追悼 角田文衛先生

No.6242

 山田邦和先生からのご連絡によると、

http://heike.cocolog-nifty.com/kanwa/

 昨日、角田文衛先生が亡くなられたそうです。

 95歳のご高齢だったので、いつかこの日が、と思っておりましたが、
とうとうその日がまいりました。

 京都では、いろいろな意味で、とても存在感のある大先生でした。

 しかも、こういうタイプの学者はもう出ないかも知れません。

 私にとっては、なんといっても、崇徳院生誕についての論文を、ご自身のつくられた『古代文化』への投稿を電話で促された、という忘れ得ないかたです。
 ご自身への批判論文の投稿を求められる、実にスケールの大きな方でした。

 ご冥福をお祈りしたいと思います。

 それにしても、崇徳院生誕についての仕事は楽しかったです。

Re: 追悼 角田文衛先生

元木泰雄
No.6243

角田文衛先生の訃報に接し、心より哀悼の意を表す次第でございます。
 4月の「紫式部顕彰会」のおりに、ご体調が悪化された由を伺い、案じておりましたが、何度もご不調を克服された先生だけに、今回も回復されると信じておりました。ただただ残念でございます。

 先生はご自身も学者として多大の業績を残されるとともに、古代学協会を設立運営され、国内外にまたがる研究成果を挙げられて、大きな存在感を示されました。
 我々のような平安時代の研究者にとっては、『平安時代史事典』『平安京提要』の存在を考えただけでも、先生から受けた学恩は計り知れないものがあります。先生なくして、今日の平安京や貴族政権研究の隆盛はありえなかったと思います。

 美川先生も仰せのように、角田先生は突然お電話を下さいます。人物叢書『藤原忠実』を上梓した際、「『古代文化』で書評したいから執筆者候補をあげなさい」とのお電話を頂き、仰天したことが思い出されます。それも、旺盛な行動力のあらわれといえるのかもしれません。 

 角田先生のお名前をはじめて知ったのは、高校二年のときに中公新書の『承香殿の女御』を拝読したときでした。平安貴族の世界の面白さを、鮮烈に印象づけられた思い出がございます。それと同時に、「小説ではなく、研究によって、このように歴史上の人物の息遣いや心のひだまでわかるとは、何てすばらしいことか」という思いを抱いたことでした。その思いは今も決して消えておりません。
 
 謹んでご冥福をお祈り申し上げます。

Re: 追悼 角田文衛先生

No.6244

 角田先生は、優秀な研究者数人分の頭脳と行動力を一人で担われていた不世出の歴史学者でありました。

 先生の御冥福をお祈りすると同時に、先生の学問・研究に向けられた情熱の炎を絶やさず、御研究の一部なりとも継承、発展させていけるように努めてまいりたいと思っております。
                                                 合掌

Re: 追悼 角田文衛先生

山田邦和(同志社女子大学)
No.6249

角田文衞先生の葬儀がつつがなく終わりました。
ひとつの「時代」の終了を感じております。

私のプログに、思い出話を書きました。ご笑覧いただければ幸いです。
http://heike.cocolog-nifty.com/kanwa/2008/05/post_49a7.html