泰時・時房体制の終焉-次回の『吾妻鏡』-

No.6454

 このところ吾妻鏡のご案内ばかりで申し訳ありませんが、また次回の吾妻鏡のご案内です。前回の範囲では三浦義村が亡くなり、このあとの講読範囲では北条時房・北条泰時というそれまでの鎌倉幕府の中心を担った人物が相次いで世を去ります。「一つの時代の終わり」に思いを馳せつつ読んでいきましょう。

 日時:2008年11月18日(火)15:00頃~(予定)
 場所:京都女子大学L校舎 3階 宗教・文化研究所共同研究室
 範囲:『吾妻鏡』延応二年(仁治元年、1240年)正月一日・二日・十五日・二十二日・二十三日・二十四日・二十七日、二月二日・六日・七日・十九日・二十三日・二十五日、三月七日・九日・十八日、四月一日・八日・九日・十日・十二日・二十五日、五月一日・四日・六日・七日・十二日・十四日・二十五日、六月十一日、七月九日、八月二日、九月八日・三十日、十月十日・十九日、閏十月五日、十一月十九日・二十一日・二十三日・二十八日・二十九日・三十日、十二月十二日・十五日・十六日・二十一日の各条

 十一月は、11/18、11/25と開催予定です。仁治年間は注目すべき記事が多いように思いますので、じっくり読んでいきたいと思います。

 毎週火曜日の『吾妻鏡』講読会は、参加者のみなさんの自主的な積極性によって支えられております。どなたさまでも、まずは見学からでもどうぞお気軽にご参加下さい。

「小松帯刀」と「小松寮」の関係を論ぜよ。

No.6455

 火曜日の『吾妻鏡』講読会。このところ、幕府法と対照させながら読み進めるケースも多くなり、いよいよ面白くなってきました。今後は寛元・宝治・建長の政変に向かって、様々な政治史研究の課題が噴出してきそうに思います。
 それにしても、11日の講読会は、女子大のゼミだというのに、出席者は全員男ばかりという前代未聞の状況が現出いたしましたね。 

 本日の史学科講演会。瀧浪先生の『源氏物語』に関する御講演は、とても勉強になりました。そのうえ大変刺激的で、次の時間の『小右記』講読会もその余韻覚めやらぬ中で、とても充実したものとなったという次第です。
 このところの『小右記』講読会は、出席メンバーの積極的な取り組みに圧倒されがちで、嬉しい限りです。新しいメンバーも加わり、こうした理想的な状況が継続されることを期待したいと思います。

 申し遅れましたが、11日に開催された研究所の運営委員会で、来年度のゼミの活動計画や共同研究、ならびに公開講座の実施について、原案通りに了承して頂くことが出来ました。関係各位の御助力を宜しくお願い申しあげる次第です。

 ところで、大河ドラマの『篤姫』は京女の学生諸姉にも大人気のようですが、そこに登場している小松帯刀の「小松」姓は何に由来するか御存知でしょうか。
 実は小松帯刀の家は平重盛の子孫を称しているのです。したがって、小松は「小松内府」の小松。重盛邸の六波羅「小松殿」(所在地は現在の馬町交差点付近に比定)に由来するのです。
 ということは、京都女子大の「小松寮」の小松とイコールという次第。これまた、京女の周辺の歴史は奥深いものがあるという一例といえましょう。
 小松寮の学生諸姉たちは、あたかも重盛の「小松殿」に出仕するために全国各地から集まってきた武士たちのように、目下、「一所傍輩のよしみ」を培っているというわけです。それが、12世紀と同じように、やがて新しい時代を切りひらくエネルギーに転化していくとすれば、なんとも素晴らしいことなのですが。