「藤原成親」-『台記』研究会の奇跡-

No.5968

 科研の申請書がなかなか「書けん」ので、昨日の研究会の御報告などをさせていただこうかと思います。

 一番の驚きは、急病で出席が叶わなくなった報告者(この場を借りてお見舞い申し上げます)にかわって、その日のうちに、仕事をこなしながらレジュメを作成され、しかも本邦初公開(オリジナル)の御報告をされた元木先生の神業。
 テーマは「藤原成親」。従来不評であったこの人物に対する評価が大きく変更を余儀なくされることは必定のようです。
 東国武士団研究における新たな視角の御提示もあって、いつものように、お話しの内容にはすっかり感服させられましたが、手書きのレジュメもとっても良かったと思います。

 本当に、昨今のパソコンで入力された文面は面白くない。これに対して、手書きの手紙や原稿からは、書いた人の人柄がじかに伝わったきます。
 パソコンは現代の情報交換の主役のようにもてはやされていますが、実は人間社会にとって一番重要な情報を抹殺する恐るべき機械でもあるのだと思うわけです。

 ところで、昨日の研究会には御上洛(在京活動)中の近藤好和先生も御出席下さいました。おかげて研究会はさらに盛り上がったという次第です。
 近藤先生には来年度の研究所公開講座に御出講(貴族などの装束のお話)いただく予定ですが、早くも講座後の懇親会会場とお料理のご注文まで頂いたようです。
 「終身幹事」の山岡さん、くれぐれも宜しくお願いいたします。

 秋田大の志立先生から、次回「中世戦記研究会」で『曽我物語』巻八の輪読担当の御依頼をいただきました。この巻は鎌倉幕府に結集した各地の武士たちの名前がズラリと登場いたしますので、これは是非お引き受けしたいところですが、入試時期に重なるのと、体調が問題です。
 体調は如何ともしがたいことなのですが、なんとか日程調整をさせていただければと考えております。

 さてさて、それでは「書けん科研」にもどりたいと思います。

博物館の季節。

No.5969

 科研の書類、本日提出いたしました。
 次は懸案の書評に取りかかりたいところなのですが・・・。

 ☆ 本日、安土城考古博物館の山下立先生より、秋季特別展『戦国・安土桃山の造像Ⅱ-神像彫刻編-』の図録ならびに招待券を御恵送いただきました。
 この特別展の開催期間は  平成19年10月13日(土)~11月18日(日)
 詳しくは→ http://www.azuchi-museum.or.jp/ 
 いつも掛け声ばかりですが、日帰りで簡単に行けるところですから、是非出かけてみたいものです。
 山下先生に、あつく御礼を申し上げます。

 本日の京都は雨模様。東山の研究室には、遠くの雷の音が聞こえてきます。
 京都国立博物館の狩野永徳展は連日超満員の由ですが、今日はどんなものでしょうか?
 いただいた招待券があるので、見学に行きたいとは思っているのですが・・・。
 そういえば、愛知の野口君が見学に来られる由。日が決まったら御連絡下さい。

恐るべし、ATOK!(←永徳)

雨野 弥生
No.5973

野口先生、ご無沙汰しております。

脅迫、ではなくて京博で開催中の、「狩野永徳展」。
今日は、雨なので少しすいているかと向かったのですが、
やはり超満員で一時間待ちでした。
お目当てだった土曜講座(午後13:30~)も、超人気
で午前中に整理券配布を締め切ったとか。

整理員の方いわく、朝一番でも300人ほど並ぶことが
あるそうで、強いていうなら、平日夕方、閉館直前がすく
ので4時ごろ来館がオススメです、とのことでした。

外がこれなら、中は展示物をじっくり見られる状況ではない
なとあきらめて、今日は常設展だけ見て参りました。

おそるべし、狩野ATOK(えいとっく)!!

なお、私も七条大橋上で、東山にかかる大きな虹を見ました。
きっと、先生が御覧になったのと同じ虹ですね。鮮やかでした。

観光シーズンに京大と京女は縁遠くなる?

No.5974

 京博、午後一時過ぎに車で前を通りましたが、大混雑の様子でした。狩野永徳の展覧会が始まるまでは、駐車場も空いていたようでしたが。
 雨野さんのように、私も特別展を見に行ったのに、行列に驚いて常設展で済ませてくることがあります。ただ、京博は所蔵品にとんでもない優品が多いので、かえって常設展の方が良かったなどということもありました。

 しかし、これから京都は本格的な観光シーズンで、また東大路が混雑する。そうすると、京女と京大の時間距離は二倍に拡大してしまうのです。
 自転車利用の皆さんも気をつけましょう。

狩野永徳展に行くのは可能?

