土佐日記と紫式部日記

No.5903

 土佐日記、面白く読ませていただきました。
特に一条氏のこと。いずれ戦国期の下向公家のことを考えてみたいと思っていますので、勉強になりました。高知には、私も何年か前に、鎌倉仏教研究会で初めて行きましたが、山中で台風と遭遇、大変スリル万点の旅となり、その印象ばかりが強くて、見学したものをあまり覚えていない有様で、またじっくり廻りたいと思っております。

 以下、紫式部とあまり関係ないのですが、私のゼミの女性4人に、家司のごとく私と野口君がお供して、石山参詣を果たしました。 

 初日は、四条河原町に出て、建仁寺から六道珍皇寺を経て、清水坂に入り(そこで四葉のタクシーを発見)、清水寺まで行かず、途中で北へ降り(いのだの支店で休憩)、八坂の塔に寄りました。たまたまなのか、塔の中が見れるということで(二層までですが)、久しぶりに五重塔の中を登り、心柱の構造など直に見ることができました。
 そこから六波羅蜜寺に行き、清盛公にごあいさつ(女性陣は、どちらかというと、髪の毛をつかんだ地蔵様の方に驚いていました)、宮川筋を北上、花見小路を通って、団栗橋を渡り、「フランソワ」で休憩(夕食前ですが、チーズケーキが美味しいと召されてました)、高島屋で買い物して、京阪で西院に行き、そこからタクシーで仁和寺に辿り着きました。
 2日は、天候が心配されましたが(明け方、雷と激しい雨)、幸い持ちそうでしたので、当初の予定通り、京都駅から石山寺へ。恥ずかしながら、小生は行ったことがなく、前々から行きたいと思っていたのですが、今回やっと果たせました。
 JR石山駅を降りると、とにかく涼しく助かりました。
 石山寺は、長谷寺のように急斜面なところかと思っていましたが、石段も多くなく、これなら女房衆でも大丈夫と納得。本堂の「源氏の間」のレプリカは、式部が暇な時、受付のアルバイトをしているかの印象で、ほほえましいですね。
 山上の「豊浄殿」で紫式部展をやっていました。あまり期待せず入ったのですが、さすが石山寺、直接式部に関係するものばかりではないものの、いいものが並んでいました(拝観料200円です)。古い式部像は、暗い色調のうえに剥落があることもあって、原稿に行き詰って煩悶している女流作家の鬼気のようなものが感じられ、面白かったです。
 見終わって出てくると、20人くらいの学生(ほとんど女子学生)を連れた同業者の方とすれ違い、明後日の自分の姿を想像し、おかしいやら、一方でやれやれご苦労様という思いにかられました。今年は4年生が20人と多いので、4日より、院生とは別に仁和寺に卒論の合宿に参ります。初日と最終日の見学、どこに連れて行こうか、思い悩みます。
 昼過ぎ、浜大津で昼食、その後、久しぶりに三井寺を訪ね、その広大さを実感しました。しかし、観音堂からの琵琶湖の眺めが、高層マンションに遮られており、残念ですね。
 今年も野口君の名ガイドもあって、充実した合宿でした(まだ半分だけですが)。
 

「飲む」と言えばお茶

No.5904

 松薗先生、お久しぶりです。先日の公開講座ではお世話になりました。まだまだ(本日は特に)暑い京都へようこそおいでになりました。松薗先生と野口くんが「家司」役とは、なんとも贅沢なご参詣だったのですね。
 土曜日の東山周辺はかなりの人混みで、ご見学なさるのも一苦労ではなかったでしょうか。イノダやフランソワにお立ち寄りでいらっしゃったことから察しますと、みなさんずいぶんお茶好きのようですね。宇治にも良いお店がありますから、宇治市内をご見学の折には、どうぞいちどご利用下さい。

 こちらのゼミでは、明日・明後日と長村くんの主催による勉強会(「日蓮遺文紙背文書」)ですから、参加者(私も含めて)はその準備のため自宅や図書館に「参籠中」かと思います。先生のゼミのみなさんも準備に大わらわでしょうか。みなさん実りある合宿となりますように。

 
 

