懐かしい東京

No.4284

評判になっている ALWAYS 三丁目の夕日 という映画を見てきました。
昭和33年の東京が、再現されています。
宣伝で、途中までできた東京タワーが出ていたので、矢も楯もたまらず、
今日の午前中に見に行きました。

泣いたね。映画やテレビで泣くことはめったにないのですが、
最初のシーン、ゴム動力式の飛行機を子供が飛ばすシーンで、
完全に涙腺が緩み、あとは、最後まで、ほとんど泣き続け。

私は、昭和32年に、東京タワーのすぐ近くで生まれて、
18歳までそこに住んでいたのです。小学校の友人に、東京タワーの
足のところの寺の子がおりました。

映画にでてくる辺りを知っているのです。
といっても、私の記憶にあるのは、昭和30年代後半でしょうが。
でも、ほとんど違和感がない。CGなども駆使しているのですが、
あの昭和初期を再現した「スパイゾルゲ」のような違和感がまったくない。

もう、とにかく、子供の頃の東京にどっぷりはまりこんで、
とにかく、懐かしく、泣き続けました。そして「現代」に懐疑的になります。
よく知らなかったのですが。監督の山崎貴は、特撮では世界的な人らしいのですが、
脚本・監督としても、凄い人です。日本は、あんな人たちが住んでいる国だったのか。
この人だったら、平安・鎌倉時代の京都や鎌倉も、しっかり再現してくれそう。
とにかく、デテールの凝り方は半端ではありません。
ぜひ、昭和33年の記憶のある方も、あるいは昭和を全く知らない方も、
見て、感想をお聞きしたいです。

ストーリーはべたべたですが、不思議に、それでも泣いてしまいます。
これが、映画ですね。感動しました。 

懐かしいテレビドラマ。

No.4285

 小学生時代のある日曜日。家族で東京に行ったことを思い出しました。美川先生が赤ちゃんの頃です。千葉から茶色の総武線の電車で神田に出て万世でポークソティというのを初めて食べ、東京駅の大丸で記念切手を買ったことを覚えています。当時、切手の蒐集が少年たちの間で流行っていて、記念切手を販売するコーナーが何処のデパートにもあったのです。
 東京タワーにはたしか4・5年生の頃、またある日曜日の朝、父に急に東京に連れて行ってやるといわれて、東京駅で「はとバス」の「社会科コース」というのに乗って行ったことがあります。映画の設定が昭和33年とすると、その1・2年後といったところでしょうか。
 いまNHKテレビのBS2で放送されている、ローハイドとかコンバットを見ていたのは、それより少し後の頃だったかも知れません。ローハイドはたしか夜10時からの放送だったので、健全な少年だった私は眠くて見ていられなかった(見せてもらえなかった)と思います。ただ、景気の良い主題歌と主人公が「フェイバーさん」だったということはよく記憶に残っていました。
 今週、ローハイドとコンバットを見る機会がありましたが、じつに新鮮。こんなテレビドラマを作っていたアメリカも、主人公が「さん」づけで、まだ少年みたいなクリントイーストウッドの一人称が「僕」なんて翻訳された日本語版で西部劇が放送されていた日本も、じつに良い時代だったのだと感心させられました。あの頃はまだ家庭にテレビがあるのが珍しい時代で、はじめて「ローンレンジャー」などを見た50才以上の人はたいてい「あのアメリカ人は日本語が上手だ」と言っていたものです。
 NHKさんには、受信料拒否なんて絶対に言いませんから、あの頃放送されていた「ララミー牧場」とか「ボナンザ」、「コルト45」・「ライフルマン」といった西部劇から「パパは何でも知っている」・「うちのママは世界一」といったホームドラマ、さらには「名犬ラッシー」・「名犬リンチンチン」といった名犬ものまで、おおいに放送していただきたいものと期待するところです。
 民放も、つまらないバラエティー番組はやめにして、「月光仮面」「少年ジェット」「まぽろし探偵」「鉄腕アトム」(実写版)「変幻三日月丸」といった活劇やアメリカ製漫画の傑作「珍犬ハックル」「ポパイ」や「3バカ大将」「ちびっ子ギャング」といった短編喜劇を放送してくれたら見てやるのにと思っております。団塊世代からは大ウケすることは間違いないでしょう。
 いずれにしても、昭和30年代は今こそ思い起こすべき時代だと思います。

