07年度、ゼミの活動開始に当たって

No.5594

 昨日は、本年度最初のビッグイベントである書評会が多くの参加者(19名)を得て開催されました。対象とした『源義経』『院政』の著者である元木泰雄先生・美川圭先生をはじめ、同志社女子大学に移られたばかりの山田邦和先生、また東国から近藤好和先生、さらにNHK出版の石浜さんなど、常々当ゼミを支援してくださっている方々にお集まりいただいて、例の如く「感涙眼を遮る」ばかりでした。

 『院政』の書評をお引き受けいただいた樋口健太郎さん、また急に司会をお願いした佐伯君、懇親会を取り仕切ってくれた山岡さんにお礼を申し上げます。
 ちなみに、この四月より佐伯君は神戸夙川大学の非常勤講師に就任され、山岡さんは京都大学大学院に進学されました。ともに御活躍を期待しています。

 今年度の当ゼミは、すでに研究者として自立ないしは自立の道を歩み始めたメンバーに共同研究員として加わっていただいた「宇治」をテーマとする研究所共同研究。岩田君をリーダーとする『吾妻鏡』プロジェクトなど、いよいよ本格的な研究組織としての機能が期待される段階に到達したと思われます。6月第四週には松薗斉先生・中澤克昭先生をお招きしての公開講座、また、夏休みには長村君の御提案によって中山法華経寺所蔵日蓮遺文紙背文書の講読会が計画されていて、これも楽しみです。
 ほかに調査旅行の企画など、どしどし御提案下さい。

 院生や教育職に就かれたメンバーには、後継者育成の意味も込めて学部生あるいは大学院進学希望者に対する御指導も宜しくお願いいたします。昨年度は岩田君を中心とした『吾妻鏡』講読会と佐伯君による古文書講読会が好評でした。本年も宜しくお願い致したいところです。
 
 さて、さっそく明日から週に一度のペースで『吾妻鏡』講読会が開催されます。講読範囲は下に岩田君が書き込んでくれたとおり。初めての方の参加も大歓迎です。ちなみに、明日から、本学大学院家政学研究科院生と国文三回生の二人の方が新たに参加されます。
 なにしろ、月曜日は午後中(20時30分まで)、ゼミの時間として確保してありますから、『吾妻鏡』の後に例会という設定も可能です。研究報告の希望があればどしどし申し出てください。また、ゼミメンバーの顔合わせの機会に御活用下さい。

 それから、申し遅れましたが『紫苑』第5号が刊行されました。書評会にお出で頂いた方にはお渡ししましたが、それ以外のメンバー、ならびに関係者の方は、出来るだけ研究室でお受け取り下さい。遠方の方には逐次郵送いたします。急いで欲しいという方は山岡さんまで御連絡下さい。
 なお、鈴木君(先生)の手によって、HP上にも、近々アップされることと思います。

 ところで、昨日は宇治木幡西浦遺跡の現地説明会があったのですが、私は書評会準備のために断念。山田先生と岩田君は見学を済ませてから、京女にお出でになられました。この遺跡によって宇治の都市形成の前提としての木幡が注目されることになったわけですが、実はそのことについて触れた先駆的研究が『紫苑』第5号の巻頭論文、岩田慎平「宇治における都市形成の契機について-道長期を素材に」なのです。岩田君は宇治研究の第一線に躍り出られたわけです。
 なお、この『紫苑』には長村祥知君の「『明月記』の宇治関係史料―鎌倉前期における」と、このたび京女から広島大学大学院に進学された尻池由佳さんの「「権門都市」宇治の形成-摂関家別業を中心に-」という研究ノートも掲載されています。

 ☆ 野口華世さんから御高論「『御料地史稿』と王家領研究-女院領の研究史理解のために-」(『歴史学研究』819)を御恵送いただきました。
 野口さんに、あつくお礼申し上げます。

