都を落ちて、また上る。
No.6465
山田先生、お知らせ下さり、ありがとうございます。
10日締切の例の原稿に目途がつけば、ぜひ拝聴にうかがいたいものと思っております。これは、『平家物語』をテーマにされている国文の方もぜひ、聴きに行かれるとよいと思います。
ちなみに、詳細はまた書き込みたいと思いますが、「中世戦記研究会」では『曽我物語』の次の輪読対象を『承久記』に決められたとのことです。これは、楽しみ。
史学専攻関西勢の大挙参加を期待したいところです。
なお、20日の鎌倉遺文研究会における報告の準備ですが、レジュメ作成中に面白い事実を見つけて、そちらの方に関心が向いてしまって、本旨停滞という有様です。
☆ 中世戦記研究会でお世話になっている藤本正行先生より、新刊の御高著『桶狭間・信長の「奇襲神話」は嘘だった』(洋泉社)を御恵送頂きました。
藤本先生に、あつく御礼申しあげます。
そのまた先の『吾妻鏡』
No.6466
のんきに『吾妻鏡』を読んでいられるような身分ではないのですが、ひとまず次回のご案内です。
日時:2008年12月9日(火)15:00頃~(予定)
場所:京都女子大学L校舎 3階 宗教・文化研究所共同研究室
範囲:今までに読んだ記事の振り返り(史料は別途用意します)
仁治年間は注目すべき記事が多いので、じっくり読んでいきたいと思いますが、来週は今までに読んだ気になる記事をダイジェストで読んでみたいと思います。振り返りが大事です。
いちおう今後読む予定の箇所も挙げておきたいと思います。
『吾妻鏡』延応二年(仁治元年、1240年)十一月二十一日・二十三日・二十八日・二十九日・三十日、十二月十二日・十五日・十六日・二十一日
仁治二年(1241年)正月二日・十四日・十七日・十九日・二十三日・二十四日、二月七日・二十二日・二十三日・二十五日・二十六日、三月十六日・十七日・二十日・二十五日・二十七日、四月二日・三日・五日・十六日・二十五日・二十九日、五月六日・十日・十四日・二十日・二十九日、六月八日・十一日・十六日・十七日・十八日・二十八日、七月八日・二十六日、八月十一日・十五日・二十五日・二十八日、九月三日・七日・十日・十一日・十三日・十四日・二十二日、十月十三日・二十二日、十一月三日・四日・十七日・二十一日・二十五日・二十七日・二十九日・三十日、十二月一日・五日・八日・十三日・二十一日・二十四日・二十七日・二十八日・二十九日・三十日、の各条
毎週火曜日の『吾妻鏡』講読会は、参加者のみなさんの自主的な積極性によって支えられております。どなたさまでも、まずは見学からでもどうぞお気軽にご参加ください。
「四当五落」 ・ 「一浪、ひとなみ」
No.6468
決して、原稿に目途がついたわけではありませんが、テーマがテーマですので、高橋先生の御講演を拝聴して参りました。
平家一門の都落ちについては、「法住寺殿と小松家の武将たち」(京都女子大学宗教・文化研究所『研究紀要』15)執筆の際に、関係史料や先行研究をしっかりと読んだつもりでいたのですが、今日のお話しで、自らの史料の読みの甘さを痛感。
小松殿の有力家人たちの動向についても、さらなる検討の必要を認識させられました。
また、神器問題については、先にこの掲示板でも紹介した谷昇氏の「後鳥羽天皇在位から院政期における神器政策と神器観」(『古代文化』60-2)との関連でいろいろ考えるところがありました。
「朝敵」という語についても、明快な御説明があって、大いに蒙を啓くことが出来たという次第です。
原稿執筆に停滞しているときなど、机の前で悶々としているよりも、こうしたお話しを聴きに出掛けた方が絶対によい。新鮮な刺激を受けて、意欲が湧くというものです。
目下、私の周囲には修論・卒論で引き籠もりがちの皆さんが多いわけですが、いろいろお話しをうかがうたびに、なぜか40年前の大学受験の頃を思い出します。
団塊世代が大学受験生だった時代、「四当五落」とか「一浪、ひとなみ」とか、よく言われていました。前者は、睡眠が四時間なら受かるが、五時間だと落ちるということ。後者は、そのまんまで、一浪(一年間の浪人生活)は人並み(普通)であるということです。
しかし、よく眠って、結構好きなことをやって楽しく過ごしているのに、しっかり現役で合格する人が、ちゃんといたものでした。
私は今と同様に「意志薄弱」でしたので、受験勉強で頼りにしていたのが、大学受験のラジオ講座(文化放送で夜11時から放送)。今では想像できないことですが、英語は早稲田の西尾孝教授、日本史は都立大の田名網宏教授、といった具合に、当時は現役の大学教授が受験講座の講師をつとめていたのです。
放送時間にキチンと聴けばよいのですが、その頃、オープンリールのテープレコーダーが一般家庭にも普及しつつあり、私も親にねだって、これを買って貰い、そのうち聴けばよいと、何日分も録音をためこんでしまっておりました。思えば、これが私の「負債人生」の始まりでした。
ちなみに、最近の学生さんの中には、オープンリールのテープレコーダーなど見たことがないという方がおられます。もし、御覧になりたければ私の研究室にお出で下さい。
ただし、見るだけ。
数年前までは再生可能だったのですが、ついに寿命がきてしまったようです。修理できれば、ギター伴奏付きの10代の私の肉声が聴けるのですが。
もちろん、聴かない方がよい!
岩田君ではありませんが、原稿やら校正やら研究発表の準備があるというのに、のんきに書き込みをしている場合ではありませんでした。