講座『歴史に見える義経』の御案内。

No.3339

 本日放送の大河ドラマ『義経』は如何でしたでしょうか。そろそろ、美川先生ほか皆様の書き込みを期待したいところですが、小生は下記の講座などで、ぜひ話題に取り上げたいので、このさい出し惜しみに徹しようかと思っております。
 ところで、その講座ですが、
   
     『歴史に見える義経-判官びいきの背景-』
 平氏追討にあたって、武将としての天才を発揮した源義経は、後に兄頼朝にうとまれ、奥州・平泉で悲劇的な最期を遂げました。義経を愛惜する人々の心情は「判官びいき」を生み出しましたが、それだけに義経については伝説的な部分も多い。講座では、義経の生涯について真実と虚構との別を明らかにしていきます。
 【開講日】第2・4火曜 15:15~16:45
 【会場】毎日文化センター(大阪梅田・毎日新聞ビル2F)
 【講師】京都大学名誉教授・皇學館大学教授 上横手雅敬 
      京都女子大学教授            野口 実
 【内容】4/12,26 義経についてのさまざまな見方(上横手)
     5/10,24 平治の乱後の政情と雌伏期の義経(野口)
     6/14,28 義経の合戦と政治(野口)
     7/12.26 後白河・頼朝・義経(上横手)
     8/ 9,23 逃亡する義経とその支援者たち(野口)
     9/13,27 「判官びいき」とその背景(上横手)
 
 申し込み・お問い合わせ 毎日文化センター (お早めに)
Tel:06-6346-8700
Fax:06-6346-8703
E-mail:info@maibun.co.jp
URL:http://www.maibun.co.jp/
 
☆ すくなくとも、上横手先生の御講義については、義経関係では学問的に最高水準で、最高に面白いものだと思います。義経ファンのみならず、史学・国文専攻の学生さんにも広くお勧めいたします。

本日の義経

美川圭
No.3340

野口先生のお呼びなので。

うーん今日の義経は、とくに言うこともないのですが、
なんだか、桃太郎伝説に似ている。
太平洋の航海があっけなさすぎますよね。
船に乗ったことがないはずの義経は、
もう少し、船酔いになってもよさそうだし。

やはり、元服があれでいいのか、というのが気になります。
こういうところは、近藤先生のご教示をあおぎたいところで。

それから財前さんの政子。
1171年という設定だとすると、
現在の満年齢で13か14歳。
うちの12歳の娘が「おばさんやな」といっていたのですが、
かなりあの「潮騒」みたいなシーンには違和感が。
少なくともあんなに大写しにしないほうが。

桃太郎

No.3341

こんばんは

詳しいことはわかりませんが、桃太郎というのは同感です。一人二人ならまだしも、家来が三人となると...やはり桃太郎にしか見えません。

元服の場所に関しても、結局は今回のストーリー展開上、あの場所にしか持ってこられなかったからではないかなと思いました。(時間的にもちょうど開始30分くらいだったと思うので)

元服の時に、自分で勝手に名前つけてしまってもいいのかな??
素人としてかなり気になっています。

僕からも、近藤先生に詳しいお話をお聞きしたいです。

なるほど。

No.3342

 出ないと言ったのに出てきてしまいました。
 なるほど、「桃太郎」ですね。カニもお供というわけで、「猿蟹合戦」の要素もあったのかも?
 元服ですが、諱(いみな)をつける儀式だと思うのですが、「九郎」まで書いていましたね。しかも、「義經」でなくてよいのでしょうか?
 それから、塩竃で下船していましたが、海上から平泉に行く場合、北上川の河口から遡上するのだと思っていました。いい加減な知識の再確認が求められて、いろいろと勉強になります。
 それにしても、義経が平泉に行ったのは自主流刑みたいなもので、平家としては大歓迎だったのではないかと思うのですが。如何なものでしょうか?
 
 美川先生のお嬢様、ぜひ数年後には当ゼミに参加してください。

桃太郎+孫悟空、付け足り財前直見のこと

No.3345

一見桃太郎なんですが、人物造形からすると、プラス孫悟空ではないかと言いながら、うちでは見ておりました。私も航海がいやにあっさりしているなと思いました。伊豆にはいろんな水軍がいたのではないかと思うのですが、そこへの言及がないということは、鎌倉武士を陸の存在としか見ていないのかなと思った次第です。
頼朝と政子のシーンは、不倫中の中年カップルのようで、なんだか見ていられませんでした。政子さんはあんなところで何やってたんでしょうね。ただし、個人的には財前直見はファンなんですが。(おまえは何でもいいのかと言われてしまいそうですが。)

佐賀県に「小城市」誕生!!

