Re: 京女の学生さんへ
伊藤明日香
No.5026
>野口先生
私も、今日「美のかけはし」見に行きました。金曜の五時以降はすいてるかと思ったら、そうでもなく…。しかし、いつもの特別展にくらべたら、まだマシだったのかもしれません。教科書で見たことのある宝物ばかりで、うきうきしました。伝頼朝像があんなに大きいものだとは思いませんでした。一体、あれは本当は誰を描いたものなんでしょう。
甲子園がおわりましたね。高校生にとって、夏の大会は特別なもの、特に三年生にとってはそこにかける思いは半端ではありません。夢中だった四年前のインターハイ予選が、懐かしくなりました。
神護寺の『源頼朝像』
No.5027
伊藤さん、行かれましたか。エライ!さすがは君津高校!
後段の褒め言葉は意味不明ですが、すぐこういうことを言いたくなるのが、もと千葉県公立高校教員としての私の限界かも知れません・・・。
などと、客観的になっているのもおかしいのですが。
それそれ・・・頼朝像ですが、美術史の方では「伝」をつけたくないお考えの方が多いのでしょうか?
文献史学の研究者の中で、未だにあれを頼朝像と考えている方はほとんどおられないのではないかと思うのですが。
上横手雅敬先生の「源頼朝像をめぐって」(『龍谷史壇』第10号、1996年)を御参照下さい。私はこれが文献史学における現時点における最終的な結論だと思っています。
なにしろ、神護寺の頼朝像は従来の頼朝のイメージを再生産する上では実に相応しい存在であることは間違いありません。拙稿「源頼朝のイメージと王権」(『歴史評論』649)を御参照下さい。
私は今後、頼朝に関する文章に付すべきは、甲府善光寺の源頼朝像が最善だと思っています。
>伊藤さん 四年前のインターハイ予選。種目はやはり弓道ですか?
Re: 京女の学生さんへ
伊藤明日香
No.5029
伝頼朝像を初めて教科書で見たとき、その威風堂々たる容貌に、「さすが征夷大将軍!」と、心底思いました。
そのような意味では、好きな作品ではあるのですが、出自を見れば、彼は西国の人間ですし、武人としての印象は後世に作られたものではないでしょうか。
彼の実像が、あの絵と重なるものなのか…。と、中世にくわしくない私は、朝廷に仕える侍について、なよっとしたイメージを抱いております。(申し訳ありません)
>野口先生
もちろん、弓道です。今でも、顧問の先生に会うたび、よく泣いてたよね~と言われます。とにかく夢中でした。
Re: 神護寺の『源頼朝像』
No.5030
すでにご存じでしょうが、神護寺の頼朝像の問題については、『日本歴史』最新号で、佐多芳彦氏が、拙説への批判を含めてまとめています。ご参考まで。
古文書学会
No.5031
立命館の杉橋先生から、往復の航空券とホテル一体のチケットがあり、片道の航空券程度で購入できるとの情報を頂戴致ました。
Yhoo!トラベルのツアー予約には一人利用可能なフリープランのツアーがあり、宿や便の指定もありますが、値段は劇的に安くなります。
先生はその方法で、全日空ホテルを予約されたそうです。
往復飛行機で、時間が決まっている方はそれが断然お得と思います。
当方、飛行機は大嫌いで、少なくとも片道は列車を利用するつもりですので、そんな有難いチケットにはご縁がありません(笑)
ご検討中の方はご参照ください。
平等院史料
辻 浩和
No.5033
>野口先生
有村さんにはお伝えしておきました。
「美のかけはし」展、私は二度目でようやく伝頼朝像にお目にかかれました。
タイトルがそのままなのはやはり国宝指定の為なのでしょうか?
ところで、先程『日本彫刻史基礎資料集成 平安時代 造像銘記篇』(中央公論美術出版)という本を見ていましたら、第7巻(1971年)に「平等院史料」という史料集が収められておりました。特に目新しい記事はなかったように思いますが、室町期までの史料が別業、兵乱等に分けて並べられておりました。参考程度にはなるかと思います。
美術史との認識のギャップ?
No.5034
『源頼朝像』ですが、図録の作品解説では鎌倉前期の作という見解が示されています。
なお、法住寺殿跡土壙出土品の解説に、近年の法住寺殿研究の成果が反映されていないのが実に残念です。
「平等院史料」の御教示ありがとうございます。宇治については『宇治市史年表』という立派な本が宇治市から出ていますが、ジャンル別というのは便利かも知れません。さっそく大学の図書館で確認しておきたいと思います。