安芸宮島から帰洛の御報告

No.6359

 昨晩、一足先に、古代史サマーセミナーの開かれている安芸宮島から京都に戻りました。
 実行委員会を受け持たれた広島大学の皆様(とくに院生の方たちのチームワークの良さには感心致しました)にはたいへんお世話になりました。あつく御礼を申し上げます。

  中世前期と時期区分してもよい内容の報告も多く、大変勉強になりました。
 私の参加した分科会の報告の範囲での意見ですが、やはり自分が年寄りになったからかも知れませんが、先行研究の継承という点で不安を感じたところもありました。また、事実の解明の成果は素晴らしいのですが(PCを存分に活用して、昔なら作成に相当の時間を要するようなデータが、報告資料に添付されていることなども)、それを政治過程の中にどう位置付けられるかが不明確であるのが、気になるところでした。

 そもそも「歴史学」というものにたいするスタンスが、1960~70年代に学生生活を送った私たちの世代と今の院生世代の方たちと異なる部分がある。当たり前なのかも知れませんが、そんなことを考えさせられました。

 何れにしましても、全国各地から集まった様々な立場の方々に、自分の研究成果を発表し、批判を受けると言うことはとても大切なことだと思います。
 尻池さんも着実に実力を蓄えられているようで、たいへん嬉しく思った次第です。

 なお、昨日午後は、建築史の三浦正幸先生の御案内で厳島神社社殿をじっくりと見学する機会を得て、これは宇治・法住寺殿を考える上で大収穫でした。

 ゼミ関係者では、広島大院に進学された尻池さん、尻池さんに続くべく頑張っている地元出身の江波さん、それに前夜12時まで祇園で労働の後、ほとんど徹夜で尻池さんの報告前(午前9時)に宮島に到着するという離れ業を成し遂げた岩田君が参加。ゼミ旅行の観なきにしもあらずといったところでした。

 ちなみに、私は一昨年9月初めに、ゼミメンバーと宮島に出かけたときに利用した宮島口のホテルに宿泊致しました。あれからもう2年が経過したとは、本当に時の流れの速さを感じます。

古代史サマーセミナー参加記

No.6363

 野口先生と一日違いで参加してきました【第36回古代史サマーセミナーin広島県宮島】から先ほど帰洛しました。非常に濃密な二日間で、私にとっても大変貴重な機会でした。

 事務局として運営を担われました広島大学の皆様にはしっかりした「チームワークの機能美」を見せていただきました。院生・研究生として、かくありたいものです。
 分科会には少し遅刻してしまったのですが、普段とは違う場所でいろいろな方のお話を伺うのはそれだけで勉強になりますが、それゆえに、もっと自分から動いて視点や意見の異なる方々とさらに意見交換する必要を痛感しました。それから、もっとゆっくり喋らなければと反省しました。
 「宇治における摂関家の儀礼」というテーマでご発表された尻池さん(ゼミの広島支部長?)のお話からは、ちょうど最近の『吾妻鏡』の講読会で読んでいた嘉禎四年の九条頼経上洛にまつわる重要な情報をいただくこともできました。ヒントはいろんなところに転がっていますね。

 厳島神社は一年半ほど前にも一度訪れたことがあるのですが、今回、三浦正幸先生のご案内で見学できたことで「先達はあらまほしき」を実感しました。懇切なご案内に対する乱暴な理解ではありますが、平清盛は海の上に壮麗な寝殿造の殿舎を造ってしまったということのようですね。それから、「景観破壊」も数百年続けるとそれなりに馴染んでしまうというちょっと危険なことも知りました。
 また、ご家族の出身の大学が私と同じという縁で、厳島の大願寺をご住職のご案内で(こっそりと)見学させていただくという貴重な経験もできました。

 サマーセミナーでは、晩ご飯の席がすごい先生のお隣だったり、すごい先生と同部屋だったりといったことが起こると聞いており、人見知りする私としては甚だ不安だったのですが、その点も案外に楽しむことができました。それから、ある程度の出費(泣)を覚悟すれば、前夜にクローズ作業をしても翌朝9時前には宮島に着けることがわかりました。ちょっとだけ、「24時間戦」ったような気持ちになりました。
 

Re: 安芸宮島から帰洛の御報告

尻池由佳
No.6364

野口先生、孝子先生、岩田さん、江波さん、サマーセミナーへのご参加ありがとうござました。久しぶりにお会いすることができ、その上、貴重なご意見もたくさんうかがうことができ、たいへん嬉しかったです。そして、発表の前日、緊張のあまり旅館の部屋をウロウロ歩きまわっていた私に激励のメールをくださった長村さん、ありがとうござました。
今回の発表では、下向井先生をはじめ、大学の様々な方々にご迷惑をかけてしまいましたが、サマーセミナーで発表の機会をいただけたことは、私にとってとても良い経験になりました。やりたいことも課題もたくさん見えてきました!(ただ解決できるかは別ですが…)
これからも発表の度にまわりの方々にご迷惑をおかけしてしまうと思いますが、ご指導・ご鞭撻のほど、よろしくお願いいたします。
この度はお忙しいなか、広島まで足を運んでくださり、本当にありがとうござました。次回、お会いできるのを楽しみにしております。それでは。