『武家の棟梁の条件』重版のお知らせ。

No.5447

 京都女子大学も入学試験が始まりました。入試業務はふだんの仕事とは動き方が違うので、耄碌気味の私はたいへん疲れてしまいますが、それでも、各地からのたくさんの受験生は、とても優秀で人柄のよい方たちばかりなので、大いに安心させられています。出張講義に行った高校から受験生が来ているという話など伺うと、とても嬉しくなります。

 さて、このところ、諸先生方がつぎつぎと新著を刊行される中で、いささか精彩を書く話ですが、拙著『武家の棟梁の条件 中世武士を見なおす』(中公新書)が重版されることになりました。1994年11月初版。この年12月の新聞各紙の書評欄に取り上げられ、一時は新書ベストセラーの上位に進出。大江健三郎・永六輔などという著名な執筆者の間に私の名前が並ぶなどと言う珍事も出来いたしました。
 5版を重ねましたが、その後はながく停滞。「武士道ブーム」の逆を行くような内容なので時勢に合わず、完全に絶版の運命を辿るものとばかり思っていたのですが、「捨てる神あれば拾う神あり」といったところでしょうか。
 法住寺殿の武将墓の部分など、その後の研究の進展で訂正を要しなければならないところもございますが、まだ内容について大方の認知・理解をいただいていない部分も多くあるように思います。この機会に、また多くの方々にお読みいただければ幸いと思っております。
 
 ☆ 昨日、神奈川大学の鈴木彰先生から御高論「源家重代の太刀と曾我兄弟・源頼朝-『曾我物語』のなかの「鬚切」「友切」-」(武久堅監修『中世軍記の展望台』和泉書院)・「将門分身説と「小烏」の太刀」(日本古典文学会々報『日本古典文学会のあゆみ』)・「斎藤別当実盛の選択-老武者の「恥辱」と「武勇」-」(『神奈川大学評論』55)・「軍記(前期)」(全国大学国文学会編『日本語日本文学の新たな視座』おうふう)、また田辺旬先生から御高論「鎌倉幕府の二所詣と箱根山」(箱根神社宝物館図録『二所詣展』)を御恵送いただきました。鈴木先生・田辺先生にあつく御礼申しあげます。
 当ゼミでは、伊藤さんの研究テーマに一番関係がありそうですね。

 >『吾妻鏡入門』に参画されるゼミメンバーへ
 2月28日に、関幸彦先生が上洛されますので、その夜に打ち合わせ(「夜討ち」ではありません)の会を開きたいと思います。都合のつく方は宜しく御参集下さい。詳細は追って御連絡いたします。

祝☆『武家の棟梁の条件』重版

田中裕紀
No.5448

初めて野口先生にお会いした、大学コンソーシアム京都の授業に出る時にテキストだった
思い出深い本の重版、とても嬉しいです。
私が頭に思い描いていた武士像が覆された瞬間であり、
それがその後の諸々のスタートだったと思います。
もっと早く読んでいればとさえ思ったものでした。
仕事で日本史が好きだという高校生にも出会いますが、
これで薦めやすくなりました。
もっとたくさんの人に読まれるべき本だと思いますので、折々に薦めていきたいと思います。

重版おめでとうございます。

山岡 瞳
No.5449

>野口先生 
『武家の棟梁の条件』、重版おめでとうございます。
 はじめて読んだ時、田中さん同様、私の中の武士のイメージを一新させられました。同志社での授業のテキストにもなっており、教室の机の上において授業を受けている学生さんをよくみかけました。重版によってさらに多くの方に読まれることを、大変うれしく思います。   

 私事で恐縮ですが、先ほど、やっと卒論の試問が終わりました。私の順番は、午前中の最後だったため、予定時間をオーバーしてじっくり進められました。はじめは緊張していましたが、いろいろな点を指摘されているうちに、まったく見えていなかったことに気づかされたりと、これからも勉強するぞ!!と気合を入れなおすことができました。

>紫苑執筆者の皆様
 本日締め切りの原稿拝受いたしました。
 お忙しい中、執筆ありがとうございました。
 あとは校正が待っていますので、よろしくお願いします。

>佐伯さん
 遅くなりましたが、お誕生日おめでとうございます。
 昨年は古文書講読会をはじめ、ご指導いただきありがとうございました。
 これからもご指導よろしくお願いします。

ああせい、校正! 「ノグチ」ゲラの襲撃。

No.5450

 >田中さん ありがとうございます。ゼミの方でも、いつものように何か素晴らしい企画をいただけたら幸いです。

 >山岡さん 理想の口頭試問でしたね。『紫苑』第5号、宜しくお願いいたします。

 ◇ ところで、『武家の棟梁の条件』ですが、重版の部数は2000。刊行予定は2月28日とのことです。本文は書き換えられませんが、奥付の補足が出来るので、経歴のほかに、著書・論文として、本文内容の補足・訂正に資するものを挙げておきました。

 昨日と今日は、上記の奥付も含めて、昨秋のシンポのコメントなど数件の原稿を添付ファイルで送信。やれやれ、これで懸案の仕事に取りかかれると思いきや、昨秋執筆した上総氏系図に関する論文のゲラが到着。そういえば、明日は紀要掲載論文(北条時政関連)の三校を受け取る予定もあり、2月初旬には新著(歴史文化ライブラリー)の初校も出るとのことでしたし、ゲラの大軍に苛まれることになりそうです。

 明日は久しぶりに『吾妻鏡』講読会ですが、その前に錦華食堂に初陣の予定も入りました。上総と備後からの頼りになる援軍も同行してくれます。しかし、どうも京都の天気は雪になりそうで、それが気がかりです。

【追記】>田中さん 書き込んでから、数分後の御対応。こういうのを神業といいます。