ニセ科学のみならず、ニセ歴史学も横行

No.5672

 本学、現代社会学部主催の公開講座にこのようなものがあります。時宜を得た企画だと思うので紹介いたします。
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  現代社会学部公開講座
   市民のための科学リテラシー入門―「ニセ科学」にだまされないために
講題 基調講演―21世紀はニセ科学の世紀?  講師 本学教授 小波 秀雄 氏
 講題 ニセ科学は如何に広まったのか  講師 同志社女子大学教授 左巻 健男 氏
 講題 「水商売ウォッチング」からの提言  講師 山形大学准教授 天羽 優子 氏
 講題 ニセ科学を見抜くには  講師 大阪大学教授 菊池  誠 氏
 質疑・応答
 日時 6月30日(土)13:00~13:30・13:30~14:10・14:10~14:50・15:30~16:30
 場所 J525教室

 近年著しく広がりつつある「ニセ科学」やオカルト的な言説について、その現状を分析し、一般市民がだまされないための科学リテラシーのあり方を問いかけます。

 お問い合わせは e-mail: kyogaku@kyoto-wu.ac.jpまでお願いします。
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 さまざまな情報が氾濫する中で、「ニセ」は自然科学のみならず、歴史学にも横行しているようです。
 歴史教育ないしは市民の歴史認識という観点から、これはとても深刻な問題だと思っています。
 そのうち、どこかで議論しましょう。 

 ☆ 今度の女性史総合研究会例会は、女性史に興味があったり、その関連のテーマで卒論をまとめようとする人には、時代・ジャンルを問わず、貴重な機会だと思いますので、開催案内を再掲します。
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  ◆ 女性史総合研究会5月(第135回)例会の予定 ◆

    ジェンダー史学会と共催で公開シンポジウムを行います。
       ~ 「女性」史におけるジェンダー ~
  
     日  時: 5月12日(土) 13:30~17:00
      場 所: 京都橘大学 清和館 3階 131教室

     報告者: 荻野美穂氏 「<ジェンダー>概念の目指したもの 」
           曽根ひろみ氏「 日本近世刑事法制のなかの「女」」
     コメント: 服藤早苗氏 「日本古代中世におけるジェンダー分析と課題」
     参加費: 500円
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>永富さん  岩田君は働きながら論文のことを考えていたのかも知れません。
 GWの後、私の依頼に応え、約束を守って論文を提出してくれたのは岩田君だけでしたから。
 でも、今度は手を振るだけでなく、押しかけた方がよいと思います(笑)。
 ちなみに、スタバでのバイトは学生の間では花形のようですね?

 >佐伯君  「先生」の呼称については、某先生の説かれる「職業身分」と「社会身分」の話を思い起こしてしまいます。
 佐伯君は明らかに「先生」ですし、このところ、ゼミメンバー古参組は、研究者としても社会人としても一定のステイタスを獲得しておられるので、気安く「君」とは呼びづらくなっていることは確かです。
 しかし、まぁ、この場ではご勘弁いただくことにいたしましょうか。でも、時にいやみで書くことがあるかもしれません(笑)。

 >雨野さん  渋谷越えは、てっきり参加されていたのかと思っていました。むしろ主催者だったのでは?
 某県・某市での教育実習。「野口の再来」などということになると、某県の教育委員会から教員免許をいただけなくなるかもしれませんよ(笑)。

諸事お返事

岩田慎平
No.5673

>永富さん 先日はバイト先のお近くまでお出でいただきましてありがとうございます。おかげさまで連休中はよく繁盛いたしました。勉強の合間のバイトはなかなか良い気分転換になるのですが、先日はさすがにレジ係をしながら、ドリンクを作りながら、〆切のことが気になって仕方ありませんでした(結局、遅れちゃったんですけどね)。

>佐伯さん 来週の件、了解致しました。毎度お世話になります。

アリとキリギリス

No.5675

 本日開催された女性史総合研究会とジェンダー史学会の共催シンポジウムは、盛況かつ充実した内容だったようで、参加した某女子大の学生さんが、会場に普段愛読している本の著者を見つけたり、講演内容に感動して、大いに研究意欲を触発された、という、聞いているだけで嬉しくなってしまうような場面があったとのことです。
 このような機会(チャンス)にどれだけ出会えるかどうかが、人の一生を左右するのでしょう。結局、自分で出て行くかどうかの問題。積極的な人生は、リスクも多いけれど、それなりの果実を得ることが出来るのだと思います。

 良い季節になりました。アウトドアで楽しく過ごそうという方も多かろうと思います。しかし、せまい日本のことゆえ、周囲への気配りが大切です。
 一部の人たちの笑い声の周囲に鬱積する怒りが、世の中を暗くさせているように思えるのです。

 GW中に書いていただいた論文など、すでに査読に回されていると思います。せめて学問の世界においては、アリさんが報われてほしいものだと願っています。

Re: ニセ科学のみならず、ニセ歴史学も横行

No.5684

ニセ歴史学ですか。興味深いですね。博物館にいると、史料というものは選別されて残されたものだということがよくわかります。19世紀に誕生した実証主義史学はまだこの事について意識が及んでいないので、現在残されている史料が伝えている基本事項は共通認識として確認してよいものの(つまり、5W1Hの部分)、それをどのように解釈するかという問題は21世紀の大きな課題でしょう。私の世代は「歴史にifはない」と教わってきましたが、現在は残された情報からシミュレーションして状況を分析する事が可能です。問題はそのシミュレーションを構築するための枠組みと情報なのですが、この部分はブラック・ボックスが相当にあります。変数を少々いじるだけで全く違う結果がでるので、動かない史実、情報の欠落部分を理論で補強して枠組みを組み立てている仮説、情報自体に大きな操作のあるニセ科学、この区別の仕方は興味深いですね。特に、純文献に近い人は科学的データによって構築された仮説の真偽を判定する訓練が少ないですから。