Re: 07年度、ゼミの活動開始に当たって

元木泰雄
No.5595

野口先生、昨日は拙著も対象とした書評会を御開催くださり、誠にありがとうございました。
 また、拙著に対し、詳細な御批評と多大のご教示を賜るとともに、最大級の賛辞頂いたことに心より御礼を申し上げます。
 ご参加頂き、有益なご意見を賜った各位に心より御礼を申し上げます。
 最近は、とある原稿の関係で、源氏は源氏でも野口先生のお嫌いな光源氏のことばかり考えておりましたので、執筆時の記憶が曖昧になり、十分にお答えできなかったところもあったと思います。御容赦ください。
 範頼率いる東国武士の平氏追討の評価、義経追討から奥州合戦に至る幕府の動向など、早速に考えてみたいと思います。それに、たしかに東国武士を目の敵にしすぎかな、と自分でも少々反省しております(笑)。
 野口先生のご指摘のように、「東国武士」の性格も多様であり、より柔軟に検討してまいりたいと思います。
 鎌倉時代の研究に関しては『トラウマ』があったのですが、今回の義経で、少し解消できたかな、という気分です。ともかく、義経論を基盤として、恐れ臆することなく(笑)頼朝や幕府をはじめとする、鎌倉時代の諸問題に取り組みたいと存じます。
 今後ともご教示の程、お願い申し上げます。

 美川、近藤、山田先生、そして石浜さん、二次会にまでお付き合い頂き有難うございました。一次会で、近藤先生のハイペース、ハイテンションに引っ張られて食べすぎ、飲みすぎてしまいました。
 メニューの一段全部注文というのは、やはり考え物ですな。一品一品吟味して注文しなくては料理が楽しめません。座るところを間違えた(笑)
 山岡さん、幹事役ご苦労様。料理は工夫された美味しいものでしたが、上のような理由で記憶が定かでありません。それに、サントリービールはどうも・・・
 そんなこんなで、二次会の早い段階から黄色信号がともり、三次会を断念したにもかかわらず、今朝はかなり二日酔でした(苦笑)。
 あのあと、井上さんらとの三次会は如何でしたか、近藤先生?
 

Re: 07年度、ゼミの活動開始に当たって

No.5596

 今日は、夙川で、大学の同級生の善男善女4人、花見をしてきました。
数日前から、メーリングリスト上で、連歌を試みておりまして、花見で3句詠み、
18句で完結となりました。なんてことで、今日も飲み過ぎ。

 といって、つまらない私事はともかく。

 昨日の書評会、会を設定していただいた野口先生、ならびに拙著の書評をしていただいた樋口健太郎さん、たいへん感謝しております。当方、なんだかぼけが進んでいるのか、樋口さんのレジュメを見ながら、こんなにいろいろ書いたっけ、と驚いてしまいました。質疑のさいの私の応答もしどろもどろ、どころか、停滞しばしばで、たいへん失礼をしました。少し遊びすぎのようです。

 一次会で、馬鹿話をしていた年寄り(失礼、全員ではありません、相対的に)テーブルではなく、若者のまじめなテーブルでの議論から、拙著と私の頼りない応答をめぐって「まだまだやるべき課題がたくさんあることがわかった」という発言が耳にとびこんできて、とてもうれしかったです。そうそう、まだまだわからないことだらけです。私はもう解明できそうもないことが多いので、がんばってください(これはけっして皮肉ではありません)。

Re: 07年度、ゼミの活動開始に当たって

No.5599

 一次会で馬鹿話をしていた年寄りの中心的存在、近藤です。

 書評会に関しては、ただ一言、はじめて参加しましたが、野口ゼミは凄さを感じました。優秀な人材が育つのも当然ですね。野口先生の指導力には敬服するばかりです。山田先生にもお会いすることができたし、石浜さんにも久しぶりにお会いできて良かったです。また、伊藤さんとも話せましたね。そして、山岡さん、一次会は良かったですよ。元木先生はご不満もあったようですが、私は大満足です。料理はみな美味くて、特に最後のカレー南蛮豆腐は絶品でした。幹事、お疲れ様。二次会では、山田先生、石浜さんと楽しくお話しできたことが良かったです。あっ、それから宿を取ってくれた佐伯君にも感謝です。

 では、馬鹿話の続きの3次会報告を。

 三次会は、井上さんの発案(思いつき?)で、深夜の円山公園で花見をしました。ミルクホールのママ・チーママ、その時にいた常連のお客さん3人、そして井上さんと私です。有名な枝垂れ桜を始めてみました。ライトアップされていて幻想的でした。カップルで見たかったなあ~。

 深夜2時なのに、翌日の場所取りの人や、若者グループやカップルなど、かなりの人出でした。屋台もいくつかはやっていて、驚いたのはイタリアンの屋台があって、パスタ・ピザ・ソーセージ・ワインなどを売っていました。イタリア人親子がやっていて、その親父が物凄く陽気で、店の前には若者が集まっていました。

