立冬というのに、とても忙しい。

No.5995

 このところ、毎朝、大学に出て来ると思いもよらない用件が待ち受けています。
 そのような次第で、せっかく研究室を訪ねてくれた方、お電話を下さった方たちに対して、礼を失することが多く、恐縮の極みです。
 こちらから、御迷惑を顧みずに、いきなり電話で問い合わせという局面もありました。

 >江波さん  お話をきちんと聞くことが出来ず、こちらとしても残念でしたが、山岡さんの情報提供は最善だったと思います。

 >野口君  喧噪の最中にて、ゆっくりお相手が出来ず申し訳ありませんでした。結局、狩野永徳展は御覧になれましたか?
 それから、いつもながら名古屋のお土産をありがとうございました。味噌サブレーは京大『吾妻鏡』研究会の方たちにも賞味していただきました。

 >永井先生  再度の電話、御迷惑をおかけいたしました。御陰様で完全な形で書類を提出することが出来ました。御礼申し上げます。

 このところの忙しさの原因(私に限ってのことかも知れませんが)は、明らかに、やたらと形式的に詳細な情報を要求するようになった書類の作成と、その方法の電子化にあります。この種の作業は、芯から疲れます。

 昨日、元木先生主催の『吾妻鏡』研究会に参加させていただいて、文治元年十月の勝長寿院供養の政治史的意義について大いに考えさせられるものがありました。若い頃なら、即、論文執筆だったのですが。どなたか取り組んでみませんか?

 ○ 教学課からの問い合わせもありましたので、キャンパスプラザ開講科目の博物館見学について再掲いたします。

 大学コンソーシアム京都(キャンパスプラザ)で、私が担当している講座では、開講期間に一回、京都文化博物館で見学会を開いております。
 本年度は下記の要領で実施することになりましたので、お知らせいたします。
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 特別講座科目Ⅰ「平安~鎌倉時代の京都」の博物館見学について
 
 見学先:京都文化博物館(地下鉄烏丸御池駅下車徒歩3分)
 日時:11月13日(火)11:00~12:30
 集合場所:同館2F歴史展示室(入館料を払って直接展示室にて)

 ※ とくに、『平治物語絵巻』の大路首渡しの場面をもとに作成された「武者行列」、法住寺殿跡出土鍬形の復元品、関西電力京都支店敷地(七条町跡)出土の埋納銭については、詳しく解説する予定です。
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 今朝、家の近所、住宅街の狭い路上で、青い小型乗用車が仰向けになっているという場違いな光景を目にしました。もちろん、すでに警察の車は到着していましたが、何しろ危険の多い世の中、至る所で細心の注意が肝要のようです。

気分は俊寛

元木泰雄
No.5996

 野口先生、『吾妻鏡』研究会をはじめ、種々の研究会に際し、研究室をご提供頂き、まことに有難うございます。厚く御礼を申し上げます。
 先日の『吾妻鏡』研究会も、身近のご指導を賜り、参加者一同、大変勉強をさせていただきました。

 研究室にお邪魔しているのは、ほかでもない当方の研究室が耐震補修のために、しばらく閉鎖されたためです。予定では11月末に終了、12月はじめに移転、正月は新研究室で・・・・ということになっていたのですが、今日の教授会の報告を聞いて愕然。工事の終了は早くて12月末、移転は早くても1月18日以降とのこと。今年一杯は研究室なしという状態と判明致しました。
 研究会、院生諸君との面談、自身の研究、授業準備、書物の保管、あらゆることに重大な齟齬をきたし、院生・学生諸君に多大の不便と迷惑をかけているのですが、それが実に半年に及ぶとは、あきれてものが言えません。

 赦免の舟は去り、絶海の近衛寮生活はいつ果てるともなく・・・
 成親の研究はしていますが、俊寛の配流生活を実体験させられるとは、思いもよりませんでした。
 ともに同じ運命を慨嘆する東洋史や西洋史の先生を除くと、近衛寮の友達は古ぼけた畳を住処とする家ダニ、何やらわからん虫(?)たちのみ。そういえば最近は、体のあちこちが痒くてたまりません。

