『吾妻鏡必携』の見本本が届きました。
No.6353
本日、『吾妻鏡必携』〔吉川弘文館刊、価格(税込)3,780円 、ISBN: 978-4-642-07991-4〕の見本本が届きました。
当方の分担範囲で執筆をお願いしたゼミ関係の諸姉兄にあつく御礼を申し上げます。
とくに岩田君には、まとめ役として多大な御助力をいただきました。ありがとうございました。
公式の刊行予定は9月10日のようですので、その頃には執筆者の方々にも送付されると思います。暫しお待ち下さい。
>田中さん 「鈴木夫妻結婚お祝い会」の告知、ありがとうございました。ちなみに、「メールを送付した方のお名前」というのが、挙がっていないようですが・・・。
>尻池さん 御報告、いよいよ明後日ですね。楽しみにしています(私にも大変なお役目がありますが)。
お天気がすこし心配です。
>長村君 資料の郵送、ありがとうございました。たいへん助かりました。
備前・備中・備後の旅
No.6362
>野口先生
『吾妻鏡必携』〔吉川弘文館刊、価格(税込)3,780円 、ISBN: 978-4-642-07991-4〕の見本本到着の由、祝着に存じます。みなさんの力作が世に出るのは喜ばしいですね。
ところで、先週の8/20(水)~8/22(金)に元木泰雄先生よりお誘いをいただきまして岡山旅行へ行って参りました。遅くなりましたが、以下、少しご報告します。
初日は岡山駅に集合しまして、閑谷学校、真光寺、備前長船刀剣博物館、福岡の市跡、本蓮寺、西大寺などおもに備前国方面を見学しました。閑谷学校は文字通り閑かな谷間にあり、日が照りつけていたにも関わらず程良い涼さが印象的でした。いまは刀剣博物館もある備前福岡は、吉井川と山陽道がちょうど交差する非常にわかりやすい水陸交通の要衝であることが実感できました。また、西大寺はその吉井川のさらに河口近くに存在し、山門がはっきりと河口(海)の方向を向いていたことから、瀬戸内水系と密接な関係にあったことが伺えました。
夜は岡山市内の「紅燈家」にて地元のお料理をいろいろと堪能させていただきましたが、当地の名物・ままかりが品切れであったのは少々(かなり?)残念でした。
翌日は、吉備津神社、妹尾兼康墓、高松城跡、高松城水攻め築堤跡、備中国分寺、宝福寺、藤戸寺(通りすがりに佐々木盛綱像)、鷲羽山など、おもに備中国の史跡を見学したのちに宿舎のある福山へ移動しました。吉備津神社では壮大な社殿に圧倒されました。また、境内では弓道が行われており、地元の高校生のみなさんが技を競い合っていた(諸国一宮神事への武芸謹仕?)ほか、釜鳴神事に使用する釜殿を見学させていただくことができたなど、とても印象的な場所でした。高松城跡および高松城水攻め築堤跡では、天正十年の高松城水攻めについていろいろなことがわかりましたが、とりわけ印象的であったのは、二十年ほど前の水害で足守川が増水した際にあたかも水攻めのごとく付近一帯が水没したときの様子を写した写真を見たことでした。備中国分寺はその周辺も史跡公園として整備されており、のどかな田園風景のなかに浮かぶ五重塔が非常に美しかったです。
夜は福山駅前の宿舎に併設されていた「酒呑童子」にて、瀬戸内産の魚介類を中心として、各種お造り、各種お茶漬け、ネブト(そういう名前の小魚)の唐揚げなど、小技の利いたお料理たちをたくさんいただきました。
最終日は、明王院、鞆浦、福禅寺対潮楼、安国寺、沼名前神社から尾道へ移動して浄土寺、西國寺など、おもに備後国の史跡を見学しました。福禅寺対潮楼の堂内から対岸の弁財天福寿堂を眺めたときは、心地よい風が吹き渡り、しばし時間を忘れてのんびりとした心地になってしまいました。浄土寺では本堂などを詳しく紹介していただきながら見学することができました。
