歴博企画展示「日本の神々と祭り」の紹介と宣伝

No.4583

 野口先生、ゼミの皆様、ご無沙汰しています。

 さて、明日3月21日より5月7日まで、国立歴史民俗博物館で、「日本の神々と祭り」という大きな企画展示が始まります。私も展示プロジェクト委員のひとりとして深く関わっている展示なので、この場をお借りして紹介と宣伝をさせていただきたいと思います。

 この展示では、神社とは何か? という命題を、様々な分野の研究者がそれぞれの立場で考えるということをテーマとしたもので、それが展示の副題ともなっています。具体的には、出雲大社・伊勢神宮・厳島神社・八坂神社という四つの大きな神社を取り上げ、様々な角度から神社について考えます。

 私の担当は、神社所蔵の宝物で、特に伊勢神宮の式年遷宮の神宝と、厳島神社所蔵の武具(甲冑・刀剣・弓箭)を取り上げました。これまでの展示では、神社の宝物というと、美術工芸的な側面だけで捉えられてきましたが、今回の展示では歴史的に捉えることを主眼とし、これまで誤解の多かった厳密な意味での神宝とは何かということを考えてみました。なお、歴史的に捉えるといっても、刀剣(刀身)などは鑑定・鑑賞に堪える展示も重要ですので、そうしたことにも配慮した展示を心がけました。

 私の担当以外では、平家納経も展示され、ここでもその工芸的な側面だけでなく、神仏習合について考えています。また、展示プロジェクト委員のひとりには、野口先生も講演をお聞きになったという広島大学の三浦正幸先生もおり、先生監修のもとに制作された、出雲大社や厳島神社の復元模型も展示されています。厳島神社は、仁治再建時(つまり清盛創建時と同一)の忠実な模型です。その他、出雲関係で、加茂岩倉遺跡や荒神谷遺跡の青銅器も展示され、神社の起源というものを考えます。八坂神社関係では、当然のこととして祇園祭関係を中心として、民衆と神社について考えます。

 以上、ごく簡単な紹介ですが、非常に充実した展示内容となっています。歴博は遠いですが(特に関西の方々には)、是非、お越し頂ければ幸いです。また、展示図録の解説と合わせて御覧いただくと、展示の意味についてより深く理解していただけると思います。なお、原則として、期間中の土・日と祝日は、展示プロジェクト委員のだれかがギャラリートークを行います。ちなみに私は4月29日・30日の両日(午前・午後2回)です。

それは、ぜひとも。.

No.4585

 近藤先生、御案内をありがとうございました。

 歴博の企画展示。三浦正幸先生の御講演で大いに関心を高めている厳島神社の復元模型が展示されているとなると、是非とも見学に行きたいと思っております。厳島神社の社殿は宇治上神社との比較においても興味深く、宇治にたいする研究所共同研究とも関連しますし、何よりも平清盛の国家構想ないし王権構想を考える上で象徴的なモニュメントだと思います。
 近藤先生のギャラリートークの日を狙って行きたいところですが、4月16日(日)に開催される『平家物語』研究会で報告させていただく予定がございますので、そのついでに見学に行く時間を設定してみたいと思っております。

 >ゼミメンバー諸姉兄  『平家物語』研究会の開催要項は以下のとおりです。この会では、これまで田中さんと門屋君が研究報告をされています。はじめての参加者は事務局に連絡いたしますので、この御両人以外で、この研究会に出席したいというメンバーは当方に御連絡下さい(よろしければ歴博も御一緒に)。

 日時:4月16日(日)13:30~17:30
 場所:東京都立九段高校(予定。未確定とのことです)
 発表:輪読『真名本曾我物語』巻3 佐倉由泰氏(東北大学)
    研究発表:野口実氏(京都女子大学)「伊豆北条氏の成立とその本拠の空間について」
         志立正知氏(秋田大学)「モノガタリと歴史認識
               ―近世秋田における伝承と地誌編纂などをめぐって―」

 ☆ 村井章介著『中世の国家と在地社会』の書評会について
 最近お目にかかった一部のメンバーにはお諮りしたのですが、上記の論文集の書評会を新年度の例会ないしは研究会で数回に分けて実施たいと思います(4~6月の間)。
 本書は下記のように四部構成になっていますが、その各部を構成する論文毎に担当をお願いしたいと思います。メンバーそれぞれの専攻領域に応じてお願いするつもりですが(鎌倉時代後期以降をテーマにした論文については、薗田さん・有村さん・坂口君にお願いしてみようと思っています)、自らこれをやってみたいという論文がありましたら、御連絡下さい。日程は報告者の都合に合わせたいと思います。本は研究室に置いてあります。また、担当論文のコピーはこちらで用意します。

第1部 総説―通史と研究史(十三~十四世紀の日本―京都・鎌倉
佐藤進一著『日本の中世国家』によせて ほか)
第2部 将軍と天皇(執権政治の変質
安達泰盛の政治的立場 ほか)
第3部 幕府徳政の系譜(神々の戦争―鎮西広域統治機関と幕府徳政
正和の神領興行法をめぐって ほか)
第4部 在地法の世界(鎌倉時代松浦党の一族結合―系図の復元を中心に
在地領主法の誕生―肥前松浦一揆 ほか)

 >「宇治」共同研究の研究協力者のみなさま
 こちらの研究会の日程も策定したいと思っております。研究会実施の方法にたいする御意見や、四月からのそれぞれの御都合について、お知らせいただければ幸いです。