 業者の工事遅延は最初から噂されたこと、最近になって深夜の工事も始めたようですが、遅延は想定内だったのではないかと疑われます。安ければ、ずさんな工事でも良いという姿勢は、最低のお役所主義ではないでしょうか。かの悪名高い印刷業者に競争入札で契約し、執筆委員をとんでもない目にあわせるどこかの自治体史と一緒ではありませんか。
 独立法人化したのは名ばかり、かえって文科省の統制が強化され、学内のすべてが悪化したのは誰しも感じるところですが、今回の問題はその最たるものでしょう。
 
 当方のような、研究室を活用する教員は、当研究科でも例外的のいうです。したがって、その累が及ぶ院生・学生の数は知れているということなのでしょうか。
 しかし、こんな無法が許されるのでしょうか。このようなでたらめが横行する国立大学に未来はなさそうです。

 そんな折、とある書評のご依頼を賜りました。意義ある、大変影響力のあるお仕事ですので、是非お引き受けいたしたいと思います。研究会で、皆さんのご意見も伺いたいと思います。その節はよろしくお願い申し上げます。

 ついでで恐縮ですが、23日の和歌山県立博物館の見学会参加希望の方は、すでに口頭などで仰った方も、改めてメールか、葉書で御連絡ください。

当方にとっての「とある書評」。

No.6000

 元木先生の引き受けられた「とある書評」は、とても楽しみです。

 一方、当方にも「とある書評」の話題がございます。こちらは、じつに情けない話でありますが、この機に乗じて、書かせていただこうと思います。

 もう一年以上も締切を超過してしまった「とある書評」について、昨日、再度の督促をいただいてしまいました。汗顔の極みです。
 御依頼をいただいたとき、私にこの本の書評はとても無理だと思ったのですが、研究者としての名誉感情をくすぐられたこと、そして、とても内容の充実した論文集をじっくり拝読するよい機会だと欲を出してしまったのが失敗のもとでありました。
 とりかかってみると、予想通り、とても私の能力で対応できるものではなく、そのために、昨夏、ゼミの諸兄姉の御協力を得て、二日がかりの書評会を開いていただいたりしたのですが、その後、諸事に追われるうちにモチベーションは下がるばかり。これではいけないと、気を取り直して立ち向かっても、自らの器量のほどを自覚させられて撤退、というような仕儀を繰り返すうちに今に至ってしまいました。

 書けない理由は、自らに課した目標設定が高すぎることだと思いますので、このさい、見栄をはらず、肩から力を抜いて、自分の専攻領域以外にまで口を挟むことは勘弁していただくような形で、一から書き直すことに致しました。
 著者にたいしての失礼は勿論、ステイタスの高い学術雑誌に、「よくもまあ、こんな原稿を」、というようなことになりかねないとは思うのですが、何しろ形を示さなければ申し訳が立たないと考える次第です。
 そういうわけで、書評会に参加して下さった諸君には、せっかくの御教示を反映させることが出来ないこととなり、お詫びを申し上げます。
 かかる次第で、なんとか、早々のうちに執筆を終えたいと存じますので、編集委員の先生方には今しばらくの御猶予をお願い申し上げる次第です。

 ちなみに、「書評」については、もう一件、これまた締切を一年以上過ぎている依頼原稿がございますが、こちらも上記に引き続いて、同様に努力したいと思います。

 書評といえば、こんな話もございました。同じように、ある学会誌から依頼された書評なのですが、これはいささか締切を遅れたものの、今年の三月に速達で送付。しかし、受領の連絡がありません。そこで、八月にいたって、葉書で問い合わせたのですが、未だに返信なし。
 この本の著者や献本先には申し訳ないような気分でおります。
 このようなケースもあるわけです。

 ※ 書き込みの記念すべき6000件目が、こんな話で申し訳ありません。