韓国通信2

No.4990

◎野口先生 御返信ありがとうございます。昨日は新しくなった中央国立博物館に行って参りました。今年の春にも一度行ったのですが、まわりきれず、今回は歴史コーナーをしっかりと見てきました。ここは1Fが歴史、2Fが東洋、3Fが美術と3つのコーナーにわかれています。歴史は先史~高麗王朝までと朝鮮王朝の2つに分かれています。前者は三国時代(高句麗・百済・新羅)が中心です。つくづく高句麗の偉大さを感じます。特別展として「宣武功臣 金時敏 教書」と「高麗墓誌銘」の2展示が開催されていました。後者は中々の見もので、高麗墓誌研究の面白さに魅了されました。この時代はハングルではなく漢字なので助かります。かなり個人的な内容が墓誌に刻まれていて興味深いものでした。また、朝鮮王朝時代の歴史について無知なことがよくわかり、勉強の必要性を強く感じさせられました。中国史なら、うろ覚えながら少しイメージできても、朝鮮史となると、とても弱いことを痛感しています。
◎「観光」をテーマに勉強されている方がいらっしゃっるのですか?楽しみですね。何も力になれるほどのことはありませんが、頑張っていただきたいですね。

◎美川先生御無沙汰いたしております。
えっ!中国に植林ボランティアに出かけていられるんですか!
今年もいらっしゃる!すごいですね。いつの間に、そんなに活動派に?
それはともかく小泉さんの靖国参拝は、国内的には賛否両論でしょうが、韓国的には否定論しかありません。参拝は残念なことです。しかし、韓国の人達も小泉行動は日本国民の総意ととらえながらも、日本人個人には否定的な感情はもっていません。マスコミ報道と実態はまったく異なります。しかし、不謹慎を省みず申しますと、小泉行動によって、これまで何も考えていなかった日本人も靖国神社について深く考える契機ができたことは確かですね。私も遺族の意志とは関わらずに合祀されている人がいることは知りませんでした。また英霊を神社に祀り上げるのではなく、お寺に供養すべきであったのではないかと思ったりもしています(思いつきですが)。日本の遺族のことを考えると、一概に結論を申せませんが、現代的な問題として韓国内の知日派の方達の積極的友好活動が停止せざるを得なくなり、残念なことは否めません。
 また、全州国立博物館では特別展として「独島」展を開催しています。これも歴史的問題と現代的問題の2つを同時に論じられており、さらに領海権(漁業権)を領土問題にからめてわざと複雑にしているような気がします。これなどは国レベルではなく、漁民レベルでうまくやっていけないのでしょうか。もっと仲良くできたらと思います。その背景として政治的友好関係が必要ですが…。
長くなりましたが、美川先生、身体に気をつけて頑張ってきてください。

刀伊の入寇と佐伯君の好きな「白いご飯」

No.4993

 中村先生、続報をありがとうございます。先日いただいた御高著『偽りの大化改新』の表紙カバーの著者紹介文の中に「最近は陶芸と食文化に魅せられて韓国にしばしば足を運んでいる」とあるのを見て納得いたしました。
 引き籠もって全く成果をあげられず、ただひたすら体重のリバウンドを進行させている我が身が恥ずかしいばかりです。

 東アジア諸国との関係については、前近代からきちんと研究も教育も進めなければならいと痛感しております。数年前「藤原隆家」について執筆の機会があり(元木泰雄編『王朝の変容と武者 古代の人物6』所収)、そのときに、刀伊入寇事件における大宰権帥藤原隆家や高麗の対応など、現代人にとって学ぶべき点が多々あると思ったものです。ちなみに、この事件に関する事実の追究と最も優れた分析が示されているのは土田直鎮『王朝の貴族 日本の歴史5』(中央公論社、1965年)でしょう。土田先生による平安時代の武士に対する評価は近年のそれの先駆をなすもので、もっと評価されなければならないと思っております。
 話が逸れてしまいましたが、韓国での御研究の成果など、また楽しみに致しております。

 ところで、「食文化」で思い出しましたが、先日、前任大学のゼミ生で「うわなりうち」に関する優れた卒論を出され(夏休み前にはすでに草稿が完成していました。完成稿は研究室にあります)、現在農業をされている田邉美鈴さんから新米をお送りいただきました。生産地は『吾妻鏡』宝治元年六月七日条に見える「上総国一宮大柳館」の近く。これは美味しかったですよ。ビールよりも「白いご飯」のお好きな佐伯君にはぜひ食べていただきたかった!
 田邉さんありがとうございました。

 ☆ 昨日、千葉市立加曽利貝塚博物館の簗瀬裕一先生より、御高論「地下式坑の分類と編年試論-中馬場遺跡他の千葉県の事例をもとに-」掲載の『房総中近世考古』第2号
を御恵送いただきました。
 簗瀬先生にあつく御礼を申し上げます。

大好きな白ご飯。

No.4994

>野口先生
佐伯です、こんにちは。夏休み中でご無沙汰しております。
そんなに美味しい白いご飯、ぜひぜひいただきたかったです。
最初はご飯そのものの味で、2杯目はいろいろなおかずをつけて…(笑)。

なお、厳島の件は宿・行きの指定席券ともに手配済みです。
安んじてお任せ下さいませ。