中山法華経寺所蔵日蓮遺文紙背文書

No.5905

 松薗先生、京都は猛暑のままですから、史跡見学にさいしては、ときどきの御休息、最善のことと存じます。野口君が御活躍とのこと、嬉しい限りです。

 こちらは京都にいながら、京都を歩かず、引き籠もりの毎日です。しかし、本日開始の史料講読会は、たいへん充実した内容で、当たり前のことのようですが、みんなで史料に取り組むと、得られるものは一人よりも遥かに大きいことを実感させられました。
 なお、鞆の浦(広島県)に旅行された辻君から、美味しいお土産を頂きました。ありがとうございました。
 ちょうど、辻君がお見えになる直前に、広島の尻池さんから近況報告のメールが届きました。壱岐で開かれたサマーセミナーで鹿児島の永山先生とお目にかかった由。列島規模で張りめくらされたネットワークは着々と拡大し、再生産されているようです。

 ☆ 本日、大阪工大の大村拓生先生より御高論「都市史における一四世紀の位置」(『日本史研究』540)・「中世前期の高野参詣と宿所」(『密教文化』218)・「書評 松薗斉著『王朝日記論』」(『史学雑誌』116-7)を御恵送いただきました。
 大村先生にあつく御礼を申し上げます。

 史料講読会、明日も楽しみましょう!

Re: 土佐日記と紫式部日記

No.5909

 夕方、京都からもどりました。20人を引き連れての合宿はさすがに大変でしたが、何とか楽しんでもらえたようです。男子9人・女子10人で、メンバーが多いと、ラグビー部の猛者から可憐なお嬢さんまで、キャラクターがいろいろで、最後の打ち上げも異常に盛り上がり(御室会館の他のお客様、すみません)、私自身も楽しみました。
 初日の午後の見学は、野口君に教わった嵐電の一日乗車券を買い(20枚購入したので、帷子ノ辻の駅員さんが苦労してました)、嵯峨野界隈を散策。
 今日の午前中は、青蓮院を訪ねました。なかなかすてきなお庭ですね。間一髪、女子高生(学生たちに言わせると、J・Kだそうですが。私が、J・Kって「授業来てない」の略じゃないの、といったら苦笑いしてました)の大集団とかち合わず、静かに楽しめました。
 お昼は、修学旅行生よろしく、新京極をうろついて、お昼を取り解散。私は一人「ラ・フォーレ」に立ち寄り、台風でとまりかけた新幹線(初めて700系に乗れました)で名古屋にもどりました。蒸し暑さと寝不足で(昨日2時ごろ寝て、今日朝6時の勤行に出たためです)、さすがにくたびれました。

松薗先生、お疲れ様でした。

No.5910

 松薗先生、無事にお帰りの由、祝着に存じます。
 それにしても、京都は連日の猛暑で、さぞかしお疲れのことと思います。
 たしかに、若い学生さんたちとのコミュニケーションは歳を重ねるにつれて難しくなりますね。自分の子どもの世代までは何とかなるのですが、それより下になると、時に「異星人との遭遇」の如きことになりかねません。もっとも、○○君のように、「若いのに何でこんなことを知っているんだ、本当は同世代なのではないのか」、と思わせるような人もおられないことはありませんが。

 当ゼミの史料講読会は、充実した都合10時間をもって終了。佐賀県小城町・小城町教育委員会による『肥前千葉氏シンポジウム 小京都小城のルーツをさぐる 肥前千葉氏と小京都小城-歴史資産を活かしたまちづくり- 講演録』(2003年)に掲載された1999年10月の小城町立歴史資料館開館記念講演会における故石井進先生の講演記録がたいへん役に立ちました。
 この講演記録は、『千葉県の歴史 資料編』収録の中山法華経寺所蔵日蓮遺文紙背文書の一部について、釈文の訂正が行われるなど、とても貴重な資料だと思います。

☆ 神奈川県立金沢文庫の永井晋先生より、埼玉県春日部市郷土資料館夏季展示「中世の武士~春日部氏と浜川戸遺跡~」図録と春日部氏教育委員会文化財保護課編『春日部市文化財マップ』を御恵送いただきました。
 永井先生にあつく御礼を申し上げます。