後白河院と伏見、もしくは建礼門院

No.6125

 宇治共同研究とも関連して、先日美川圭先生より拝受した御高論「院政と伏見(伏見稲荷大社『朱』第51号)は注目すべき論文です。浄妙寺領との境界紛争とその背後にある政治状況の問題など、共同研究員にとっては必読。
 美川先生は「伏見の新邸(伏見殿)、伏見荘(御領)は、京都の法住寺殿と同様に、平清盛と提携して出発した後白河院政にとっての拠点となるはずであった」と説かれます。

 その、後白河院の大原御幸の物語における建礼門院像の多様さを論じられたのが、佐伯真一先生の「万華鏡の中の建礼門院」(『銕仙』565)。要を得た名文で、僭越な物言いで恐縮ですが、流石は国文学者だと思いました。内容も面白く、まさに短編のお手本。国文学専攻のゼミメンバーは必読のこと。
 佐伯先生、御恵送ありがとうございました。

 ☆ お知らせが遅くなってしまいましたが、29日に宇治共同研究の共同研究員のお一人である樋口健太郎さんが大阪歴史学会の中世史部会で報告をされます。
 当ゼミメンバーの多くは『吾妻鏡』講読会終了後、梅田に直行とのこと。
 詳しくは以下のとおり。

   2月29日(金)18:30~
  報告者:樋口健太郎氏
     「中世摂関家の成立と王家」
  場所:梅田東学習ルーム A会議室
    (阪急梅田駅茶屋町口の東、ヤンマーディーゼル側交差点東入る)
     大阪歴史学会HP→http://wwwsoc.nii.ac.jp/historia/