岩田君の慧眼→「鎌倉幕府」の再評価へ

No.4341

 26日は忘年会もさることながら、例会の岩田君の御報告が楽しみです。
 下記のテーマ設定は実にポイントをついていると思います。私はかねてより、鎌倉幕府成立の問題については東国武士の階級的利益を擁護する機関が構築されたという評価のみでは割り切れないものを感じており、その意味で岩田君の問題設定は魅力的です。ちなみに、金澤正大先生の足立遠元にたいする御見解は、たいへん参考になるのではないでしょうか。
    金澤先生のブログ→http://spaces.msn.com/members/km45/
 例会には、多くの方々の御参集をお待ちしています。
 修論執筆中の長村君・辻君もよろしければぜひ。長村君の修論には直接お役に立つと思います。立命館の滑川さんや臨川書店の薗田さんもお出で下されば幸いです。鹿児島から有村さんも、というのはちょっと御無理でしょうが。
 忘年会の方は、この時期でも学校のお仕事で参加できない方が多いようで残念ですが、まあ、身の丈に応じたスタイルで地味に致しましょう。

 >元木先生  義経最終回へのコメント、ありがとうございました。まったくです。

☆ 東京大学史料編纂所画像解析センターの西田友広先生より、五味文彦先生の科学研究費研究によるニューズレター『文献と遺跡』5号を御恵送いただきました。あつくお礼申し上げます。
 五味文彦「鎌倉の景観と文化-鎌倉への視座(4)-」、杉山巌「『関東評定伝』再考-内閣文庫本の検討を通して-」、落合義明「【吾妻鏡 注釈】安貞二年十一月・十二月条」、岡陽一郎「鎌倉出土文字資料通信 VOL.4」が掲載されています。
 複数部ありますので、メンバーで必要な方はお申し出下さい。

☆ 神戸大学の髙橋昌明先生より御高著『酒呑童子の誕生 もうひとつの日本文化』を御恵送いただきました。先に中公新書として刊行され、絶版になっていた本書が今度は中公文庫として復刊されたわけです。名著が手に入りやすくなったことは大慶。未読の方はぜひこの機会に。
 髙橋先生にあつくお礼を申し上げます。

>永富さん  本日はお疲れ様でした。
>岩田君  参考文献をあげておいてください。

穴があったら入りたい

岩田慎平
No.4342

 ↑野口先生から以上のような予告編を頂戴しまして、一方では準備状況の貧弱さから、ダッシュで逃げ出したい衝動に駆られておりますが、参考文献です。遅くなって失礼致しました。

 目崎徳衛「鎌倉幕府草創期の吏僚について」『貴族社会と古典文化』吉川弘文館.1995.
 黒田俊雄「鎌倉幕府論覚書」『黒田俊雄著作集 第一巻 権門体制論』法蔵館.1994.
 上横手雅敬『日本中世国家史論考』塙書房.1994.

 目崎氏の論考は、おおよそ建久三年(1192)頃までの幕府の吏僚について分析を加えたものとなっておりますが、来週の報告ではその後の時期(建久年間~承久年間頃まで)の奉行人について考えてみることを目的としております。
 黒田氏の論考は、権門体制論の立場から鎌倉幕府を一つの権門勢家として位置づけて、その有り様について分析したものです。しかし、しばしば批判されるように、黒田氏の分析は必ずしも全ての点において実態に即して為されたたものではありません。そこで、来週の報告では奉行人という具体的なテーマを設定し、そこを起点に黒田氏の説を再検討(あるいはその手掛かりの模索を)してみたいと思います。
 上横手氏の著書は、とくに「第二篇 中世国家論の展望」で、個別具体的な事例・政治過程の研究を通して、権門体制論と東国国家論を二者択一的に論じることを戒めています。どちらが正解・不正解というのではないのはもちろんとして、その各々の成果に学びながらどこかに落としどころが見付かればよいのですが、来週それができるかどうかはわかりません。すみません。

およばれありがとうございます。

No.4343

野口先生>
 ラブコール(?)ありがとうございます。
 師でもないのに走ってる薗田です。
 今年最後の例会ですね。今抱えている仕事を今週中に片づけて、
ぜひ参加させていただきたく存じます。
 ところで数日前、先生にゼミ旅行の際のお写真をメール送信しようとしたのですが、
容量が大きすぎたため、お届けすることができませんでした・・・。
 すでにお持ちかもしれませんが、せっかくなので例会のさいにお届けできたらと考えております。
 
 

Re: 岩田君の慧眼→「鎌倉幕府」の再評価へ

有村芳恵
No.4344

皆様お久しぶりでございます。鹿児島の有村です。野口先生、せっかくの御指名ですが、当方目下卒論作成の真っ最中で、残念ながら例会には参加することは叶いません。掲示板で例会の成果や皆様のご様子を拝見するのを楽しみに、こちらも頑張ります。ではまた。

「虎穴にいらずんば虎児を得ず」

No.4345

 >岩田君 タイトルのような穴に入ってください。
 >薗田さん そうでした。薗田さんも写真を持っておられるのでした。よろしく、お願いいたします。
 >有村さん お久しぶりです。鹿児島からでは、時間もお金もかかりすぎます。でも、来年度は是非に。卒論、おおいに期待しています。頑張ってください。
 >立花さん 卒論、お疲れ様でした。
 >永富さん お疲れ様でした。