 我々は、その屋台の裏にたまたまあったテーブルとイスに座って、そのイタリアンのセット、たこ焼き、コンビニから買ってきたビールなどで花見です。ただし、午後9時以降は食事を摂らないようにしている私は何も口にしませんでした。他の人は楽しんでいるのに、私は寝不足になると月曜日のパワーの練習に影響するのではないかと、そればかりが気になって、楽しめませんでした。幸い、月曜日(つまり今日)の練習は調子が良く、寝不足の影響はありませんでした。人生楽しむときは楽しまなきゃいけませんね。

 ただ、さすがに深夜で寒いので、30分ほどで円山公園は出ました。その後、私はタクシーでホテルに帰りましたが、井上さんやママ達は、身体を暖めた帰るということで、また飲みに行ったようです。井上さんは翌日は福井で公演なのに、寝ないで行ったようです。さすがあ~。

 とまあ、非常に充実した1日でした。

 

Re: 07年度、ゼミの活動開始に当たって

元木泰雄
No.5601

近藤先生、三次会のレポート有難うございました。
 皆さん、50代なのに(近藤先生はともかく)!
 戦慄が走りました・・・
 実に、酒飲みの奥義は簡単に究め難し、と痛感いたしました。
 もうそろそろ酒は引退して、勉強に専念と思っておりましたが、改心してさらに飲み続けることに致します。
 しかし、食べる方は、さすがに量より質にしたいと思います。
 近藤先生のあの猛烈な食べっぷりを見ていると、『美味しい』という感じ方は、常人とは若干異なるのではないかと密かに推察いたしております。
 料理はそう悪くは無かったのですが、サントリービールはどうにも・・・
 瓶ビールはキリンだったようなので、よく確認すべきであったと反省しております。

 それはともかく、明日から授業。
 気合を入れて新年度に臨みたいと思います。
 3年に及ぶ全学委員を押し付けられたお蔭か、やめたあとも何となく全身に倦怠感が続き、仕事が思い通りに進まなかったのですが、ようやく体調も回復してきた感があります。
 頼朝論を仕上げるまで、生きていられそうです。

Re: 07年度、ゼミの活動開始に当たって

No.5602

皆様
先日はありがとうございました。新年度から、楽しいスタートになりました。
それにしても、近藤先生の食べっぷり、噂以上のものですね。感動いたしました。私はさすがに降参してしまい、(犬たちの散歩と御飯のこともあるので)2次会の途中で失礼しましたが、それでも夜中の12時だったと思います。そのあとがどうなっていたか危惧していましたが、円山公園で三次会!ですか。恐るべし恐るべし。

ウーロン茶派の弁明。

No.5610

 当日は拙い書評にて失礼いたしました。
 
 懇親会。消化器系に加えて泌尿器系までおかしくなっている私には、ビールの銘柄の好みなど思いもよらず、食の楽しみを満喫できる方々を「怨めしく」存じている次第です。せいぜい「裏の飯屋」でお茶漬けでも食べていれば私は幸せなのであります。

 それにしても、「馬鹿話をしていた年寄り」の中で私は最も年寄り。懇親会の後(もちろん一次会で失礼しました)京阪七条の駅に向かうときに目に入った鴨川の流れに、世の無常をひしひしと実感させられました。

 なお、「光源氏」ですが、坂東武士を礼賛していた少年の頃の私は、謂われもなく貴族なる者を毛嫌いしておりましたが、今日は改心(関東のある研究者によると「転向」)しておりまして、嫌い(というより苦手)なのは、あるジャンルに属す「光源氏が大好きな方たち」の一部(あくまでも一部ですので誤解なきように)というのが正確なところであります(笑)。

 藤原道長、それに、その妻の倫子などは大ファンといっても過言ではありません。目下、「源氏物語千年紀」とやらで、いろいろなイベントが企画されているようですが、この機会を逆手にとって、ステレオタイプの貴族イメージの再生産を阻止し、平安貴族の実像を明らかにし、道長らの存在を政治史の中に正当に位置付けて、一般市民に還元して下さることを、元木先生に期待したいと存じております。

 ちなみに、元木先生の頼朝論の書評が出来るように、私も長生きをしたいと思います。なお、「頼朝<挙兵>論」については、ミネルヴァの『北条時政』で触れたいと存じております。
 ただし、昨夏締切の書評も書けない有様ですので、いつになるか分かりませんが。