No.3346

 >石浜さん  堤先生にも先を越されそうで、小生は立つ瀬がありません。鎌倉武士が決して陸ばかりの存在でなかったことを論じたNHKブックス、早々に上梓すべく努力したいと存じます。
 ちなみに、今年6月25日(土)の研究所公開講座の講師は、この堤邦彦先生(京都精華大学教授)と、先日お世話になった東大史料編纂所の助教授の高橋慎一朗先生です。御講演も懇親会も楽しみですね。

 >05年夏、小城ゼミ旅行に参加したみなさん  あの思い出深い小城町が、3月1日から小城市に生まれ変わりました。お世話になった歴史資料館の古庄秀樹さんは小城市教育委員会文化課文化財保護係と学芸係(歴史資料館)の2つの係長に就任されたとのことです(お給料も2人分?)。
 若い町長さんはどうされたのか知りたいところですね。
 小生、小城には年に一度は(美味しい羊羹につられて)訪れたいのですが、佐賀の高校から出張講義にでも呼んでくれないものかと思っております。ちなみに、今月は18日に島根県出雲市の高校に行きます。

Re: 講座『歴史に見える義経』の御案内。

No.3349

「義経」はビデオに撮ってあとで見ているので反応が遅くなります。

元服で重要なのは、髻を作ることです。それを理髪といいますから、髪を整えてきちっと作らなければならない。それは自分ではできませんね。その上で、冠や烏帽子などの被り物を被せるわけです。ドラマの場面では、義経が腰刀で自ら垂髪を切るだけ、理髪をちゃんとしていませんね。あれでは出家みたいです。

また、烏帽子も折烏帽子でしたが、折烏帽子の場合は、元服ならば、下にも書いた頂頭懸でなければならないと思います。しかし、烏帽子を頭にのせただけで、頂頭懸はおろか、風口の緒さえも結びませんでしたね。やはり烏帽子の構造が分かっていないということですね。烏帽子といえば、頼朝が立烏帽子なのは私には違和感があります。貴種であることを示したいのでしょうが、折烏帽子の方が妥当でしょう。

とはいえ、歴史や風俗の誤りは差し引いて、今回の「義経」、ドラマとしては、けっこう私は楽しく見ているのですが。

元服と傘卒塔婆

美川圭
No.3350

>近藤先生
前のご教示のおかげで、烏帽子の付け方がおかしいことは、見ている最中にわかりました。
それから、あの元服シーンで、一瞬「切腹?」と思ったのですが、
もちろん、まあ、すぐありえない、と思いました。
歴史を知らない娘は「パパ、これから切腹するんじゃないだろうね」
と質問してきました。
奇しくも、二人とも、義経の目前の腰刀が気になったわけです。
髪を切るのなら、確かに「出家」ですね。ご教示の通り。
他人による理髪だと、本人の目の前には腰刀を置かないのでは、と思うのですが、
いかがなんでしょうか。それとも垂髪を切るのは、やはり本人ですか。
でも、こういう風俗の問題は、こういう映像を題材にして、教えていただくのが、
非常によくわかります。その点で、これからも「義経」にこだわりたいです。
>石浜さん
海上交通の軽視。その通りですね。奥州の傘卒塔婆をみせるために、
塩竃で上陸というかたちにしたかったような気がします。
でも、これからしばらく奥州でしょうから、傘卒塔婆はそこでいくらでも見せる機会があったんだから、ここは太平洋をどういうふうに当時の船で航海するかを見せてほしかった。
ここ勉強してやっておくと、それが伏線になって、頼朝挙兵後の安房への渡海のシーンでもそれが生きてくると思うのですが。

頼朝はどうやって渡海するのか

No.3351

近藤先生のご教示は、いつもためになります。そのうち、授業料を払わないといけないかもしれませんね、みなさん。元服があんなにカンタンにできるのか、名前を自分で決めちゃってもいいのかなどの疑問点は、今後このドラマを見ていくための原動力になりそうです。
美川先生のおっしゃるとおりで、安房への渡海シーンにも生かせたはずですよね。このまま行くと、中井某が、ドラマのままに、えへらえへら笑いながら海を泳いでいったりして。それで、安房国で、「やあ、これで助かったぞ」などと笑顔で言われた日には…。

歴史学と大河ドラマ

No.3353

 いろいろなところで、大河ドラマの『義経』が話題にされていますが、歴史学を専門にする者がどういうスタンスで大河ドラマを考えるべきか、ということについて、参考になる資料を御紹介します。
 
 ○ 「太平記ウォッチング」(『歴史学研究会月報』1991年4月~12月号掲載)・・・中世内乱史研究会南北朝部会による大河ドラマ『太平記』の検討です。
 
 ○ 入間田宣夫「「炎立つ」(ドラマ)と歴史学の間で」(『中世内乱史研究』NO,15、1994年)

 それにしても、細かく見ていきますと、いろいろ分かっていないことが明らかになってきて、勉強になりますね。
 石浜さんの観察はなかなか鋭くて面白い。自著の編集というのは如何でしょうか?

 >永富さん  ゼミ旅行の「感想大論文」楽しみにしています。第一段階パスの曉にはぜひよろしく。

 ☆みなさま ゼミメンバーは目下、岩田師範の御指導のもとで論文講読会に「集中」(一部熱中)中です。

Re: 講座『歴史に見える義経』の御案内。

No.3355

野口先生>先日はありがとうございました。
「大論文」・・・と言われるようなものを書けるかはわかりませんががんばってみます☆
修了検定が土曜にあるのでもうしばらくかかりそうです☆すみません

まだまだ先だと思っていたのですが気づけばもう卒業式まで5日を切っていました。
本当に早いものです☆