 みんな、未来に向かって飛躍中ですが、私、明日より都落ちをいたします。かならず再上洛をいたす所存。この掲示板は拝見いたしておりますので、よろしく。

Re: 岩田君の慧眼→「鎌倉幕府」の再評価へ

永富絵里子
No.4346

野口先生>昨日無事にすべて終了しました。「人事」は尽くしたつもりですのであとは「天命」を待つのみです。ちなみに私も明日補習を終えたら【都落ち】する予定です。
温泉でゆっくり今年一年の疲れを癒す予定です(^^)

山岡さん>お返事が遅くなってしまいすみません。
26日の忘年会、参加させてください♪よろしくお願いします。
久しぶりにみなさんにお会いできるのを楽しみにしています。

大河・義経の感想

前川佳代
No.4347

ご指名を受けたにもかかわらず、書き込みが遅くなりました。22/23で滋賀に引っ越すのでその準備に加え、家族で風邪をひいてしまい、息子は40度近い熱が三日続きまして、さんざんな目にあってます。

さて、「義経」ですが、全体の感想としてはこのストーリーの見方がよくわかりませんでした。「絆」をあげているのに、実父義朝を邂逅する場面は一切なく、ひたすら清盛を慕っている。牛若が清盛の継子とは『盛衰記』に出てくる話で、まったく根拠がないわけではない。でも常盤はすぐに一条家に嫁いでいるし、弟も生まれている。『吾妻鏡』にも継父として長成のことが書かれているので、史実的には長成の養育を受けている。知盛や重衡と兄弟のように育ち、成人後、対戦せざるをえない悲劇が加えられる。常盤も義経在京中に死ぬ。鎌倉では政子にいじめられ、兄とは決別する。あまりにも悲惨な人生。そこまでしてどうして「かわいそうな義経」を創らねばならないのか、理解できません。
だから、タッキーらしさがなかった。明るい義経がなかった。残念です。
源平合戦では主要なエピソードを加え、描いて欲しかった
逃亡期もある程度史実的に追えるので、色んなエピソードと共に、もっと丁寧に描いたらドラマチックになったでしょうに。かなりいそいでました。比叡山の「俊章」の名前が出てきたのはビックリでしたが。
みなさんおっしゃることですが、牛若・遮那王時代から平泉行きまでに時間をかけすぎでした。腰越では三回もひっぱるし。
ただ、逃亡期を失意の逃避行にしなかった所は良かったと思います。「新しき国」のおかげでしょうか。私は「草燃える」からしか見てませんが、大河も民放もほとんどの義経がこの逃亡期には無気力な弁慶なしでは生きていけない義経に変化していたからです。
義経の最愛の人は静のみという設定では、萌さんが気の毒です。最期まで一緒にいたのは、河越の娘なのですから(『盛衰記』に書いてありますし、野口先生のご研究もあります)。
予算的に無理なんでしょうが、もっとたくさんのキャストで人間関係をおっていけば、本当の義経に迫れたはず。
泰衡は情けない男で描かれ、藤原基成も出てこない。佐藤忠信は見せ場がなく、まるで船弁慶の知盛かと思うほどの姿で死にます。平泉や東北の人たちに失礼です。
まあ、タッキー義経は、後半りりしく強く優しい義経だったので、前川的には良かったです。ただ、明るさがなく、神妙な義経であることが気に入りませんでしたね。
全体に北条氏が悪役で、頼朝と義経の関係が描かれている。幕府を成立させた頼朝への配慮なんでしょうかしら。
おそらくこの大河は、義経を描いたのでなく、タッキーの義経を描いたのでしょう。
今後は、史実に沿った本当の義経が生まれることを、あるいは『平家』や『義経記』を忠実に再現するドラマを創って欲しいと願います。

滋賀の家の屋根にはショウキさんの代わりに弁慶の人形を置きたいのですが、まだ見つけてないのです。屋根に置けそうな弁慶人形を見かけた方は前川までご一報くださいませ。

以前書き込みした衣川遺跡群について、1月に岩手考古学会が衣川を大会テーマに設定されるようです。

前川さんありがとうございます

No.4348

前川さん、大河・義経の感想、待ってました。

ということは、ずっと御覧になっていたわけですね。
私はこらえ性がないので、渡=清盛が死ぬまでがやっとでした。
とにかく便利なハードデスクのレコーダーを買ったので、
見なくなって以降も毎回録画だけはしていたのですが、
けっきょく一生見たいと思わないだろうと思い、
たしか8月ごろに全消去しました。

だいたい、見るのが毎週苦痛なものを、見続けることはできません。
しかも、見ていると、実に不愉快になり、自然に不機嫌になるので、
家族も見ないでほしいと懇願します。

少なくとも、私にとっては、腹が立つばかりで、
とてもじゃないが、娯楽になりません。

何度も言ってきたつもりですが、
私は、史実に忠実なモノを求めているのではなく、
楽しめるドラマをつくってほしいと言っているのです。
ドラマとして水準が低すぎる。見るに堪えない。

べつに歴史家は歴史の勉強ばかりしているのではなく、
ドラマも映画も芝居も見ているのです。
いいものを見てるんですよ。目が肥えているんですよ。
それがわかっているんだろうか。

とうぶん、私は大河とはおつき合いしません。
あきらかに時間の浪費です。

Re: 岩田君の慧眼→「鎌倉幕府」の再評価へ

長村祥知
No.4349

ご無沙汰しております。
野口先生、お誘いいただきありがとうございます。
岩田さんのご報告は是非拝聴したいのですが、ちょっと行けそうにないです。すいません。
岩田さん、がんばってください。
山岡さん、幹事お疲れ様です。