花園大学で未来に光明を見ました。

No.4072

 3日・4日の両日にわたって開催された中世都市研究会京都大会が盛会のうちに無事終了いたしました。私は、この大会で実行委員の末席を汚させていただいたばかりか、報告の機会まで与えていただき、大変勉強になりました。報告を担当され先生方や、コメンテーターとして遠方からお出で下さった先生方と親交を深めることが出来たことは、今後の大きな財産になることと思います。
 大会の企画・運営にあたられた実行委員会の先生方、とりわけ中心になって獅子奮迅の活躍された仁木宏先生・山田邦和先生に、あつくお礼を申し上げます。
 会場となった花園大学の山田先生は、会場の設営から懇親会・弁当の手配にいたるまで一手にこなされ、そのうえ討論の場では司会者兼発言者の役割は言うに及ばず、記録用ビデオのテープ交換もこなされるなど、まさしく八面六臂の御活躍でした。さすが、もと京都文化博物館の名学芸員!すばらしい力量に感服しました。
 さらに、特筆したいのは院生の鎌田さん・高橋君らをリーダーとする花園大学考古学研究室・山田ゼミ所属の学生さんたちの活躍です。「学生は師の後ろ姿を見て育つ」ことがよくわかります。見ているだけで、うれしくなりました。
 花園大学の考古学研究室からは、おなじみの前川佳代さんや安土城跡の調査・研究で活躍されている坂田孝彦氏など、すぐれた人材が輩出していますが、後輩のみなさんも必ず後に続くであろうことを確信いたしました。花大のみなさん、お疲れ様でした。
 当ゼミメンバーからも、長村君・山本君・尻池さん・山岡さんが参加してくれました。感想は如何?
 なお、会場や懇親会で沢山の方々にお会いできたのも、うれしいことでした。何しろ、こういう学会に遠路をいとわず積極的に参加しようという意志のある若者がこんなに存在する、そのことを確認出来ただけでも幸せでした。
 ゼミ旅行のときにお世話になった隼人町の重久先生もお出でになっていました。
 
 かくして、一件落着。私はこれから、中断していた山積みの仕事に再挑戦いたします。
 ゆえに・・・、史料講読会は、岩田君以下、「優秀な」院生のメンバーにお任せいたしますので、どうぞ宜しく。

 ☆ 来年度の共同研究について
   考古学のメンバーとして大原瞳さんに加わっていただけることになりました。
   情報処理担当として鈴木君・永富さんにも加わっていただきたいのですが、如何でしょうか? 

  >田中さん
 ゼミ旅行打ち上げ会(プラス、山内さんのお誕生日のお祝い)の幹事、御苦労様です。日程が決まりましたら、宜しくお知らせ下さい。

  >有村さん
 御上洛のさいの接待役を山岡瞳さんにお願いいたしました。山岡さんから直接連絡させていただきます。何はともあれ院試の勉強、頑張ってください。

  >松尾先生
 尚古集成館のリニューアル、とても楽しみにしています。地元の方たちの地域理解にも大きな変革をせまるものになると思います。
  
  >鹿児島の皆様
 接近中の台風14号、くれぐれもお気をつけください。

Re: 花園大学で未来に光明を見ました。

平田樹理
No.4074

>野口先生
中世都市研究会お疲れ様でした。
会場で先生にお会いできなかったのですが、諸報告から学ぶことが多々あり、大変勉強になりました。
ありがとうございました。

 今日から神戸大学の古文書合宿に行ってきます。
台風はどうなんでしょうか…。
また史料講読会のときに伺います。
宜しく御願い申し上げます。

諸連絡。

No.4075

 >平田さん  山田君とは会場でお話しする機会がありました。平田さんもちょっと余裕が出来たことと思いますので、史料講読会など、よろしくお願いいたします。共同研究の参加はどうされますか?

 >山岡さん  有村さんとの連絡など、よろしくお願いいたします。佐伯君とも連絡を取ってください。

 >ゼミ旅行参加者および有村さんファンの皆さん  14日の歓迎会、ふるって御参加下さい。

 >大原さん もし時間があれば、10日(旅行打ち上げ)か14日(歓迎会)に御参加下さい。共同研究のメンバーを紹介したいと思います。

 ☆ 中世都市研究会大会の直前ですぐに御紹介できませんでしたが、高橋慎一朗先生から御高著『武家の古都、鎌倉』(山川出版社)、本郷和人先生・本郷恵子先生より本郷和人編『歴史の争点 武士と天皇』(別冊歴史読本)を御恵送いただきました。あつくお礼申し上げます。

お疲れ様でした。

山岡 瞳
No.4076

 中世都市研究会お疲れ様でした。二日間のすべての報告を聞きましたが、その内容の濃さにまだ消化できずにいます。特に最後の討論では、二時間では足りないくらいの議論がなされ、京都を様々な方面から見ることができ、大変勉強になりました。改めて、山田先生をはじめ準備に携わった方々にお礼申し上げます。

>野口先生
 有村さんとは連絡が取れました。この件につきましてはまた書き込みをしたいと思います。

>有村さん
 先日はお忙しい時に突然のメール申し訳ありませんでした。また何かありましたらご連絡ください。院試の勉強頑張ってください。

中世都市研究会に参加して

No.4088

 先日の中世都市研究会に参加させていただきましたが、特に今回の研究会のテーマは自分が生活している「京都」という事もあって大変興味深く聞く事ができ、また勉強になりました。権力・祝祭・流通などいろんな角度・視点から研究されている先生方の発表を聞くにつれて、自分が普段生活している京都が、至極当たり前の事ですが、今も昔もいろんな側面を持ち、それが有機的に関連しあって、一つの「中世都市京都」という「小宇宙」を形成していることに改めて実感させられました。
 
