<速報>伊勢国木造荘園関係遺跡の現地説明会があります

伊藤裕偉
No.4305

 はじめて投稿させて頂きます。三重の伊藤裕偉です。
 この日曜日(12月4日、午前10時から)に、木造赤坂遺跡の現地説明会がありますので、ご案内します。新聞は三重県版にしか掲載されていないかと思いますので、興味の有る方はぜひお越しください。
 内容は、平安時代から戦国期にかけての区画溝と、それに伴う土器が出土しています。土器の量は雲出島貫遺跡よりも格段に少ないですが、中世前期に相当する堀状遺構は迫力があります。雲出島貫遺跡は、木造庄の東端ととらえていますが、木造赤坂遺跡は西端にあたります。
 下記HPに、現地説明会資料や遺跡への行き方が掲載されてますので、ご参照ください。ただし説明会資料では、木造荘関係のことはほとんど触れられていません。 
http://www.pref.mie.jp/MAIBUN/HP/
 なお、同日の午後からは西肥留遺跡の説明会もあります。ここでも京都系土師器が出ており、中世前期の人工流路が見つかっています。この遺跡のメインは古墳時代前期です。

宇治市街遺跡でも井戸・建物跡など検出。

No.4306

 伊藤先生、貴重な情報をありがとうございます。また、その節はいろいろお世話になりました。あらためて御礼申しあげます。
 目下、『北条時政』(ミネルヴァ日本評伝選)の執筆に備えて、伊豆~伊勢・伊賀方面の12世紀段階の考古学による成果の情報を集めています。なかなか報告書刊行の情報なども入りにくいので、今後ともいろいろ御教示下されば幸いです。
 
 まだ、現説の情報はありませんが、宇治の方でも、今年9月に摂関家邸宅跡の一部と見られる遺構の検出された地点の西に隣接するところから、井戸・土坑・溝、東の流路に続く流路北岸の洲浜跡などが見つかり、邸宅が西に広がっていたことが確認されたとのことです(京都新聞地域版による)。西側に邸宅の主要部分が存在していたことは予想されていたことですが、それが発掘によって確認されたと言うことになるのだと思います。