元木泰雄『源義経』=あるべき歴史叙述

No.5440

 まずは、いささか急ぎの業務連絡です。
 >末松さん 2005年度の公開講座の講演録についておうかがいしたいことがありますので、当方に御連絡をお願いいたします。
 また、末松さんの最新の連絡先をご存じの方は、当方にお知らせ下さい。

 さて、昨日は元木先生の研究室で、坂口君のいつもながらの堅実で説得力のある御報告をうかがいましたが、帰宅すると待望の『源義経』が届いておりました。
 「あとがき」に明記されているように、かなりの時間の経過の後に鎌倉幕府の立場で書かれた『吾妻鏡』ではなく、あくまでも同時代に書かれた公家の日記や政治制度の分析を踏まえた斬新な義経論が展開されています。内乱期の政治史に関する最新の成果を一般の読者に還元されたものと思いました。
 元木先生、御恵送にあつく御礼を申し上げます。
 本文中に配されている写真の多くは、元木先生ご自身が現地に赴いて撮影されたもので、その時の旅行記は本掲示板の過去ログで見ることが出来ます。あわせてお楽しみいただければ幸いです。

 『吾妻鏡』講読会の開催日程については、追って岩田君から告知されることと思います。岩田君、お手数ですが宜しくお願いいたします。
 『院政』・『源義経』がそろいました。書評会もそろそろ企画しなければいけませんね。

【追記】末松さんと連絡とれました。雨野さん・末松さん、ありがとうございました。
 ついでながら、私のマグカップも研究室の某所で(汚れたコーヒー入りで)無事発見されました。

次回以降の『吾妻鏡』について

No.5441

 お待たせして申し訳ありませんでした。次回以降の『吾妻鏡』講読会のご案内です。

 次回は、
 日時:2月2日(金)15:30~(予定)
 場所:京都女子大学L校舎 3階 宗教・文化研究所共同研究室
 範囲:承久三年六月十五日条~

 来週は京都女子大の入試等のため日時が変則となっておりますので、お気を付け下さい。
 また後日改めてご案内しますが、その次の講読会は2月5日(月)16:30~ということで調整中です。やや「過密日程」となりますが、2月2日まではしばらく間が空きますから、参加者のみなさんはどしどし予習をお進め下さい。

 >野口先生
 以上のように調整致しました。よろしくお願いします。
 お風邪などお召しになりませんよう、どうぞご自愛下さい。

元木泰雄『源義経』は精読してください。

No.5442

 岩田君、告知ありがとうございました。

 元木先生の『源義経』。読んでみたところ期待通りの素晴らしい内容です。ふだん直接お話をうかがっているから、と思っていたのですが、流石は元木先生です。内乱期の政治状況の枠組みにたいする御見解には、まさに「目から鱗」、成る程まったくその通りだと思いました。
 私のように特定の地域の枝葉末節なことしか研究対象にしていない者にとっても、そこで解明された個別具体的な事象の背景がよく理解できます。一般向けの手頃な本の形をとりながら、これは従来の幕府成立史にたいする通説を覆す、研究史にのこる大変な著作だと思いました。
 言わずもがなのことですが、ゼミメンバーは精読のこと。

 ところで、本日、『ヒストリア』と『日本史研究』が偶然同時に届きましたが、開いてみると、前者には山本君、後者には辻君、坂口君がお書きになっていました。素晴らしい御活躍振りです。こういうのは、じつにうれしい。

 ☆ 本日、東京都葛飾区立郷土と天文の博物館の谷口榮先生より、熊野正也・川上元・谷口榮・古泉弘編『歴史考古学を知る事典』(東京堂出版)を御恵送いただきました。
 もはや歴史学は文献と考古の両輪に拠らずして解明は不可能であり、とりわけ近年の地域中世史研究において考古学の果している役割は文献を凌ぐ勢いです。
 本書はまさに時宜を得た企画といえましょう。文献史学に志そうとする人にとってこそ有益な内容だと思います。
 谷口先生にあつく御礼を申し上げます。