高橋秀樹『古記録入門』を薦めます。

No.4286

 美川先生の書き込みに乗ってしまって、書き込むべきことを書き忘れてしまいました。
 それにしても、院生がアルバイト先の塾で中学生にジェネレーションギャップを感じたなんていうレベルとはほど遠い話ですから、ゼミメンバーには、また老耄の野口のいつもの悪い癖が・・とお叱りを受けそうです。

 さて本題です。本日、文部科学省教科書調査官の高橋秀樹先生から御高著『古記録入門』(東京堂出版)を御恵送いただきました。これは、それこそ30年前、私が院生だったころにあったら、ぜったいに座右に置いた本です。もちろん、今の私もおおいに活用させていただくつもりですが、なにしろ、史料としての記録(公家などの日記)にこれから取り組まなければならない方たちには本当にバイブルのような本です。
 具体例として『玉葉』と『民経記』があげられているので、中世前期を研究対象にしている当ゼミの面々には必携だと思います。「日本中世史や日本中世文学を専攻する大学院の博士前期課程(修士課程)の学生を読者に想定して記述したつもりである」というのが、著者高橋先生の言です。
 ゼミ史料講読会用に一冊用意したいと思いますが、これは各自一冊ものだと思います。音楽CDを我慢してこれを備えるのが正解だと思います。
 高橋先生に、あつくお礼を申し上げます。

月曜日、史料講読会と例会が予定されていますが、名古屋から野口君が上洛の予定です。

Re: 懐かしいアジア

No.4287

今日は、午前中の映画のおかげで、ほとんど仕事ができませんでした。
まあ、最低ノルマの原稿3枚だけは書きましたが。

とにかく、ALWAYS 三丁目の夕日 のホームページで、予告編を見たりしただけで、
まためそめそ泣いたりしています。http://www.always3.jp/index02.html

いろいろな関連ブログを読むと、
昭和30年代には生まれていなかった人も、一様に懐かしみ、というかそれ以上に、
実は、日本はこんなにすばらしい人たちのいる国だったんだ、なんて感想を持つようです。家族の情愛なんていうと、イエが重要だ、なんてうさんくさいレベルになりますが、
実は、アカの他人同士の身体的な情愛が、溢れんばかりに描かれているんですね。
家族がたいせつ、なんてことではない。モノより人間がたいせつ、というごくあたりまえのことを正攻法でえがいた娯楽作品なんです。

これは世代を超えた国民的映画だな、なんて思っていた、のですが。
いや、ちがうな、国境を越えるな。少なくとも同じアジア人なら、
どこでも共感をえられる映画なんではないか、と思い始めています。

日本と同じように、韓国はもう高度成長しましたし、中国はその真っ最中。
中国なんて、もう田舎と北京や上海などの大都市とは、
ほんとうにまったく違う世界です。
でも、中国の田舎のひとたちには、まだ情愛があふれている。
去年の秋、かつての侵略者の子孫である私たちを、
もうあふれんばかりに歓迎してくれました。
あの人たちとは、昭和30年代のように、心を通じさせることができる。

靖国に行って日本をアジアで孤立させようとしている亡国の首相の心は、
まったくわかりません。
その首相を支持する現代の日本国民の心も、私はよくはわからないのですが。

そして、きっと、この映画には、懐かしいアジアの情景があるのでしょう。

我が家でも。

No.4288

「アルバイト先の塾で中学生にジェネレーションギャップを感じた」当の本人です(笑)。
「ローハイド」・「コンバット」は、我が家でも両親が昔話に花を咲かせておりました。
今までテレビ業界といえば、若年層にばかりターゲットにしていましたが、
これからは確実に団塊世代の方々へとシフトしていくのでしょうね。
(というよりも、シフトしていかないと業界が持たないのは確実)
あと、音楽業界も。

個人的には、NHKには、ぜひぜひ「人形劇」という古きよき伝統を
維持し守っていってほしいと思います。
大河ドラマとかはCSでもわりに再放送をやるんですが、人形劇はさすがになかなかやらないので…。
そろそろ久々に「三国志」の再放送をやってもいい頃だと思うのですが。