 山田邦和先生の今回の研究会の「総括と論点提示」の発表に関しては、従来自分も疑問に感じていた中世都市論に関する疑問点(都市的な場など)や問題点を、自分のような門外漢でも理解できるように懇切丁寧に説明して下さったことで、頭の中でモヤモヤしていたものがクリアーになりました。
 また山田先生の発表内容の中で特に印象的だったのは、先生が都市を構成する重要な要素として指摘された「情報」に関する点です。都市というのは、単に人口が多くても、それは烏合の衆であって、その時代の権力や政治、経済などに有益な情報を持った人間の集まる場=情報センターという点が都市にとって必要不可欠であるという御指摘は、本当に重要な点であると思いました。
 当時そのような情報という「資本」を活用する階層は様々存在したと考えられますが、特に自分が勉強している「軍事権門の担い手」や「都の治安維持」という役割で捉えられている鎌倉幕府の御家人や非御家人を含めた「中世の武士」が、先生の御指摘する「情報」という点に具体的にどのように関係していたのか、今後そういう視点からも勉強していきたいと思いました。
 
 ただ、従来は都市としては評価されていなかったものが、新たに都市として再評価されているという最近の研究動向に関しては疑問も感じました。そもそも人間の生活する場を「都市」と「村落」という二元論的に区分して説明できるものなのでしょうか?村落にも権力的要素や経済的要素はもちろんあったと考えられますし、各地域社会・共同体の情報センターだった要素は否定できないと思います。その点は、先生の御指摘された「都市の階層性」の問題と関連するかと思いますが、その都市の階層性の枠内に村落はどのように関連するのか、また「中世は都市の時代」という歴史認識の下で、各地域に存在した中世村落の位置づけはどうなるのか、また中世都市の経済基盤である各地の荘園や村落との関係性など、いろいろ考えさせられると同時に、疑問点も感じました。
 
 野口先生の発表にも疑問点を感じましたが、今度ある勉強会の時に直接伺いたいと思います。
 以上長くなりましたが、山田先生をはじめ、花園大学考古学研究室など準備してくださった皆様、本当にありがとうございました。
 

情報処理担当です。

No.4092

みなさんお久しぶりです。
野口先生の書き込みへの返事もできず、毎日バタバタしていましたが、ようやく2学期がスタートできました...。

山本さんの「情報」という単語に、アンテナが反応してしまったので書き込みしようとおもいます。

 中世都市研究会には参加していないので、議論に加わることも微妙な所なのですが
「情報」というものは、お金と同じように「ストックとフロー」の両方に価値が出てくるものだと思います。山本さんの書き込みでは「ストック」=「資本」という視点のみが強調されているように思います。
 山田先生の発表における、「情報センター」の本来の意図はわかりませんが、「フロー」=「流れ」が集中する場所という意味ではないかと僕は感じています。ホットな情報をいかに早く手に入れるか、鮮度が価値になります。

 簡単に大量の情報にアクセスできる場所=都市という事ではないかと思います。「中世の武士」も情報(流れ)をコントロールする側になれたからこそ、いろいろな権力がついてきたのではないでしょうか。


野口先生>
メンバーに加えていただいて、本当にありがとうございます。
来年の仕事環境がどういう状況になるのか未知数ですが、出来る限りお手伝いしたいと思います。

Re: 花園大学で未来に光明を見ました。

No.4093

>野口先生、皆様

 中世都市研究会京都大会(於花園大学)が無事に終了いたしました。些細なミスやアクシデントはありましたが、全体としては「成功」だったといって良いと思います。野口先生、数重ねた準備会から資料集印刷、さらにはご自身の御報告まで、本当にお疲れさまでした。

 私はとにかくバタバタしており、ホスト校としての役割を充分に果たせたかどうかわかりません。その分は、花園大学考古学研究室の学生諸君がよくがんばってフォローしてくれました。まことにありがたいことだと思っています。

 >山本さん、鈴木さん
 私の拙い報告に対するご感想、ありがとうございました。私に与えられたのは「総括と論点整理」というまことにとりとめのないもので、どうしてよいかわからない、というのが本当のところでした。しかし、「あの方の報告はこうで、その方の報告の論点はここで、こちらの先生のお話をまとめるとこうで・・・」ということばかりではこちらも面白くありません。この際、限られた時間の中ではありますが、私の考えている都市論の問題点を赤裸々にぶつけてみよう、というのでああいうことになりました。
 ただ、「都市の階層性」論や、「都市=情報センター」論といった具体性を欠く議論が会場の皆様にどれだけ受け入れられるのか、我ながらかなり危惧しておりました。しかし、山本さんの御感想によると、私の論点もそれなりのインパクトを持って受け止められたようで、ホッと安心しております。ありがとうございました。

 「都市=情報センター」は、私の創称ではなく、梅棹忠夫先生が唱えられた議論です(梅棹先生が「情報産業」という言葉の創始者であることはよく知られています)。私は、それを発展させて具体的な都市論の中に組み込みたいと思っています。「都市=情報センター」論からいうと、従来の都市の条件とされてきた○高密度・多量の人口、○工業、○商業・交通、○軍事・防衛、○政治・権力、○自治・自由、○モニュメント・中核施設、○非農業的生産、○フル=タイム=スペシャリスト、などの諸要素は、いずれも広い意味での「情報」に包含されるものであると考えています。
 さらに、「都市=情報センター」論からいうと、○人間のいない都市、○農業をいっぱいやっている都市、○商工業をやらない都市、などというものも充分に成立します。逆説と受け止められるかとは思いますが、私は真面目にこうしたことを考えています。

 この議論、もうちょっと深化させて、また皆様にじっくりと聞いて頂きたいと考えています。よろしくお願いします。