通学路で、『平家物語』を旅する。

No.3939

 京都女子大学受験生のための定期刊行のパンフレット『京女えふ』(Vol.02,2005 July)に、「【京都がキャンパス】通学路で、平家物語を旅する」という<特集>記事を載せていただきました。
 JR京都駅から、京女にいたるまでの通学路に点在する『平家物語』関係の史跡を紹介した内容です(全ページカラー・史跡地図付き)。
 七条町・八条院庁(JR京都駅)→六条河原・六波羅(七条大橋)→法住寺殿(京都国立博物館・三十三間堂)→新日吉神宮(女坂)→平重盛小松殿(馬町・積翠園)といったコースで『平家物語』の一節を紹介しながら私が案内する形になっています。
 御入用の方は、京都女子大学入学センターまで。
  ℡075-531-7054, FAX075-531-7222, E-mail:nyuushi@kyoto-wu.ac.jp

 なお、本年度も全国の高等学校からの申込みにお応えする形での出張講義を担当することになりました。ジャンルは歴史学の分野(京都学)。タイトルは「武士の都としての平安京・京都」です。詳細は下記を御覧下さい。指定の曜日にかかわらず、実施日程については出来るだけ調整したいと考えております。昨年度は福岡・兵庫・島根の高校を訪れ、多くの楽しい出会いを経験させていただきました。

 http://www2.kyoto-wu.ac.jp/nyushi/shuccho/01-rekishi.html

ゼミ旅行で島津庄・島津氏を考える。

No.3940

 昨日、宮崎県都城市から『都城市史』の「通史編中世・近世」と「史料編近現代6」を御恵送いただきました(私は古代編<刊行済み>の編纂・執筆に参加)。
 このうち「通史編中世・近世」は、島津庄・島津氏に関する最新の研究成果が満載です。島津庄というと薩摩国・鹿児島県を想起する人が多いと思いますが、そもそも島津庄は、日向国の島津駅周辺の地が大宰府の府官であった鎮西平氏の平季基によって関白藤原頼通に寄進されて成立し、やがて薩摩・大隅にまで拡大して院政期(藤原忠実の時代)に日本一の大荘園(摂関家領)に発展したものです。ですから、都城は島津庄の中核地域にあたり、市史においても当然、島津庄・島津氏の記述は大きなウェイトを占めることになります。
 さて、鹿児島ゼミ旅行(初日に都城市を通ります)に参加するゼミメンバーのみなさん。これを機に、島津庄・島津氏の研究に本格的に取り組んでみませんか?
 摂関家の爪牙としての役割を担った源為朝、島津庄の外港的機能を担ったとみられる万之瀬川河口の港津、頼朝による摂関家家人惟宗忠久の島津庄惣地頭起用の問題など・・・面白い材料だらけです。
 とくに佐伯君・岩田君には、ひと勉強していただいて、学部生への御指導をお願いしたいと思っております。

 >山田邦和先生  「都城」は、京都以外ではまず第一に山田先生に気に入って頂けそうな都市名だと思います。残念ながら条坊制の遺構はございませんが、文献史料のみならず考古学に資する遺跡も豊富で、地元の研究者の方々の御活躍はめざましいものがあります。 

研究所懸賞論文募集のお知らせ。

No.3941

 ◇ 第20回 宗教・文化研究所懸賞論文募集のお知らせ ◇

テーマ:親鸞の思想、仏教思想や宗教思想等あるいは現代社会の直面している様々な問題について、宗教の視点も加えて論評したもの(たとえば性差別や生命倫理の問題、地球環境、国際関係、ITの普及、少年犯罪やカルト宗教をめぐる問題など)に関するもの。題は自由。また、エッセイの形式でも可。

応募資格:京都女子大学大学院生・学部生・短期大学部学生

応募締切日:平成17年10月3日(月)正午

原稿枚数:15枚程度(A4・縦書き400字詰め原稿用紙、パソコン使用可)

原稿提出先:宗教教育センター

入選発表・表彰式:平成17年12月5日(月)「心の学園記念式」
         入選者には、下記の賞金と賞状を授与
          特選10万円  優秀作7万円  秀作5万円  佳作3万円
          また、平成17年度「宗教・文化研究所だより」第42号(平成18年2月下旬
         発行予定)に掲載されます。
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 募集要項については、学内掲示板で必ず確認してください。また、不明な点があれば、宗教教育センターにお尋ね下さい。
 ☆ 親鸞あるいは性差別について歴史学からアプローチを試みるなど、ゼミメンバーによる積極的な参加を期待します。

「陵墓研究の新地平」の御案内。

No.3944

 土曜日にはNO.3935で御紹介した女性史総合研究会例会と同じ時間帯に、山田邦和先生の御発表を含む日本史研究会の例会も開かれます。
 「祇園祭の宵山の前に、ちょっと学問を」という方は、どちらかにどうぞ。

【日本史研究会 七月例会「陵墓研究の新地平」】
日本史研究会と京都民科歴史部会が共同編集した『「陵墓」からみた日本史』(青木書店、1995年)の出版から十年が経った。その間、宮内庁所蔵資料(文献史料・出土遺物)の部分的公開の実現とも相まって、文献史学・考古学両分野からの陵墓研究は格段の進捗を遂げることになった。そのような新しい研究動向を踏まえつつ、陵墓研究の現状を整理し、そこに内在する問題点を明らかにしたいと考える。

【日 時】7月16日(土)午後1時~5時
【場 所】機関紙会館5階会議室
   (京都市上京区新町通り丸太町上ル春帯町)
(地下鉄丸太町駅下車2番出口より西へ徒歩5分、市バス府庁前下車すぐ)
【報告者】
外池 昇氏(田園調布学園大学短期大学部)「近代における陵墓政策の展開と矛盾」
今尾文昭氏(奈良県立橿原考古学研究所) 「考古学から見た律令期陵墓の実像」
山田邦和氏(花園大学文学部)        「平安時代陵墓研究の展望」
討論 (司会)高木博志氏(京都大学人文科学研究所)

  入場無料 一般来聴歓迎
お問い合せは、日本史研究会 075(256)9211

武士の家と武士団の構造に関する御高論

No.3950

 学習院大学文学部助手の田中大喜先生から、御高論「一門評定の展開と幕府裁判」(『歴史学研究』786)および「南北朝期武家の兄弟たち-「家督制」成立過程に関する一考察-」(悪党研究会編『悪党と内乱』岩田書院)を御恵送いただきました。
 私が学生だった頃、武士団研究においては「惣領制」研究が活況を呈していたのですが、それが「家」の問題に還元されて今日に至っているように思います。そうした研究の流れの中での最新の研究成果として位置づけられるものでしょう。
 田中先生にあつくお礼を申し上げます。武士論をテーマにしているゼミメンバーは必読です。とくに山内さん・山本君。
 千葉氏における『源平闘諍録』のような一族意識を支えるイデオロギー装置や武士の心性との関わりでの展開が今後の課題となることと思います。

Re:「陵墓研究の新地平」の御案内。

No.3951

野口先生
宣伝ありがとうございます。
今、明日の報告の準備をしている最中ですが、なかなかまとまりません。こんなので間に合うのでしょうか? え~い、後は野となれ山となれ、という不遜な気持ちになりつつあります。

ご興味のある方はどうかご参集くださいませ。