三日間の備前・備中・備後にまたがる旅行で印象的だったのは、いくつもの寺院でそれぞれ立派な五重塔を拝見できたことだったと思います。この地方の文化的・経済的な豊かさを静かに物語っていたような気がします。また、三日間を通してほとんど雨が降ることもなく、美しい景色を楽しみたい場所(閑谷学校、備中国分寺、鷲羽山、鞆浦、など)でことごとく晴天に恵まれたことは僥倖と言うべきでありましょう。
本年も旅行にお誘いいただきました元木先生に、あらためて御礼申し上げます。
吉備路旅行
元木泰雄
No.6369
岩田君がお書きのように、今年も漆原先生らと見学旅行にまいりました。
今年は東京からの参加者が、漆原、佐藤秀成両先生のお二人で、少しさびしかったのですが、関西からは小林基伸先生はじめ6名、そして高知県の池内先生にもご参加いただき、総勢9名となりました。
今年も好天に恵まれ、充実した旅行となりました。具体的な見学先、コースは岩田君が書き込んでくれたとおりです。
それにしても、吉備、山陽路には中世の国宝建築が目白押しですね。
吉備津神社、明王院、浄土寺のいずれも南北朝、室町時代の建築で、当時の山陽地域の繁栄の産物でしょうが、戦乱の中でよく無事であったと思わざるを得ません。
その多くが、やや薄めの朱色と白壁というのも興味深いところです。
また、牛窓、下津井、鞆、尾道と、中世の重要港湾を見学できたのも興味深いところでした。対岸に島嶼、背後に山岳、狭く細長い地形が共通するのも、古い港湾に共通する特色でしょう。
沼地に囲まれた備中高松城の地形が明確に認識できたのも収穫でした。何となく山奥のように思っていたのですが、それでは水攻めはできませんよね。
高松城のすぐ近くに高さ27メートルもある最上稲荷の大鳥居があったのも印象的でした。倒れたらどうするんだろうと思ってしまいます。
総社市の、雪舟ゆかりの宝福寺も、室町の三重塔などをもつ森閑とした寺院でした。
昨年の足摺岬の豪快で爽快な景色も素晴らしかったですが、鷲羽山の穏やかで紺碧の海と木々の緑、それに瀬戸大橋があいまった景色も、見事なものでした。その直前に訪れた藤戸の藤戸寺には鎌倉期の五重の石塔があり、合戦の逸話の真偽はともかく、この地の由緒を物語っておりました。すぐ近くに、最近作られた佐々木盛綱?の像がありましたが、地元にとってはあまり芳しい人物ではないと思うのですがねえ。
夕食はもちろん充実していましたが、たまたま訪れた備中国分寺横のラーメン屋の冷麺、尾道の港近くの中華料理など、大当たりでした。
それはともかく、今回、運転をご担当いただいた岩田君、花田君には深く感謝申し上げます。とくに、狭い大変な道を運転していただき、本当にご負担をかけたことと存じます。厚く御礼申し上げます。
鞆の浦、尾道は車を止めてゆっくり歩くべきところかもしれません。
昨年に続き、今回も3日間晴天。晴れ男は土佐の豪快先生こと、池内敏彰先生でした。先生が所用で3日目のお昼にお帰りになるや、突如雲行きが怪しくなってしまいました。来年は最後までご一緒していただきたいものです。
ちなみに、先生は昨年の「21発発言」に続き、今年は39度発言。「いまどき気温は39度くらいないといかん」。いつも話題を提供してくださいます。
来年の見学先は伊予が候補です。たぶん修論を終えた山岡さんにもご参加いただけると思うのですが、地元ではどうもと言われそうですね。
野口ゼミ関係者の積極的なご参加を期待しています。
映画『男はつらいよ』から
No.6375
備中国分寺や建設直後の因島大橋は、『男はつらいよ 』シリーズの32作目「口笛を吹く寅次郎」(1983年公開)に登場します。
☆ 文教大学の中村修也先生より、新刊の御高著『謎解き 古代飛鳥の真相』(学研M文庫)を御恵送いただきました。
中村先生にあつく御礼を申し上げます。
☆ 京都大学大学院生の辻浩和君より、御高論「天理図書館蔵『蹴鞠記』抄出-『順徳院御記』逸文と成通説話-」(『日本史研究』552)を御恵送いただきました。
辻君に、あつく御礼を申し上げます。