No.5977

こんにちは。ご無沙汰しております。愛知の野口です。
永徳展想像以上の人手のようですね。先週の日曜美術館で特集された影響もあるのでしょうか?専門美術雑誌等にも大々的に紹介されていましたので、それも仕方ないですかね…。
永徳展には是非行きたいのですが、仕事の事もありなかなか時間がとれません。ただ再来週水曜日に休みが取れそうなので、友達とも相談してその辺りに上洛しようかと考えております。もしそのおりにでも、皆さんにお会い出来れば幸いです。

秋晴れの京都は心地好さそうですね。愛知にいながら心はいつも京都にある野口です。

可能ATOK!

No.5978

 野口君も教壇でそんな「オヤジ・ギャグ」を連発するようなお立場になったわけですね。
 再来週の水曜日というのは11月14日でしょうか。

 それにしても、「愛知にいながら心はいつも京都にある」とは、織田信長のごとし。
 まずは、岐阜と安土に築城ですね。その前に小牧山にも。
 御上洛をお待ちしています。

綱渡りの毎日

元木泰雄
No.5979

 先日の『台記』研究会では、お耳汚しの雑駁な内容で、まことに失礼致しました。
 報告者がやむをえない事情で報告できないので、中止とも思ったのですが、折角野口先生に研究室をご提供頂き、近藤先生もお越しになるので、穴を開けるわけにも行かず、大慌てで、まだ煮詰まってもいない話をさせていただきました。
 何せ、報告困難との連絡を受けたのが、龍谷大学での2時限目の授業の直前。幸か不幸か、その日は後半30分が小テストの日だったので、余った答案の裏に思いつくまま論点を書き並べ、授業終了後、大急ぎでタクシーで京大に戻り、3時限目までのあいだ20分で、レジュメ1枚を殴り書き。3時限目の古文書学。学生が読んでいる20分ほどの間に、2枚目を走り書き。2時半に授業が終わり、3時15分までの間に、成親の経歴表と、最後のレジュメを書きなぐり、タクシーに飛び乗った次第です。
 開会を30分遅らせていただき、ご迷惑をおかけしました。
 山岡さんにはおにぎりと、お茶を準備していただき助かりました。
 手書きのレジュメには味わいがあるのかどうかは知りませんが、焦慮、苛立ちなど、生身の人間の姿がが文字に出たのは間違えありません。あれだけの文字をパソコンなしで書いたのは、何年振りでしょうか。汚い字で恥を残し、まことにお恥ずかしい限りです(笑)。
 でも、少しは目新いお話もできて、やれやれと思います。
 野口先生には、過分のご褒詞を賜り、恐縮至極に存じます。面映いやら、恥ずかしいやら・・・
 ともかく、研究者たるもの、常に様々な状況に備え、新しい研究テーマを意識しておかなければならないと、改めて認識いたしました。

 28日、ご案内した上島先生のご講演と、東寺文書の見学会。好天にも恵まれ、34名の参加を得て盛会裏に修了致しました。
 ご参加いただいた方々、そして受付、集金にご協力いただいた山岡さん、滑川さん、有難うございました。
 墨の色、折り目などからわかる文書の文字以外の様々な情報、花押の勢いなど実物の文書ならではの迫力を認識させられました。
 この見学会も、日程的なこともあり、案内の発送や、見学会のプランが不確定なことなど、まさに綱渡りでした・・・無事に終了して、本当にやれやれでした。
 終わった後のビールのうまさ!
 11月23日の和歌山県立博物館の見学会、こちらも多数のご参加をお待ちしています。
 
 そして、9月末の締め切り直前に諸般の事情で投げ出された某市史の原稿40枚、一ヶ月延ばしてもらって仕事の合間に片付けました。これまた綱渡り。
 授業、原稿、研究会、そして酒。
 何とも忙しい、ハラハラどきどきの、本当に刺激的で退屈しない毎日です。
 
 

うらやましい「ビールのうまさ!」

No.5982

 昔の映画に、私の好きなジャック・レモン主演の「酒とバラの日々」というのがあるのを思い出してしまいました。

 元木先生のタフさには、いつも感心させられます。隙間のような時間を有効に活用されるのも、新しい御研究に率先して取り組まんとする意欲をもたれるのも、天賦の才と御健康の然らしむるところだと思います。
 それにひきかえ、「薬と節制の日々」を余儀なくされている私など、モチベーションが萎えてしまって、甚だ宜しからざる有様。近いうちに再起を果たしたいと念じているのですが・・・。

 >広島の尻池さん  三原のお菓子「手焼 三万石名城焼」、美味しくいただきました。ありがとうございました。