「むくつけき武士」ではなかった源為義

No.6812

 大正15年(1926)初版の櫻井秀『綜合日本史大系 第四巻 平安朝史下一』(内外書籍株式会社)の189~190ページに、『月詣集』巻九所収の次の歌が引用されています。
  
  源為義か六位検非違使にて侍りけるをり、かよひけるか、たえてのち、五位尉にとゞまりぬるときヽてつかはしける           小大進
  しのヽめに出しことこそ恋しけれあけにとまるときくにつけても

 著者櫻井秀氏(1885~1943)は、「為義その人も、半面に宮廷型女性の愛をひく何物かを持ってゐたと考へなければならない」とコメントしています。
 「宮廷型女性」という表現は、なんだか面白いですね。