中国からは閲覧不能?

No.4295

 川合康先生のブログ(http://blogs.yahoo.co.jp/kibamusya2005/archive/2005/11/24)へのコメントで金澤正大氏が「野口先生のは、中国国内からはアクセスできないので見られません。」と書かれています。この掲示板だけ、中国からは閲覧不能なんてことがありうるのでしょうか? この裏には国際的な陰謀が・・・(ウソ)。

 ちなみに、川合先生は
>鎌倉幕府と京武者社会との関係を考えるうえで、
>院政期の武士がどれぐらい都と地方を往来していたのかについて、
>以前から気になっていたが、
>この1週間、あらためて目崎徳衛氏や金沢正大氏・野口実氏らの業績を
>集中して読み直し、ものすごく勉強になった。

とのことです。

東国武士の在京活動

No.4296

 山田先生、お知らせ下さり、ありがとうございます。
 ワシントンDC在住の親友やボン滞在中のの京樂先生が御覧になっておられることは間違いないのに、中国ではアクセス不能ですか?実は当ゼミメンバーの廣政さんが目下、北京の大学に留学中のはずでしたが・・・・。
 アクセスの件は、鈴木君にお尋ねしたいと思います。

 川合先生に私の研究成果を評価していただいて、ありがたく思っています。私は枝葉末節な事ばかり追いかけておりますので、これまでもその成果の学問的な位置づけや学界への紹介は川合先生や元木先生、髙橋昌明先生等の御研究に負うところが多大なのです。
 今回の川合先生の御報告を聴講に行けないのが残念ですが、いずれ発表されるであろう御高論を楽しみにしたいと存じております。
 
 金沢先生の東国武士に対する実証的な御研究には、以前から学ばせていただくところが多く、『政治経済史学』御掲載の御高論のコピーはまさに「山岳の如し」です。とくに「流人の周辺」執筆時には足立・安達・藤原光能・以仁王のネットワークの存在など、おおいに参考にさせていただきました。
 金沢先生とはいつか、ぜひ、東国武士について、ゆっくりと語る機会を得ることが出来ればなぁと考えております。
 
 目崎先生とは書信のやりとりが主でしたが、とくに西行の御研究から学ばせていただくところが多く、また私の秀郷流藤原氏研究の成果を使っていただくこともありました。
 もう30年ほど前、目崎先生が『朝日新聞』の文化欄に書かれた「西行の官職」と題する小文に、名前こそは出されませんでしたが、私のことを「篤学の若い研究者から来信があって、『長秋記』のおしまいの辺に「康清」を兵衛尉に任じたとあるが、これは西行の事ではないかと教えられた。全くそのとおりで、・・・私はおおいに感謝したが、」と書いてくださったのは大きな励みになったものでした。
 目崎先生は『聖心女子大学論叢』に西行の伝記研究を毎年掲載され、それをまとめて『西行の思想史的研究』として世に問われました。もとより研究の質・内容ともに及びもつきませんが、私もそうした研究スタイルを見習いたいと考えております。

 私は東国武士の所見を京都側の史料の中から検出していく作業によって研究者として評価されたことで、古代学協会にも採用していただいた人間ですので(ただし、就任したその日に協会付設の平安博物館が閉館。以後の運命は山田先生のよく知るところ・・・)、東国武士の在京活動とそこで生じた人的関係が治承・寿永の内乱の帰趨に大きな影響を与えたであろう事は認識しておりました。しかるがゆえに、上横手雅敬先生が武蔵国大蔵合戦を保元の乱の前哨戦と評価されているように(「院政期の源氏」)、中央の政治的変動は東国社会にもダイレクトな影響を与えていたのでしょう。
 従来は、領主制論や東国国家論の強い影響によってか、あまり東国武士と京都との関わりに対する研究は行われてきませんでしたが、須藤聡さんや伊藤瑠美さんの優れた御研究に見られるように、最近ようやく、武士一族の「在地」と「在京」における分業活動などについて研究が活発になってきたようです。そのような中、かつての私の仕事、とくに波多野・山内首藤・宇都宮(八田)氏などに関する『坂東武士団の成立と発展』所収の拙文や「流人の周辺」「東国武士と中央権力」(『中世東国武士団の研究』所収)、「後白河院と清和源氏」(『武家の棟梁源氏はなぜ滅んだのか』所収)が、少しでもお役に立てるところがあれば幸いであると考えています。
 なお、私はこうした地方武士の在京活動によって生じた横の「縁」については、「一所傍輩之好」という史料用語を使っています(「鎌倉武士の心性」五味文彦・馬淵和雄編『中世都市鎌倉の実像と境界』)。元木泰雄先生のいわれる「京武者」という概念との齟齬を避けるためです。

 山田先生(同僚だった頃は助手、今や花園大学史学会会長。木下藤吉郎→豊臣秀吉の如し)に呼び出されて、いろいろ書いてしまいました。でも旧稿の宣伝にはなったようです。
 本日、同志社は学園祭のために休講なのですが、来年度のシラバス執筆に頭を悩ませております。

Re: 中国からは閲覧不能?

No.4297

山田先生、野口先生

中国からのアクセスの件ですが
中国でのインターネットは、かなり情報に制限がかけられています。

特に、野口ゼミのホームページは、僕の自宅にあるサーバで管理していますので
いわゆる公のものではなく、アンダーグラウンドなものとみなされてしまいます。

たぶん、中国が国家的に行っているフィルタリング(閲覧制限)に引っかかってしまっていると思われます。
このページが制限されているのではなく、制限された中にたまたま含まれてしまっているという感じですが、ある意味「日本史・東洋史」の分野ではあるので、そのあたりで引っかかってるのかもしれませんね。(ちょっと前まで、満鉄の話題もありましたし...)

答えになっていないかもしれませんが、回答です。