興奮冷めやらぬ一週間

No.6159

 先に元木先生から御案内を頂きましたように、本日は亀岡で古文書学会の見学会があるのですが、私は残念ながら参加が叶わず、朝から研究室で事務仕事に追われております。

 タイトルのとおり、ゼミ諸姉兄の撮影した鈴木ご夫妻の結婚式・披露宴・同二次会の写真が当方のパソコンに集約されつつあります。いっそ、全部プリントアウトして研究室前の掲示板で「鈴木君・永富さん御成婚特集」でもやってみたら如何、という提案も出ているところです。
  もうお二人は新婚旅行の途上でしょうか。おそらくPC関係は万全の装備で御出立のことと思います。途中経過を報告せよなどという野暮は申しませんが、土産話を楽しみに致しております。

 土産話と言えば、昨日の見学会。総勢8名で充実した一日を過ごすことが出来ました。宇治の歴史資料館で最近の発掘調査による成果を確認し、また栗駒山の遺地と思われる宇治市神明の辺りも、おおよその地形を把握することが出来ました。
 山城・大和国境付近の神社境内では愛知から駆けつけてくれた野口君が「いまそこにある危機」に遭遇。説話の原型になりそうなエピソードをのこしました。
 あれは厄落としです。新年度の野口君に幸いあれ!

 本日、『紫苑』第6号の三校が印刷屋さんから届きました。若干修正を要するところがありますが、刊行はもう間近です。
 例のごとく、校正が複数重なって、予定していた書評の執筆が停滞しています。

☆ 鹿児島の尚古集成館で学芸員として御活躍の傍ら、女性の視点から幕末維新史を見直す研究を進めておられる寺尾美保先生より新刊の御高著『みんなの篤姫』(尚古集成館監修・南方新社)を御恵送いただきました。現在、大河ドラマで放送中の篤姫について、実証的成果をもとに、時代背景も含めて小学生にも分かりやすく述べた本です。子どもに表面的に迎合したようなものではなく、カラー写真が豊富な上、本の作りのセンスがよい。しかも、博物館学芸員の仕事や歴史学とは何であるかを子どもたちに啓蒙する上でも工夫された本だと感心いたしました。
 新年度には鹿児島県下の小中学校に寄贈されるとのこと。これは全国化してもよいと思われます。これは本当によい本です。とくに歴史系の博物館関係者や小中学校の先生には大いにお役に立ち、かつ仕事に意欲を持たせてくれることでしょう。
 ちなみに、定価は1500円+税。 

見学会報告

No.6160

 ◆昨日は宇治から奈良にかけての見学会を行いました。京都女子大学宗教・文化研究所2007年度共同研究「中世前期の宇治に関する総合的研究Ⅱ『「権門都市」宇治の成立』」第二回研究会、京都女子大学宗教・文化研究所ゼミナール2007年度例会「-宇治見学会-」、という触れ込みだったのですが、宇治から南へ足(クルマ)を伸ばして浄瑠璃寺・岩船寺・般若寺などを見学しました。
 摂関家の権門都市との再評価がなされつつある宇治のみならず、京都と南都を繋ぐ地域を北から順に辿ったわけですが、このエリアは中世においては「首都圏」という見方もできると思われ、そういった視点から多面的な考察が必要かと思われます。今回は幸いにして概ね天候にも恵まれましたので、これらの地域を見学して回る絶好の機会となりました。
 さて、浄瑠璃寺ではご住職の法話を拝聴しながら九体阿弥陀如来像や西方浄土を模した境内の様子を見学しました。
 続いて見学した岩船寺では、本尊・阿弥陀如来座像に圧倒されました。また境内後山からの眺めはまさに絶景で、木津川水系や生駒山系などを見渡すことができました(あと、いかにも崩れ落ちそうな柵に足や腰を掛けてはいけないということも間近で学ぶことができました)。
 般若寺は「コスモス寺」とも呼ばれるお寺ですが、いまはちょうど水仙が見頃で、境内至る所に咲き満ちていました。往事を偲ばせる十三重塔や、本尊・文殊菩薩騎獅子像など、どれも印象的なものばかりでした。お向かいの植村牧場さんのソフトクリームも濃厚でまろやかな絶品でした(牛乳も)。
 その後、東大寺南大門前から旧大乗院庭園、などを通過して帰路に就きました。
 今回の見学では、京都から南都に至るまでの地域の豊かな文化環境と、それを可能たらしめた政治的・社会的諸要因などについて思いを巡らすきっかけを得ることができたように思います。この地域については、今後も積極的に見学会を開催するなどして、理解を深めることができればと思います。
 最後になりましたが、ご参加いただきました皆さんには、あらためて御礼申し上げます。

 ◆本日は、>>No.6128で元木先生よりご案内頂きました日本古文書学会の見学会へお邪魔して参りました。
 亀岡市文化資料館に寄託されている篠村八幡の足利高氏願文のほか数点の文書を閲覧させてていただき、さらに上島有先生のご解説を拝聴することができました。文書を前にしてみなさんのお話を伺い、また文書を眺めることを繰り返すうちにあっという間に時間が過ぎましたが、大変貴重な機会となりました。
 今回も見学会のご案内をしていただき、当日も様々なお世話をして頂きました元木先生と研究室のみなさんに御礼申し上げます。