元木泰雄編『王朝の変容と武者』遂に刊行

No.3912

 清文堂『古代の人物』の第6巻、元木泰雄編『王朝の変容と武者』が刊行され、本日手許に届きました。内容も装丁も立派な本です。難産の末に生まれただけに(野口執筆部分)、感慨一入です。何はともあれ、一身に御苦労を担われた、この巻の編者である元木先生にお祝いとお礼を申し上げます。この掲示板を御覧の方には、御購入と御精読をお勧めするばかりです。
 この本の構成は以下のとおりです。
 
   本巻のねらい 王朝の変容と武者・・元木泰雄(京都大学大学院教授)
  Ⅰ 道長と王朝の栄華
    藤原道長・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・加藤友康(東京大学教授)
    東三条院藤原詮子・・・・・・・・・・・・・伴瀬明美(同助手)
    藤原実資・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・松薗 斉(愛知学院大学教授)
    藤原行成・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・関口 力(古代学研究所助教授)
    三条天皇・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・中込律子(学習院大学講師)
    清少納言と紫式部・・・・・・・・・・・・・古瀬奈津子(お茶の水女子大学教授)
    【様々な源氏】・・・・・・・・・・・・・・・・・佐伯智広(京都大学大学院生)
   Ⅱ 摂関政治の衰退
    藤原頼通・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・元木泰雄
    後三条天皇・・・・・・・・・・・・・・・・・・・美川 圭(摂南大学教授)
    白河天皇・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・上島 享(京都府立大学助教授)
    藤原師実・師通・・・・・・・・・・・・・・・佐藤健治(東北学院大学講師)
    源 師房・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・岡野友彦(皇學館大学教授)
    源 俊明・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・木村真美子(学習院大学研究員)
    成 尋・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・石井正敏(中央大学教授)
    【受領たち】・・・・・・・・・・・・・・・・・・元木泰雄
   Ⅲ 武士と地方の反乱
    袴垂と保昌・・・・・・・・・・・・・・・・・・・関 幸彦(鶴見大学教授)
    藤原隆家・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・野口 実(京都女子大学教授)
    源 頼光・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・近藤好和(駒澤大学講師)
    源 頼信・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・横澤大典(龍谷大学講師)
    安倍頼良・貞任・・・・・・・・・・・・・・・戸川 点(都立南高校教諭)
    源 頼義・義家・・・・・・・・・・・・・・・元木泰雄
    平 正盛・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・西村 隆(京都府立総合資料館)
    【『今昔物語集』に見える猛者たち】・・元木泰雄 
               A5判上製本 カバー装 本体3800円 

Re: 元木泰雄編『王朝の変容と武者』遂に刊行

No.3916

野口先生、ご紹介有難うございます。
 先生はもとより、多くの方々には早々に玉稿を賜りながら、刊行期限を大幅に超過いたし、誠に申し訳ありませんでした。
 ともかく、やっと出ました。

 それにしても、2004年には刊行のはずが、超過に超過を重ね、6月26日の大歴には間に合うという最後の約束も守られませんでした。
 でも、出ただけマシ、ということでしょうか。昨日の時点では、京大生協には並んでおりませんでした。一般書店の店頭に並ぶのは、まだ先でしょうか?
 刊行の遅延はともかく、内容については力作、野心作が目白押しです。また、中にはかなり様々な点で、歴史的評価が異なる論考もあります。一般読者には、やや混乱を与える面もあるかもしれませんが、歴史を学ぶ諸君には、勉強会のよきテキストになると思います。
 はたで見ていてハラハラ、イライラさせられましたが、編集者というのは何とも難しい仕事ですね。誰とは言いませんが、人柄がよすぎるとなかなか本が出ないし、逆に押しが強過ぎると執筆者が腹を立ててしまうし。中には気持ち悪がらせて原稿を集めたk出版の変わった編集者もいましたが・・・。
 ただ、何でも同じですが、よい仕事の根底には、日ごろからの信頼関係が必ず存するということに相違はありません。
 大勢のメンバーを束ねる編者も、血圧が上がる仕事ですね。
 前回の『日本の時代史』では、日常的にもお付き合いもあり、お仕事の内容も理解している方々ばかりだったので、気持ちよく充実した仕事ができました。今回は人数も多く、全く存じ上げない方もおられましたので、色々気を遣いました。
 確実なのは、いざとなれば、編者が腹を切る、というのはかなり有効な恫喝である、ということです。
 古代の人物全巻が完結するかどうか。
 あとは高見の見物とさせていただきましょう。ご執筆の皆様も、ご一緒に・・・。

 『中世の人物・第一巻 院政と源平の争乱』の執筆に際しましては、またご面倒をおかけしますが、よろしくお願い申し上げます?・・・