『紫苑』拝受・拝読いたしました

池谷初恵
No.6203

野口先生・ゼミの皆さま、こんにちわ。伊豆の池谷です。
このたびは、『紫苑』6号をお送り下さり、まことにありがとうございました。
いずれも力作で、大変興味深く拝読いたしました。
とくに、「侍所」と「御所の空間」についての論考は、考古学の研究テーマとも共通するもので、大変参考になりました。発掘調査では、柱穴や礎石の列としか表れない建物跡ですが、建築学や文献史学の諸研究を参考にしながら、空間の復元に取り組んでいきたいと思っております。
なお、考古学から東国武士の館や建物構成について論じたものに、小野正敏氏「中世武士の館 その建物系譜と景観」『中世の系譜』高志書院 があります。ご参考までに。

池谷先生、お久しぶりです。

No.6204

 池谷先生、書き込みありがとうございます。
 昨年度、建築史学専攻の満田さんがゼミに参加されてから、当ゼミに於いては、空間から政治を読み解く方法論が一世を風靡しております。
 
 私の感想としては、鎌倉時代段階に於いて、地方の守護級武士の居館は、京都の貴族邸宅の構造とさほど大きく異なるところは無いように思えるのですが、如何でしょうか。
 檜皮葺の将軍御所など、まさに準摂関家にふさわしい貴族邸と思います。

 小野先生の御高論は読んでいながら、ゼミメンバーに紹介するのを忘れておりました。御教示に感謝します。
 この論文(192ページ)で紹介されている筑波の小泉館には、当方の研究所に於ける宇治を対象にした共同研究の関連から大いに注目しています。翼廊をもち前面に浄土庭園を備えた阿弥陀堂形式の日向廃寺というのは、平等院阿弥陀堂や平泉の無量光院を彷彿とさせるものがあります。
 こうした居館周辺の空間は、常陸大掾氏のみならず上総氏や藤姓足利氏などの本拠にも形作られていたと考えております。