山口博史さんと「歴史グループ早雲」

No.4192

 畏友・山口博史さんから『私の歴史ノート-歴史グループ早雲と共に歩んだ二十三年』を御恵送いただきました。
 前にも書いたことがありますが、歴史グループ早雲というのは、本当に市民による歴史研究サークルとしては希有な存在で、趣味に偏しているわけでもなく、行政に主導されているわけでもなく、一般の市民によるきちんと学問的基盤に立ったこのような研究会はほかに見たことがありません。山口さんが、その歴史グループ早雲と共に歩んでこられた足跡とそこで発表された研究の成果をまとめられたのが、この本です。
 今まで知らなかった大学時代からの山口さんの日本史との関わりを知ることが出来ました。山口さんとは同じ学年なので、自分の経歴と照らし合わせて、いろいろ思うところ、感ずるところがありました。
 山口さんが歴史グループ早雲との関わりの中で一番印象に残っている先生は戸田芳実先生だと書かれていますが、私が山口さんと面識を得ることが出来たのも、戸田先生のおかげでした。京都労働学校の日本史の講座のうち、鎌倉時代を一緒に担当しないかと戸田先生からお誘いいただいたのがその契機です。あれから、もう20年近く経ち、鹿児島・千葉にいたときも山口さんからは機関誌『早雲』を送っていただき、京都のことを思い出させていただいておりました。
 市民参加の「歴史学」が失われつつある現状を顧みると、歴史グループ早雲の存在はとても大きいと考えます。最近では当ゼミのメンバーも時々学習会に参加させていただいております。
 山口さん、御本の御恵送、ありがとうございました。また、「あとがき」に御紹介を頂いて恐縮至極です。御闘病の中でも歴史に情熱を傾けておられる山口さんに顔向けできるように、私も研究に立ち向かいたいと思っております。

Re: 山口博史さんと「歴史グループ早雲」

No.4193

 山口さん、私にもご恵送いただき、ありがとうございました。

 日頃、歴史になんの関心もない若い学生を相手に講義をすることが多く、
「なにがおもしろうておっさん、そこでしゃべっているの」という態度に、自分の存在意義、にさえ自信がなくなることもしばしばあります。関心がない若者にも、歴史のおもしろさを知らせるのが仕事、とはいいながら、自分がもともと歴史が好きだっただけに、歴史に関心がない人間をひきつける魅力を発散する方法が、どうしても見出せないのです。

 そんなとき、山口さんや歴史グループ早雲の方々の熱心な方々の存在は、たいへん励みになります。私も微力ながら、日本史学の発展につくしたいという思いがわいてまいります。山口さんの一日も早いご快癒を祈るばかりです。