『日本史研究』511号の21頁に御注目。

No.3441

 このところ、書き込みを小生一人が独占しています。ゼミ崩壊の前兆現象かも知れませんが、まあそれも「諸行無常」ですから仕方ないとして、お知らせしたいことがありますので、また書き込みます。
 タイトルに示した件ですが、一つは樋口知志「蝦夷と太平洋海上交通」の「むすびにかえて」注5です。ここで樋口氏は小口雅史氏が「延久蝦夷合戦をめぐる覚書」で清原「貞」衡は清原「真」衡の誤読と断定したことを批判し、関係写本を調査の上、近く御自身の見解を公表されると述べておられます。
 この件については、既に当BBSにおいて、「真」衡こそ誤読とする認識で一致しております。このことを確認させていただきたいと思います。過去ログで、737,739,741,744,745,746,747,769,770,1095を御覧下さい。
 この問題については、ほかに、前川佳代さんも「貞」衡説の立場から独自の書き込みをされていたはずです。樋口氏の御見解の提示も楽しみですが、ずいぶん以前から独自に写本の調査を進めておられた前川さんによる早々の御発表を待望しています。
 『史学雑誌』の回顧と展望(2003年)で、清原真衡説にほぼ確定というように紹介されており(75頁)、これは困ったことだと思っておりましたので、再び検討の俎上に上ることになれば、よいことだと思っています。

 もう一件は、タイトルの同じ頁の日本史研究会による「会告」です。これによると日本史研究会の本年度大会(10月8・9日)の会場は京都女子大学の由。たしか3年前もそうだったので、驚いております。しかし、これは京女の学生さんには朗報です(すくなくとも2割引で、日本史関係の書籍が購入できる)。当ゼミとしても、大学周辺(六波羅・法住寺殿跡)の史跡見学会や独自テーマの研究会など、いろいろ企画してみたいと思いますが、みなさん如何でしょうか?

 >植村先生  さっそく書き込みをいただいて、ありがとうございます。今後とも宜しくお願いいたします。国文学専攻院生のメンバーに研究の指針などをお示し下されば助かります。文科系の研究者は研究室に閉じこもっていては全く仕事になりませんから、ぜひ例会・見学会・ゼミ旅行などに御参加いただければ、幸いに存じます。
 また、自動車の運転技術についてもゼミ生への御指導を期待いたしております。
 
 >高重先生  御依頼の住所の件、週明けに研究室よりEメールでお知らせいたしますので、少しお待ち下さい。

 >山岡さん  お引っ越しは無事に済みましたか?

無事完了。

山岡 瞳
No.3443

>野口先生
ご心配をおかけしましたが、先日引っ越しを終えることができました。
超特急で片付けをしましたので、部屋はもう落ち着きました。あとは段ボールを捨てるのみです。

>田中さん
遅くなりましたが、幹事お疲れ様でした。

Re: 『日本史研究』511号の21頁に御注目。

No.3454

 野口先生ご指摘の『日本史研究』511号の樋口論文のご指摘、全く同感です。
あの字は、どのように見ても「貞」としか読みようがないと思います。
 東北の方は「真衡」で一致していたかのように思えましたが、その中から「貞衡」派が登場されたことは、心強いことですね。
 やがて公表される樋口氏が見解が注目されるところです。
 これによって、さらに議論が展開されることを期待したいと存じます。
 
 ついでで恐縮ですが、511号の表紙にの目次に見える書評の三つ目の著者、「仙田善雄」さんは、杣田善雄氏の誤りです。
 表紙は書物の顔であり、かつて当方が関与していた雑誌などでは、こうした表紙のミスが発見されようものなら、訂正のシールを貼ったりしたものです。
 これでは杣田先生に余りに失礼ではないでしょうか。
 本号の表紙の校正を担当された方、もしもご覧でしたら善処をお願いいたします。
 もちろん、すでに対策は立てておられることでしょうが。

Re: 『日本史研究』511号の21頁に御注目。

前川佳代
No.3472

野口先生、紹介していただきありがとうございます。「前陸奥守源頼俊申文」については5年前に盛岡で開催されている蝦夷研究会で報告したままでした。小口氏の論考にその時のレジメが引用されており、これではマズイ(小口氏は私の報告は聞いておられず、レジメだけが一人歩きしているので)と、書陵部蔵の写本の他にいくつか残る写本を調査中です。現在のところ、写本は3系統に分けられそうですが、問題の「貞」か「真」かは、「貞」であると思います。写本による確認も第一義ながら、いかんせん近世の写しであるため、「貞」か「真」かという問題は、「鎮守府将軍貞衡」の存在について掘り下げることも必要かと存じます。そのあたりは、野口先生の御領域かと・・・。樋口氏の見解も楽しみですし、私のお尻にも火をつけざるをえません。