岩田師範はお誕生日&佐伯君は「大政」?

No.4289

 昨日の例会は立花さんの卒論「伊豆北条氏の存在形態」の中間発表。お疲れ様でした。先輩方からいただいた貴重なアドバイスを活かして、ぜひ立派な論文を仕上げていただきたいと思います。

 例会の前の『吾妻鏡』。いよいよ和田合戦の渦中。じっくりと読むと、思いがけない人物が登場していたり、なかなか面白いところです。数年前の鎌倉ゼミ旅行の記憶が今甦ったというメンバーもいたようです。

 本日の大学コンソーシアムの講義テーマは「平清盛」。かなり、清盛に対する私の思い入れを語ってしまいました。受講生の一人、精華大の学生さんは、午後は木津の平重衡の墓を訪ね、明日は小松殿跡など六波羅周辺を歩かれるとのこと。黒板に地図を書いたところ、即座にそれをケータイで写真に撮っておられました。なるほど、その『手』があったか。いずれ、授業は受講生にすべて録画されることを覚悟しておく必要がありそうです。脱線も心してしなければなりますまい。
 それにしても、このような熱心な受講生がおられるとすると、しばらく教室でゼミの宣伝を怠っていたのが後悔されました。次回あたり、案内の資料でも配布するとしましょうか。 
 しかし、そんなことをせずともこのBBSを御覧になっただけで、研究室のドアを叩いてくれた岩田君のような逸材もおられます。岩田君は目下、史料講読会の師範代をつとめてくれる、いわばゼミの大番頭のような存在です。おかげで私は大変助かっています。
 昨日は、その岩田師範の27回目の誕生日の由。おめでとうございました。そろそろエンジン全開の時期(人生の分水嶺です)ですから、大いに研究にお励みください。。
 そのお祝いにと、山岡さんがシュークリームをご持参下さり、野口君が名古屋のお菓子「名古屋嬢」(「城」の誤りではありません)、さらにお江戸帰りの佐伯君が「ごまたまご」をお土産に下さいましたので、昨日の例会はじつに美味しい研究会になりました。

 ところで、山岡さん。「森の石松」の調べはつきましたか?・・・ちなみに、長村君は「小政」?

 山田さん、上の精華大の学生さん(さすがに「平安京探偵団」はご存じ)からメールが届くかも知れませんが、よろしく。

次回の『吾妻鏡』講読会について

No.4290

 来週の『吾妻鏡』講読会(11月28日)は、お休みです。次回は再来週の12月5日に行います。
 範囲:建暦三年五月三日条の続き~同月四日条・五日条まで
 日時:12月5日(月)15:30~
 場所:L校舎3F 共同研究室

いいとこどり

No.4291

 27歳になりました岩田です。去年はこの時期から体調を崩して伏せっていたのですが、今年はいちおう無事です。
 「史料講読会の師範代」というのはまた大変な過大評価でありまして、毎週月曜の午後は私にとっても貴重な学習時間です。ゴマを摺りたいわけではありませんが、野口先生に『吾妻鏡』の読み方を見ていただき、あれこれご指摘をいただけるなどというのは、本当に本当に贅沢な経験なのですから。それに、『吾妻鏡』の講読も、そもそもは当ゼミでの先輩である山本さんが立ち上げて下さったものと伺っていますので、私は押し掛け以外の何者でもありません。

 山岡さん、シュークリームごちそうさまでした。野口くん、名古屋からナイスなネーミングのお菓子をありがとう(ちなみに、いつも頂戴していた「なごやん」は、関学での私の指導教官の好物です)。佐伯さん、「ごまたまご」美味しゅうございました。山本さん、次回の吾妻鏡のご案内ありがとうございます。

Re: 岩田師範はお誕生日&佐伯君は「大政」?

立花美香
No.4293

 先日の例会では、とても多くのアドバイスをしていただきありがとうございました。自分でどうしたら良いのかわからなかった矛盾点や、整理できていなかったことをズバリ指摘していただいたり、必要不可欠な文献をご紹介していただいたり…と、とても勉強になりました。
 締め切りまで残り少ないですが、なんとか自分の納得できる論文になるよう頑張ります。野口先生、報告を聞いてくださった皆さん、お忙しい中本当にありがとうございました。

立花さんの卒論に役立ちそうな資料

No.4294

 例会の時に口頭でしか紹介しておかなかったので、ここに書き込むことにします。
まず、北条氏の系譜については、いただいたレジュメの参考文献欄にも引いてありましたが、安田元久編『吾妻鏡人名総覧』所収、北条氏研究会編「北条氏系図考証」の成果をもっと反映させるべきでしょう。正宗寺本系図も既にここで紹介されています。
 つぎに、時政と牧の方の結婚の問題ですが、これについては系図研究家の宝賀寿男氏の杉橋説批判が、下記のサイトにあります。参考にするとよいと思います。
 http://shushen.hp.infoseek.co.jp/hitori/makinokata.htm 
それから、時政については一般向けの本ですが
 小野眞一『裏方将軍 北条時政』(叢文社)
という本があります。中世前期の部分を杉橋隆夫先生が執筆されている山川出版社の『静岡県の歴史』(新版)とあわせて、参照されたらよいと思います。
 『曽我物語』の真名本は平凡社の東洋文庫に収録されています。
 また、『曽我物語』については、『国文学解釈と鑑賞』別冊の『曽我物語の作品宇宙』(平成15年1月)を御覧になるとよいでしょう。

 >立花さん  優れた卒論を提出し、それをもとにした研究ノートをまとめて、ぜひ『紫苑』に投稿してください。 期待しています。

 >『吾妻鏡』講読会に参加されている皆さんへ
   和田合戦関係の論文の紹介  
 松島周一「和田合戦の展開と鎌倉幕府の権力状況」(『日本歴史』第515号、1991年)
  この論文の掲載されている『日本歴史』には、松本政春「貴族官人の騎馬と乗車」という論文も掲載。例の平治の乱における藤原信頼の落馬の話がとり上げられています。