休講中の読書案内

No.6720

 京都では新型インフルエンザの感染に対処するため、ほとんどの大学が休講措置をとっていますが、こんな時、平安時代だったらどうしたのか?
 そんな疑問にこたえ、且つまた武士論、都市(首都)論、さらには日本文化論にまで話が展開し、史学・国文のジャンルを超える内容で、しかも高度な水準を保ちながら、大変面白い--という、夢のような本があります。
 
 ○ 髙橋昌明『酒呑童子の誕生 もう一つの日本文化』(中公文庫,本体952円)
 
 文庫本なので、街中の本屋さんでも手に入ると思います。

 もう一冊は、最近私が読んで、よく納得できた本。

 ○ 齋藤孝『なぜ日本人は学ばなくなったのか』(講談社現代新書)

 なんで最近の若者は新書すら読まなくなってしまったのか?学問や文化を平気で蔑むような発想が世の中に蔓延するに至ったのか?私の抱えていた疑問が、この本でかなりの部分、氷解致しました。
 しかし、それにしてもこのようなニュースに接すると、疎外感を禁じ得ませんが。
  → http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090523-00000063-yom-soci
 私は40年ほど前は千葉県公立高校の生徒で、30年ほど前は教諭でしたので。

 なお、内田樹氏の著書(『街場の教育論』など)も「な~るほど」と思うことが多いので、あわせて推薦しておきます。

 ☆ 東京学芸大学の高松百香先生より、御高論「一条聖帝観の創出と上東門院」(『歴史評論』702)を御恵送頂きました。
 高松先生には、御上洛の機会があれば、ぜひ当ゼミで、御研究のお話しをうかがいたいと存じております。
 高松先生に、あつく御礼を申し上げます。