『木曾義仲のすべて』刊行

No.6477

 関西でも風邪が流行しつつあるようで、担当者が罹患したために休講となる授業もあるようです。補講が大変だと思います。
 京都女子大学文学部の卒論提出は明日。今の段階に至って大車輪の方も多いことと思いますが、くれぐれも健康管理に気をつけてほしいところです。江波さんは、もう余裕のことと思いますが。
 かく言う私も喉を痛めてしまい、明日の早稲田大学における研究報告が、弁士なしの「無声映画」のようになってしまわないかと心配しております。もとより、準備不足ゆえ、内容には自信がありませんが。

 ところで、楽しみにしていた、鈴木彰・樋口州男・松井吉昭編『木曾義仲のすべて』(新人物往来社,240ページ,税込2940円)が遂に刊行されました。源平内乱期に活躍した人物の中で、本格的な研究対象になっていないのは、この義仲くらいではないでしょうか。自治体史は除くとして、関連する近年の研究書としては、浅香年木『治承・寿永の内乱論序説』(法政大学出版局、1981)をあげるにとどまるでしょう。
 この度の『木曾義仲のすべて』は、一般向けとはいえ、日本史・国文学のジャンルで活躍されている第一線の研究者が、それぞれ担当のテーマを最新の研究に基づいて執筆されており、じつに新鮮です。
 とりわけ、当ゼミの立場から紹介させて頂きたいのが、長村祥知君執筆の「法住寺合戦」。学術的評価の高い論文「法住寺合戦について-『平家物語』と同時代史料の間-」(『紫苑』第2号掲載→http://donkun.ath.cx/~sion/organ/)を踏まえ、短編ながら、当時の政治状況や木曾方・院方武士の存在基盤にも論及した、この事件に関する決定版というべき内容をもつものです。
 多くの方々にお読み頂きたいと存じます。

 ちなみに、この本の編集者の方から、割引購入についてお知らせを頂いておりますので、ゼミ関係者で購入を希望される方は、年内に当方までお知らせ下さい。

 ☆ 上記『木曾義仲のすべて』の編者のお一人でもある明治大学の鈴木彰先生より、先生の御高論「合戦空間の創出」の収録された、新刊の川合康編『平家物語を読む』(吉川弘文館)を御恵送頂きました。
 これまた、刊行を楽しみにしていた本でした。
 鈴木先生にあつく御礼を申し上げます。 

走る師

No.6479

 「師走」も押し迫ってまいりました。100年前の京都には、実際に、元気に市中を駆け回る「走り坊さん」がいたそうですが、ここ数日は私の周囲でも体調を崩して走り回れなさそうな方が増えているようです。みなさまどうぞお大事に。
http://www.kyoto-np.co.jp/article.php?mid=P2008121800092&genre=J1&area=K00

 本日が京都女子大学文学部の卒論提出締め切り日だったようです。私が所属する関西学院大学文学部も本日が締切でした。本日は各地の大学で卒論提出にまつわるいろいろなドラマが展開されたでしょうか?
 しかし近頃は、締め切り日「まで」に提出してしまい、締め切り日当日は悠々と仲間同士で寛ぐ、といったような方もおられるようです。私には到底、到底真似のできないことだと思います。
 そういうわけですので、大好きな映画『影武者』も観れません…。

>野口先生 
 本日の早稲田大学における研究報告はいかがでしたでしょうか。また次回の『吾妻鏡』の時間にでも詳細を伺えればと思います。