支えられています。後期もどうぞよろしくお願いします。秋から何か始めてみようという方も、まずは見学からでもどうぞお気軽にご参加ください。